権現岳から三分の一湧水、甲斐小泉駅へ
(権現岳から赤岳の、記憶に残したい眺め)
【 天 候 】11日 朝のうち霧のち晴れ
【 ルート 】11日 青年小屋5:50→7:20権現岳7:30→8:20三ツ頭8:25→9:15木戸口→10:20八ヶ岳横断歩道分岐10:30→八ヶ岳神社→11:00登山口(道路)→11:55三分の一湧水→12:05甲斐小泉駅
☆権現岳へ
他のテントの人のアラームで目が覚める。しかし、まだ3時。今日の行程を考えるとそんなに早く出る必要はない。またしばらく寝ていて、ようやく4時にかけたアラームで起きる。テントを開くとどうやらガスっている。こりゃもう少し寝ていよう。6時に出発することにした。ただ、水を随分使ったので補給が必要だ。ふとそういえばと思い出した。普段は別なものを入れている所を開けるとシュラフカバーが入っていた。こんなところに入れてたのか。これで買わなくて済んだようである。4時半に食事を作る。朝食はサタケのパスタである。以前に食べたときは、ゴムみたいな食感で美味しいとはとても思えなかったが、今回作ったものはそんな感じはなくなり、それなりに食べられるパスタになっていて改良されているのだなと感心した。さて、食事を終えたら水汲みに行く。しばらく歩いて水場に行くと誰もいなかった。さらに冷たい水、たっぷりと汲んでおき、少し飲んだ。戻ろうとするとさすがに人がやってきた。テントに戻った。
トイレは外に一つしかなく、これではトイレ待ち大渋滞だろうと思っていたが、案に相違して思ったほどの待ちではない。うまく出発したりする時間がばらけるからだろうか。そんなに時間がかからなかった。まだガスっているがテントを畳む。予定通り6時少し前に青年小屋の写真を撮って、出発する。
権現岳も何度も登っているが、天気が良い日に歩いた記憶もある。今日はずっとガスっていてもそれはそれで良いだろうと思う。権現岳に向かう道に入ると前を二人ほどやはりテント泊だったと思われる二人が登っている。追いつくことはなく、しばらく後ろを登っていたが、わずかに斜度が緩んだ所で休憩のようなので、自分が先に行く。しばらく登っているとガスが少しずつ切れてきたようだ。これなら晴れるのではないか。登っていくとミヤマコゴメグサだろうか、ちょこちょこと咲いている。
やがて風が強く吹き、Tシャツでは寒くなって長袖シャツを着込んだ。岩場を登っているとやはりガスが切れ、雲海を見る。ちょっと道を外してしまい、変な所を登ってしまった。それでも踏み跡のようなものがあったのでそれを辿って登るとテラスのような所に登りつく。一人眺めを楽しんでいる人がいて、そちらからも登れるんですね、と言われてちょっと恥ずかしくなる。踏み跡があったので、と変にごまかした。目の前には昨日登った編笠山がもう眼下に見える。左には富士山が見えていた。
さらにしばらく登る。緩やかになって先に進むと人が溜まっている。どうやら登山道渋滞らしい。しばらく待つがなかなか進まない。前を高校生のグループが登っているらしい。それにしても遅すぎる。後ろから人が来たらパスさせるくらいの事はしてもよいと思うのだが。随分待たされてようやく進むが、あまりにも遅い。いくら慣れていないとは言え遅すぎる。しばらく進んだ所で無理矢理トラバースする。浮石が多くて歩きにくかったが、何とかトラバースして先頭近くにもぐりこむ。先へ進んでパスさせてもらい、やっと先へ進む。自分のペースで進むと右下に権現小屋を見る。左へ登ってわずかで分岐に登り着く。そのまま右へ進んで岩場を下から回り込み、岩場に取りついて少し登れば、権現岳の表示がある。ちょうど雲が邪魔して富士山の良い写真は撮れなかった。
降りて分岐に戻る。そこから見る権現岳と富士山の眺めもなかなか良かった。
もちろん、赤岳と阿弥陀岳の眺めもなかなかだった。薄手の長袖シャツに着替えた。
お花もよく咲いていた。イブキジャコウソウも多い。
タカネナデシコもよく咲いていた。
