和名倉山へ 秩父湖編
(西仙波への道からの富士山)
4日 将監小屋5:20→5:50山ノ神土→6:45西仙波→7:05東仙波→8:15川又分岐→8:25二瀬分岐→8:45和名倉山→9:00二瀬分岐→10:35造林小屋跡→11:25反射板跡→12:45吊り橋→13:10秩父湖バス停
☆和名倉山へ
早朝は風が吹いていた。4時にアラームを鳴らしたが、自分のアラームに気づく前に他の人のアラームで目が覚めた。まずはお湯を沸かして朝食を作る。少し寒いので雨具の上を着込んだ。朝食を食べてテントをたたむ。風はあるものの、体が少し慣れたのかそれほど寒いという感じではなさそうだ。気温はそれなりにあるようである。テントを畳むのに時間が少しかかった。もう出発して行く人がそれなりにいた。トイレは混んでいるかと思ったが、ちょうど空きがあるときですぐに入れたので助かった。戻ってザックを取ってきたら、もうトイレは行列ができていた。水を汲む。なかなかおいしい水でかなり冷たい。昨日入れた1Lがあるので、3Lは要らないだろうと2Lボトルに1.8Lくらい入れておいた。
さて、5時30分少し前、フリースは脱いで雨具の上は着たままで出発する。まずは将監峠までの登り。少しきついがウォーミングアップにちょうど良いか。そんなにかからず峠に登り着く。一人いたが、飛竜山の方へ向かうようだった。左へ折れて山ノ神土へ向かう。風があるが、それほど寒くはない。風も少しずつ止んできているようだ。しばらく登って左に道を分けて先へ進む。山ノ神土はそれほど遠くはなかった。
写真を撮ったりしていると後ろから女性が一人やってきて和名倉山への道を入っていった。自分も後から道に入る。のっけから歩きにくい道が続く。笹が伸びていて倒れている笹の上を歩いたり、その横を避けるように進むのだが、これがとても歩きにくい。小さく下ったり登ったりを繰り返しながら進まなくてはならず、なかなか体力を使う。途中で女性に追いつく。ひどい道ですね、と声をかけて先に進む。まだしばらくは伸びた笹に翻弄されながら斜めに少しずつ登っていく。それでも先へ行くとようやく歩きにくい笹の道から解放されたようでわずかに歩きやすくなったものの、道は細く、細かいアップダウンでそれなりに時間のかかる道である。途中、一人パスする。さらに先へ進んでいくと笹の中のトラバースに出る。先には小ピークが見え、あそこに登るのかなと思いながら進む。右側が開けると富士山がきれいであった。風はほとんど止み、今日も天気が良い。午後は暑くなりそうだ。
見えていた小ピークは登らずに左へ巻くらしく、左の樹林の中に入った。しばらくはトラバース気味の道が続く。道が少し崩れ気味の所もあって少し慎重に通過する。その後もしばらくは巻き道が続く。すると途中でガツンと頭を木にぶつけてしまった。星が飛んだ気分。めちゃくちゃ痛かった。こりゃたんこぶできそうだ。気を取り直して先へ進む。まだしばらくは巻き道の続きを進み、やがて登っていくと西仙波の表示のある所に着く。もう少し頑張って東仙波で休もう。
しばらく先へ進み、ちょっと岩の出た道を進む。右下にも踏み跡があるようだったが、そのまま岩の上を進む。しばらく登っていくと岩の上に着く。眺めがよく、富士山もきれいである。東仙波は少し先のようである。少し下ってからしばらく登り返すと東仙波の山頂に着いた。お二人ほど休んでいたが、すぐに出発していった。良い山頂である。山名板が付いているが逆光で見えにくい。向こうに見えるのはカバアノ頭であろうか。富士山がやはりきれいである。少し水を飲んで休んだ。
先へ進む。緩やかな下りで踏み跡を下る。少し下った所で、どうも何かおかしいと感じる。地図を取り出して確認するとどうやらこれはカバアノ頭へ向かう踏み跡のようだ。相変わらずやってしまった。少し下ってしまったので登り返しがきつい。やっと登り返して東仙波の山頂まで戻った。再度わずかに進むと左下の木にテープが付けられている。先には山の斜面が見えていて、やはりこちらに進むのが正解であった。安心して先へ下る。しばらく下ってから登り返しになる。それほどきつくはないが、それなりに登らされる。しばらく登っていくとさきほどパスした人が先を歩いていた。自分が道間違えをしている間に通り過ぎたのだろう。道が緩やかになった所で再びパスする。このあたりが焼小屋ノ頭であろう。
