粟ヶ岳へ 下山編
(サクラスミレ)
☆加茂市側へ下山
さて、名残りは惜しいが、下山にしよう。下るのもかなりの時間がかかるのである。山頂から右にも踏み跡のようなものがありそうに見える。堂ノ窪山などへ残雪期に歩く人がいるのかもしれない。加茂市への登山道は左へ降りればよいようだ。下りに入るとこちらもお花が多い。オオバキスミレとエチゴキジムシロだろうか。たくさん咲いていた。まだ登って来る人に結構会った。暑いせいか、手前のピークで休んでいる人達もいた。日当たりの良い道を緩やかに下っていく。
しばらく進むと小ピークに出る。石標のようなものが置かれていて、粟ヶ岳北峰という表示板があった。振り返ると粟ヶ岳の山頂は少し高くなっていた。
先に進むと少し先が分岐になっていて右に権ノ神岳という所への道が分かれていた。もちろんそんな道を歩くつもりはない。この道を下るだけでも大変なのである。左へ進んで下る。そこからは急な下りが始まる。ロープの付いたりしているところもある。どんどん下っていく。遠くに池が見えているが、あれが水源地の近くのダムで、あそこまで下るのであろう。
まだ相当な高さがあることが分かる。まだちらほらとオオバキスミレが咲いている。固まった群落も良いが、点々と咲くスミレも良いものである。こちらもイワカガミがやはり見られる。それにしても岩場にロープの付いた急降下が多い。なるほど、こちらを登るのは体力的にしんどそうだ。下りも辛いが、先日の和名倉山山行で鍛えたせいと荷物が随分軽いのでだいぶ下りやすい。やはりこちらにもカタクリやショウジョウバカマが咲いている所があった。
登り返しがあるが日差しもあってきつい。ようやく登った所に小屋があった。特に開けなかったが、こちらは使えそうな感じである。ベンチがあるが、暑いので水だけ飲んですぐに下り始める。
イワカガミを見ながら下っていくとあまりかからず水場の石標の所に着く。木にも案内板があり、水場4分と書かれているので行ってみる。細くて少し歩きにくい道だったが、しばらく進むとわずかに水が流れている所がある。そこにも先へ進むように表示があり、先に進むと岩から水の出ている水場だった。水場はちょろだが、パイプから出ている。手ですくって飲んでみるとなかなか美味しい。別に汲む必要はなく、あまり汲むと重くなるのでそんなに入れるつもりはなかったが、300mlくらい汲んでおいた。
元の道に戻って先に下る。あまり樹林がなく、少し暑い。こちらの道は三条市側の道よりも日向を歩く所が多い。そういう意味でも三条市側の登山道の方が歩きやすい感じがする。その上こんなに急な所が多く、岩場、ロープ場、梯子など、なかなかきつい下り、やっぱりガイドであまり紹介されないのも分かる気がした。
小ピークへまた登らされる。そこには6番の表示があった。山頂へは1h15、下りは1h05の表示がある。半分くらいは来たという感じだろうか。振り返るともう粟ヶ岳が高く、手前のヒュッテのあるピークも大きくなっていた。
さらにひたすら下る。ロープの付いた岩場もある。足場は多いのでそんなに難しくはなく、安全のためにロープを掴んで下る。それを下りきるとヤマツツジなどのお花が咲いていてきれいである。それにしてもまだ下まではかなり遠いようである。さらに下っていく。このあたりだったかその先だったか、鉄梯子が連続して出てきたりした。どんどん下って5番の表示を見て、さらに先に進むとベンチのある所があった。
日当たりが良すぎて休憩する気にならない。眺めを楽しみ、さらに先に進む。まだまだイワカガミが咲いていて楽しい。やはりこの山はイワカガミの山として記憶されそうだ。ひたすら下る。ベニバナツクバネウツギがあったが、こちらはまだ蕾が多かった。さらに下って4番の表示を見る。さらに先に行くとようやく樹林の中に入る。そこそこ大きなブナがあり、やはりわずかだがひんやりした感じがして気持ちよい。
しかしそれも長くは続かず、さらに下る。やっと2番の表示のある所に着く。ここにもベンチがあり、一人休んでいる人がいた。道が分かれているようだ。地図で確認すると右の方が普通らしい。