さて、写真を撮っていると高校生のグループがやってきた。その後ろを進み、先の三ツ頭に向かうことにする。権現岳の岩場の下に山梨百名山の標柱がある。そこから先に進めば三ツ頭に向かう道である。先に進むと岩場に鳥が止まっていた。写真を撮れるかなとカメラを出そうとしたら気づかれたらしく、飛んで行ってしまった。残念。先には少し低い三ツ頭が見えている。さらに先には富士山である。
石の多い道を下っていく。もう登ってくる人に会った。途中にはトウヤクリンドウが準備中であった。これを見ると少しずつ秋が近づいている気がするが、まだまだ今年は暑い日が続くようである。以前なら暑さ寒さも彼岸まで、という言葉があったのだが、最近は通用しなくなっているようである。
しばらく下り、鎖の付いた所も下って先へ行く。小ピークのあたりまで来た時、向こうから人がやってきた。その人が道を間違えたという。話を聞くと、赤岳に行こうとして三ツ頭に行ってしまったらしい。方向が完全に逆である。茶色になっている所を下ったということだったが、そちらを見ると権現岳手前の分岐から赤岳方面に下った所から右へ降りてしまったらしい。よくあんな所降りたなという気もした。権現岳を登り返さないといけないんですよね、と言うので、そうですね、頑張って下さいと返答した。まあ、体力はそれなりにありそうな人だし、まだ時間も早いので行けないことはないだろう。
まだしばらく下ってから先を登り返す。もうすでに暑くなってきた。しばらくで三ツ頭に着いた。石標がある。ここからは良い眺めである。きれいな青空で、赤岳、阿弥陀岳、権現岳、目に焼き付けたくなる眺めであった。
しばらく休み、再び先へ進む。少し進むと小さな分岐がある。そこから今日は右の道を取って甲斐小泉駅に向かうことにする。少し急な下りで少し下ると樹林の中に入る。樹林の中は朝のせいか少し涼しい。ただ湿気は多い。
登ってきた人たちに会った。小泉駅への道に入ってこの日登ってきたのはこの人たちだけだった。どんどん下っていく。セリバシオガマがちらほらと咲いていた。
先へ下っていくと少しずつ暑くなる。やがて少しお花の咲いている緩やかな所に出て、少し休む。振り返るともう三ツ頭も権現岳も高くなっていた。
さらに長い道を下っていく。随分下った頃、後ろから早い単独の女性がやってきた。どこからですかと聞かれたので、青年小屋からですと答えた。テント泊ですね、と言って先へ降りて行った。同じく青年小屋に泊まっていたのだろうか。しばらく下ると木戸口と書かれた場所に着く。さきほどの女性を見かけたが、自分が到着すると先に下っていき、それ以降は見かけることはなかった。
再び下り始めるが、樹林が変わり、少し深くなった。それでもまだ高山帯の雰囲気である。
下り続けていると左に明るい場所があったので、出てみる。下の町などが見える場所である。道に戻ろうとするとベンチが置かれていた。こんな所にあっても休む人は滅多にいないのではとちょっと思ったが、ベンチに戻った所に看板があり、ヘリポートと書かれていた。休む人のためではなく、何かの時にヘリで移送したりするときに使われるものなのかもしれなかった。
再び樹林の中を下っていく。小さなじぐざぐを描いて下っていくが、なかなか足に来る下りが続く。ひたすら下っていくと「雲海」と表示のある場所に着く。水を飲む。ここまでもう随分水を飲んだようだ。
さらに下ると笹の多い道になり、疎林になって日差しも差し込み、暑さが増す。ひたすら道を求めて先に下る。やがて左に少し曲がって下っていく。小さなジグザグの下りがひたすら続く。やがて右に進むようになって、これもときどき折れ曲がりながら下っていく。右手の尾根に近づくかと思ったら、また左に曲がってさらに下る。それにしても長い道である。どのくらい下ってきたのかよく分からない。どこを下っているのか分からないので、もし道を外したら迷ってしまいそうだ。でも、道を外すことはさすがにないだろう。さらに下っていくと久しぶりに道標がある。右の道は道標が切られている。おそらく古い水場への道だと思われた。後で自分の記録を確認すると18年前も水場の水はほとんど出ていなかったことが書かれていた。行ってみる気もなく、そのまま下る。さらにしばらく下っていくと八ヶ岳横断歩道の分岐に着いた。