緩やかな下りになり、岩も少し出てくる道を下っていく。どんどん先へ進み、緩やかな道を進んでいく。少し登りもあるが、そんなにきつくはない道を進む。淡々と進んでいき、きれいな奥秩父らしい雰囲気の森の所も通る。緩やかに下って八百平と思われる所を通過する。その先へ進むと左手を回り込み、やがて登りがきつくなる。しばらく登ると川又分岐の表示がある。こんな所を通る人はまずいないはずである。川又の橋も壊れているらしい。さらに登りがきつい。ここは我慢して登る。しばらく登ると坂の途中に道標があり、そこが二瀬分岐であった。ザックが二つほどデポされていた。自分はどうしようか迷ったが、昨日の西御殿岩の事もあるし、そのまま持っていくことにした。
右に登る。緩やかな登りで斜めに登る。しばらく登っていくと降りてくる人に何人か会った。少し笹が繁茂している中を通る。このあたりは以前と変わらないが、以前よりは薄くなっているのであろう。そこを抜けると少し草地が広がる所に出る。しかし、笹が伸びつつあるようで、その中に付いている道をしばらく登る。スペースがある場所を通り、左に進んで樹林の中に入る。薄暗い樹林は以前と変わらない。ただ道は太くなっているようだ。しばらく進むと小広くなっている和名倉山の山頂に着いた。やっぱり雰囲気は変わらないが、以前よりは倒木が増えて、少しずつ開けてきているようだ。以前ほどの陰湿な感じは受けなかった。それでも、あまり長居をしたいという山頂でもない。写真を撮って一呼吸休んだら戻ることにする。
再び樹林の中を進んで往路を戻る。草地は少なく、また笹の中の道に入る。さすがに下りは早い。途中でパスした人も含めて登ってくる数人に会った。二瀬分岐に戻り、道標を確認して、二瀬への道に入る。
のっけから踏み跡という感じで少し道が分かりにくい。なんとなくこれだろうとそれを進み、緩やかに登る。さすがに右には登らないよなと思っているとやはり左に進んで樹林の中に入る。進むと倒木があった。なんとか乗り越えて先に進む。それなりに道は続いていて問題はない。やがて緩やかなアップダウンで進んでいくとモフモフといった感じの苔の多い森になる。なかなか良い雰囲気である。しばらく下るとバイカオウレンがちらほらと咲いていた。
やがて少し開けた感じの所の手前の木に二瀬を示す古い道標がたてかけるように置かれていた。そこから右に進む。
そこからは歩きにくいトラバース道であった。下るのかと思ったら登ったりしながら進んでいくが、倒木も結構あり、それがまた大きい倒木だったりする。いちいち踏み越えていかなくてはいけないので時間も体力も使う。また急に上に行ったり、下に行ったり、なかなか忙しい。このあたりは林業のための作業道だったのだろうから、致し方ないのかもしれない。途中で初めて登って来る人に会った。だいぶ道が細く、通過するのに手間取る所も多々あった。それでもなんとか進んでいくとやがて下り、尾根上のわずかなスペースに出る。日当たりもよく、休むのに良い場所である。水を飲むが、すでに結構飲んでいる。1Lはできれば家まで持って帰ろうと思っているのだが、果たしてこのボトルの水で間に合うだろうか。
先へ行くと劇下りになる。かなりの急降下である。歩きやすい所を探すが、道は細く、選択支はあまりない。しばらくきつい下りが続いた。その先は少し緩やかになり、道標を見て先へ行く。明るい樹林に出るが、ようやく新緑が始まりつつある感じの所を通る。バイケイソウが伸び始めていた。さらに先に進むと明るい樹林の中を下へ向かっていく。赤テープを見失わないようにしながら、道を下る。
やはり下ると新緑の芽吹きがきれいな所を通る。
登ってくる二人目の人に会った。先に進み、右の谷に向かって急降下になる。さすがに足が痛くなってきた。足元にはコガネネコノメなどが咲いていたので写真を撮る。
再び下り始めるが、やはり足が痛い下りが続く。ひたすら下ってようやく小さな沢に出る。水が流れているが、あまりきれいな水という感じではない。顔だけ洗ったら、少しクールダウンできた。左に進むと何かビニールのようなものを見かける。このあたりが造林小屋であろう。