軽く水を飲んで右へ下る。だいぶ標高を落としたせいか、やはり少し暑い。急な道をひたすら下ると少し緩やかになり、眺めのある所に出る。振り返るともう手前のピークに隠れて粟ヶ岳は見えなくなっていた。さらに先に進む。また急降下で下ると急に池が見えた。そこへ向かってぐんぐん下り、やがて池の横に出た。そこには粟ヶ岳登山口1番の表示があった。
池横の道をしばらく進むとダムの堰堤となる。そこを進むと林道らしき道に出た。振り返ると池は快晴の天気と相まってなかなか良い雰囲気であった。
林道を進むと右に曲がり、樹林の中をひたすら進む。だいぶ歩くとようやく道路になり、しばらく進むとキャンプ場らしき雰囲気の所に出た。右手には施設があり、先には広い駐車場、そこにバス停もあった。15時過ぎのバスを予定していたが、1時間20分ほどある。温泉まで歩いてしまうことにする。
広い道路を先へ歩く。途中のバス停がいくつあるか書かれているので、見ると温泉までは7つほどである。しかし、都会のバス停と違って、一つのバス停間の距離はかなりある。だいぶ歩いてようやく一つ目のバス停があった。振り返るともう粟ヶ岳が遠くなっていた。さらにひたすら歩いていく。田んぼや民家を見ながら歩き、一つずつバス停を数える。ひたすら歩いてやっと6つ目のバス停が出てくる。先の方に建物が見えてきた。ようやく美人の湯の大きな看板を見て、美人の湯に到着する。50分ほどの歩きとなり、バスを待つよりはやはり早かった。
暑い日のせいかお湯がわずかに熱めで長湯には向かないが、一台見送ったバスまでも一時間くらいだから、ちょうど良かったのかもしれない。露天風呂からは粟ヶ岳を見ることができて、つい数時間前にあの山頂にいたのだと思うとなかなか良い気分であった。
入口にバス停がある。地元の人が数人乗るようだ。やがてバスが来て乗り込む。途中でも乗ってきた人がいた。バスはだいぶ山間を走ってやがて広い所を走り、市街に入る。古そうなお店には雁木があり、やはり雪国だなと思う。駅で下車する。料金を聞くと200円であった。少し待って長岡駅行きの列車に乗る。二駅ほどの乗車だが、一駅進んだ所でしばらく停車する。何か問題があって運転計画を調整しているという。踏切で何かあったらしい。それでもしばらくで動き出した。弥彦線は本数が少なく、待ち時間が長いので多少遅れても何の問題もなかった。この日は燕三条駅の近くの宿泊である。燕三条駅で下車する。駅中には燕Wingというお店がある。地場産業で扱っている刃物や金属製品などが売られている。小さなスプーンが欲しかったので購入した。家で使ってみたら、とても使いやすくて良い買い物となった。宿に荷物を置いて町へ繰り出すが、あまりお店は多くはないようだ。近くの居酒屋さんで一杯やる。宿に戻るとさすがに疲れが出て、さっさと寝ることにした。
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粟ヶ岳、結構きついですよね。新潟って暑いんだ・・・と打ちのめされて山頂へ行ってない私です。
登山口までの車道歩きも長いのに、
さすがリブルさん、バスの時間に余裕で加茂側に降りれたんですね。
そうそう、燕三条駅周辺は何もないですよね(苦笑)
翌日はどこに登られたのでしょう?続きも楽しみです。
投稿: cyu2 | 2024年5月27日 (月) 18時24分
cyu2さん、こんにちは。すみません、レスが遅くなりました。
粟ヶ岳に行かれたことがあるのですね。きついですよね。特に蒸し暑さが。
標高が低いのと、やはり日本海側特有の気象なのでしょうね。
車だと涼しいまだ暗い早朝から歩き始めて、暑くなるころには下山する、というプランが実行できてよいのですが、バスだとできないのでさらに厳しいですね。
このところ忙しくてなかなかアップできていないです。
投稿: リプル | 2024年5月30日 (木) 21時18分