右側に木を使ったベンチがあるので、そこで休む。ちょっと早いが、少しお腹が減ったので、パンを食べる。食べていると右からランナーさんがやってきた。観音平から来ているのだろう。そのまま先へ行くのかなと思ったら、右へ折れて自分がこれから下る登山口の方へ下って行った。この時間から下るとは思わなかったのでちょっと吃驚。上から降りてきた人なのだろうか。
さて、自分もそちらを下り始める。笹の中の道はときどき足元が濡れたりする。笹の葉に朝露が保持されたままなのだろう。何度か曲がりながら下ると古い道標のある所がある。右に踏み跡があり、そちらに入ると岩に石祠が置かれていて、八ヶ岳神社と表示があった。とても神社とは思えない場所だが、山中なので、このような形なのであろう。
戻って先へ下っていく。さすがにもう随分暑い。風もあまりないようだ。さらに下っていくと明るい所に出る。右側は伐採地になっているようだ。ベンチが置かれているが、ここで休む人もそんなにはいなさそうだ。先に見えるのは中央アルプスの山だろうか。伐採地横の道は日差しが暑かった。少し下るとわずかに離れた樹林の中を下る。伐採地への作業道か、何本も林道を渡って進む。草の生えた道はあまり歩く人はいないようだ。どんどん下っていき、やっと道路が見えて、そこに降り立った。
右に進むと車が駐車されている。ここからは林道歩きである。林道と言っても立派に舗装された道路、日差しがあるが、横に高い木が多いのでできるだけ日陰を歩く。しばらく下ると信号のある交差点に着く。そこから先は車の通行の多い道路横を歩く。歩道はない。左は広大な土地になっている。どうやら山梨県の牧場らしいが、草が生え放題、動物などはいない。この猛暑だから、この時期は外には出していないのかもしれないし、単に今はほとんど使われていないだけなのかもしれなかった。ひたすら道を下っていく。長い下り道で、もうすっかり足がくたびれた。なかなか歩くのもしんどい感じである。緩やかに曲がりながら下っていき、やっと分岐があり、直進の小道に入る。車の通りが少ない別荘地と思われる中の道となる。樹林も多く、日陰が多いのが有り難い。下の方になると車の通行がそれなりにあった。随分下ると後ろから若者のグループが降りてきた。コンビニに何か買いに行くらしい。合宿などでこのあたりの家に泊まっているのだろう。さらに下っていけば日差しがきつい道になる。しかし、もう小海線の線路は近く、下をくぐって左に進む。少し行くと三分の一湧水の表示があり、右に曲がる。歩道になっているが、この道は散策路、下ってしまい、左に公園の中に入ってから登り返さなくてはいけなかった。登り返すと三分の一湧水に着く。子供連れなどが水の中に入ったりして賑わっていた。水に手を付けると若干は冷たいが、やはり猛暑の影響が少しはあるのかもしれない。都会の水に比べたら天と地ぐらいの差はあるが。
少しベンチで休む。列車の時間を調べるとこれから駅に向かえば、臨時列車があり、あまり長時間待たなくても済みそうだ。公園を出て、のんびり駅に向かうが、やはり暑い。しばらく歩いていると右手に富士山が大きかった。左に大きな美術館を見て、小さな甲斐小泉駅に着く。
駅では待っている人がいた。美術館ではイベントを行っているらしく、人の声が聞こえてきた。列車の時間近くなると人が増えた。来た列車はそれなりに人が乗っていたが、小淵沢駅まで一駅なので問題なかった。せっかくなので、下諏訪駅に出る。久しぶりに菅野温泉で一浴。日差しが強烈で温泉を出た後も大量に汗をかいた。のんびり各駅停車で帰宅した。
(ミヤマシャジン咲きまくり)
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