日差しがあるので、できれば日陰で休みたい。もう少し進んだ所に道標があったが、そのあたりが少し日陰になっていたのでそこにザックをおろしてしばし休憩した。
先に進み、緩やかな道を進んでいく。トラバース気味の道が続く。先の方にピークが見えるが、あそこまで登るのだろうか。道はあまり良くなく、ところどころ崩れていたり、かなり細くなっていて通りにくい所がある。そういう所は慎重に進まなくてはならず、なかなか時間がかかる道である。稜線は随分高い。やがて進んでいくと倒木が並んでいる所がある。足場が切られているが、もし足を踏み外せば転落する。慎重に渡るが、その先もガレ場を歩かせられる。ここも踏み跡ができてはいるが、安心はできない。なんとか先に進み、少し下ると再びトラバース道に戻ったので安心する。しかし、やはりまだその先も歩きにくい所が出てきた。それでも進んでいくと今度はロープの付いた所がある。ロープを掴んで登ると続きのトラバース道である。そこからは多少歩きやすい感じになった。やがて歩いていくと新緑がきれいな所を通る。気分の良い所である。
ひたすら道を歩いていくと途中左のピークへ登れそうな所がある。木にテープも付いていた。もしかすると登尾沢ノ頭へ立ち寄ってみるような人がいるのかもしれない、などと思いつつ、先へ進む。
少し平坦な所を歩いていたら、また一人登りの人に会った。さらにしばらく歩くと明るい小さな平坦な場所に着く。道標があり、見ると反射板と書かれている。以前はここに何かの反射板があった跡地らしい。なぜか手前あたりに一升瓶が転がっていた。
さて、ここから道標の向き先通りに右へ下るが、細くて落ち葉の溜まった道をじぐざぐに下るのだが、歩きにくい上に劇下りである。傾斜がきつく、下手すると転げ落ちるので注意して下る。荷物が重いのでここを下るのはしんどい。なんとか左右に曲がって下ると左方向に進むようになり、若干マシになる。しばらく降りて尾根らしくなるが、やっぱり急な下りがしばらく続く。まだまだ足が痛い下りが続く。ひたすら降りると登って来る人に会った。これで四人目である。さらに下りが続く。途中、降りてくる道は分かるが、その先の道が分かりにくくなった所があった。あたりを見回し、わずかに戻ってみる。あたりには枝が散乱していて、やはり先が分からない。降りると思われる方向へそろそろと先へ進んでみたら、ちょうど縁のような所になっていて、その下には踏み跡の続きがあったので安心した。
まだまだ下りが続く。やがて右に小尾根のようなものが見えて間には小さな谷が見える。そのあたりも進路が分かりにくい。ここはあまり下らない尾根が目の前に続いているのでそちらだろうと直進する。木が多く、踏み跡が分かりにくいが、そのまま進んでいくと踏み跡が先に見えたので安心する。さらにまた急な下りが続く。もう随分下ってきたようで、下に家などがちらりと左手に見えたが、まだそれなりに高いようだ。尾根は直線的に下っている。ひたすら下っていく。途中わずかに緩んだあたりで最後の休憩。水を飲んだが、なんとかバス停まで持ちそうだ。バス停に行ったらまずは自販機で飲み物を買おうと思う。
再び下り始めてどんどん下る。だいぶ下ってもうそろそろ終わりかと思った頃に道標が出てきた。左には秩父湖が見えるが、まだ少し高さがある。ここから右へ下るのである。それがまた足に来る杉林の下りが続く。それにまた倒木が多く、また乗り越えなくてはいけなかったりする。そろそろ着いてくれと思いながらも大きく右に左にと曲がりながら下っていく。やっと水面がちらりと見えて、さらに左手に橋が見えた。まだ右に行って左に戻ると道標を見る。さらに下ると平な道になり、左へ進めばやっと橋に出た。
水を飲んで、橋を渡る。橋は木の板なので、踏み抜いたりしないか少し慎重に歩く。特に問題はなく、渡り切った。左へ少し歩き、右に折り返して登るが、最後の登りが厳しかった。道路に出て、左を見ると渡った橋が見えた。もう来ることもないであろう。
