禿岳へ 下山編
(ツバメオモト)
☆下山
最後の眺めを楽しんでいると誰かが残雪のある山が鳥海山だろうというので見てみるとわずかに雪のある山が遠くに見えたが、もちろん雲に隠れて山頂などは見えなかったので本当にそうなのかどうかは分からなかった。山頂にある標柱には最上町2Kとある。山形の方から登ることも可能なようだ。さて、下山にかかろう。
さすがに花立峠へ向かう道は歩く人も多く、良い道である。少し下ると登って来る人達に会う。少し下ると雪渓が遅くまで残っていたのではないかと思われるようななだらかな場所があり、そこにはミツバオウレンがこれでもかとたくさん咲いていた。
イワイチョウも咲いていた。少し進むと9合目の表示がある。右に入ると壊れかけた石祠の中に石仏が置かれていた。石祠にはロープが巻かれていて「祈再建」という札が付けられていた。
先へ進む。緩やかな下りになり、途中にはアカモノがまとまって咲いていた。
今日もオオバキスミレを見かけることができた。
大きく下っていくようになる。先が見えて花立峠はまだかなり下らなくてはいけないようだ。ウラジロヨウラクがあったが、数本だけだった。
さらに下っていく。比較的緩やかな下りが続く。途中で水を飲んでいたら、早いおじさんが通っていった。しばらくすると5合目の表示があり、手前でグループが休んでいた。そこから急降下となる。ロープの付いている所もある。先を行くおじさんはやはり早く、追いつくことはなくていつの間にか見えなくなった。やがて急降下が終わると少し緩やかな下りが続くようになる。ブナの森も通る。
降りている人達をパスする。ひたすら先へ進んで下っていく。あまり急な所はなく、距離をかせぐ。どんどん進んでいくと少し登り返しが増えるようになった。やがて1合目の表示を見る。
先に行くと樹林を抜けて明るい所に出る。ヤマツツジがよく咲いていた。左手の眺めが広がり、だいぶ低くなったが、まだ下に集落や田んぼなど広い景色を見る。風も流れていて爽やかで気持ちよい。天気は良くなったようである。
目の前にも山があるが、ちょっと登ってみたいものの、止めておくのが無難だろう。気分よく緩やかに下ると花立コース入口の標柱を見て花立峠に出る。舗装道路が通っていて、車がたくさん止められている。右の山形方面は通行止らしい。
さて、ここからは長い道路歩きとなる。それでも爽やかな風で気分は上々、道路を下り始める。タニウツギがよく咲いていた。そのせいかどうかは分からないが、何か植物の毛のようなものがたくさん飛んでいた。どんどん歩いて下っていく。さすがに長い歩きである。随分歩いた所で左を見上げるともう禿岳が大きく高かった。ついさきほどあそこにいたのだなと思うと感慨深い。
まだ時間が早いせいか、通る車はほとんどなく、たまに一、二台通り、峠バイカーが数台登っていった。随分下ると樹林の中で大きなじぐざぐで下って広い所に出る。広々としていて気分が良い。上よりは少し温度が上がったが、まだ気分よく歩ける。しばらく歩いていたら、車が一台止まって乗って行くかと言われたが、お礼を言ってそのまま歩く。もうリゾートパークはそんなに遠くないと思われた。さらにしばらく歩いてゲートのようなものがあり、さらに先に進む。途中で近道のような林道に入って進んだら、キャンプをしているのか椅子などを出して座っている人たちがいた。私有地だったのか申し訳なく思う。でもこんにちはと挨拶してくれたので安心した。そこから下に降りると道路に出て、先へ行けば、ホテルの入口を右に見る。さらに歩いて進み、少し登ると右にテレキャビンのセンターがあり、その横にバス停があった。
時刻を見ると45分ほどの待ちである。テレキャビンのセンターに入ってジュースを買って飲んだ。日差しがあるので日当たりのよい所で休みたくない。バス停横の建物はこの時期は使われていないようなので、そのあたりの日陰に座り込んでバス待ちした。時間になると10数人乗りの小型バスがやってきたので乗る。乗客は自分一人で、途中からも誰も乗って来ないので駅まで一人だった。
列車に一駅乗って鳴子御殿湯駅で下車する。この日は東鳴子温泉に宿泊した。
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