しばらく道路を歩いていく。日差しが少し暑い。やがて信号があり、その先へ進むとダムの堰堤の上の道になる。交互通行になっているので、車が前から来るときは前だけを警戒し、後ろから来るときは後ろだけを警戒すればよい。道路の横に左に歩ける場所があるので、そこに乗れば車をよけられる。しばらく歩いていくとようやくダムを過ぎて道路に出る。右の先に秩父湖のバス停があるはずだ。少し歩くとなんと後ろからバスがやってきたではないか!しかもかなり満員に近いようだ。少し先にバス停があり、待っている人が乗り込むのが見えた。ああ、これでは次のバスまで一時間は待たなくてはいけないのかな。きっと待ってはくれないだろうと思いながら、足は走る、走る、走る!すると発車しそうだったが、待ってくれたようでいったん閉めたドアを開けてくれて乗れた。満杯だったのでドアの所になんとか乗ることができた。
そんな状態なので、大滝温泉で下車したい気分だったものの、下車するような人もなく、前まで大きなザックをもって進むのも無理そうだったので諦めた。もうこうなったら西武秩父駅まで行ってしまおう。三峰口駅で降りる人はいたが、そのまま乗る。立ったまま西武秩父駅まで乗るのはさすがに足が棒になった。西武秩父駅に出るとすごい人。やはりGWである。祭の湯に入ろうかとも思ったが、混雑は目に見えていたので諦める。食事だけしようとわらじカツ丼のチケットを購入したが、随分待たされた。それでもようやく食べることができる。甘めの味付けがされていて、なかなか美味しく、お腹も満たされた。特急は20時過ぎまで売り切れとアナウンスがされていた。もちろん特急に乗るつもりもなく、のんびりと各駅停車で帰宅した。
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このコースには入ったことがありません。
中々ハードのようですね。
投稿: 西やん | 2024年5月11日 (土) 23時26分
西やんさん、こんにちは。
和名倉山はやはり大きいですね。将監小屋から往復が普通です。
秩父湖への道は点線コースで、標高差がかなりあって下りが半端なく長く、迷いやすい所もあるし、倒木も多い、やはり山慣れた人向けのコースでした。
投稿: リプル | 2024年5月12日 (日) 06時43分
リブルさん、
テン泊で二瀬を下るなんて元気ですね!テン泊装備で二瀬下って、しかも秩父にって下ってからもハードですよね。。
自分がGWの秩父から離れてしまったのは西武~秩鉄の直通がなくなってしまったからなのです。
将監で小屋前に張る指示が出たと言うことは相当テン泊が多かったのでしょうか。
GWおそるべし。
投稿: komado | 2024年5月12日 (日) 11時28分
そうですね。下りはホントに長かった。まあ、去年の木曽駒ケ岳の下りほどには長くなくてマシでしたが、斜度のある下りがきつかったです。どちらかというと秩父湖から西武秩父駅まで立っぱなしの乗車はマジきつかったです。下っている途中、三峰神社に向かう道が渋滞しているの見えたので、乗り遅れたら、次のバスはどのくらい待たされたことか。
投稿: リプル | 2024年5月12日 (日) 16時55分
リブルさん、
秩父の情報ありがとうございます。もはやGWは絶望的な厳しさ。。。
仮に三峰からバスで三峰口に降りて秩鉄に逃げても西武秩父のあの混雑は避けられませんからね。
登りの道路渋滞のお話しにめまいが、、、(笑)。
投稿: komado | 2024年5月12日 (日) 23時04分
komadoさん、
一本見送ったら、意外に帰りの普通電車は座れましたよ。もちろんすぐに埋まりましたけど。
それなりには人がいるけれど、以前ほどの殺人的な混み方とはちょっと違う感じに思えました。時間にもよるんでしょうけどね。
投稿: リプル | 2024年5月13日 (月) 21時33分
リブルさん、
なるほど、以前のあの感じではないということですね。
直通はホント気楽でしたから、気が向いたら行ってみます(笑)。
投稿: komado | 2024年5月13日 (月) 22時57分
komadoさん、
そうですね。自分は行きには直通を使ったけれど、帰りは滅多に直通を使ったことがなかったです。
ちなみに西武秩父駅では、イベント開催されてて、土産物屋などは人だらけでした。
投稿: リプル | 2024年5月14日 (火) 19時37分