信濃境駅から西岳
(乙女の水場からの西岳)
【 山 名 】西岳、編笠山、権現岳、三ツ頭
【 山 域 】南八ヶ岳
【 日 時 】2024年8月10日(土)~11日(日)
【 天 候 】10日 晴れのちくもり
【 ルート 】10日 信濃境駅8:15→10:05ゴルフ場→10:45不動清水10:50→13:55西岳→14:55乙女の水15:00→15:10青年小屋15:35→16:00編笠山16:05→16:25青年小屋(テント泊)
☆西岳から青年小屋へ
久しぶりに南八ヶ岳へ行く気になった。去年、赤岳には登ったから、今年は権現岳に行くことにする。ということで今週もきつい道を選択してしまう。以前にも信濃境駅から登っているが、そのきつかった登りは喉元過ぎれば熱さを忘れる、ということでまた登ることにした。ちなみに信濃境駅は標高921.4m、西岳の2398mまで登ると単純計算で標高差1476.6m、編笠山の2523.9mまで行くと1602.5mとなる。一日の登りとしてはかなりきつい部類に入る。普通、西岳へ登るならば、富士見高原スキー場までタクシーで入るのが妥当であろう。そうすれば、標高差は1000m弱くらいで収まるので、ちょっときついが一般的な登りとなる。
一番電車を乗り継いで信濃境駅で下車する。もちろんこんな駅で下車したのは地元の人と自分くらいである。トイレを探すと右手にあったので立ち寄る。さて、歩き出す。持っていたスマホの地図を見て左に進んだのだが、これは以前のガイドとは違う道、後で失敗だったと思う。すぐ先に温度表示があり、25度を示していた。やはり東京とは気温が違うようである。
しばらく道路を進んでやがて左に線路の下を通ったが、民家に出る。その先に道がありそうだったが、右手に行ってみる。上へ向かう道はやはり民家で終わっていたので戻る。さきほどの民家の横を通って先へ行く。舗装はされておらず、道路状況が悪い。先の方で大型機械の音がしていたが、しばらく進むとブルドーザーが道をならしていた。その先に行くと道の洗堀がひどい。大雨などで道が掘れてしまっているようである。先へ進むと普通に道に戻り、道路を歩いていくと車の走る道路を横断する。その先へ行くが、日差しがきつく暑い。しばらく進むと高速道路の上を通過し、さらに進むと入口がある。国見山登り口とかかれた標柱が立っていた。わずかに先から左の道を登れるかと思ったが、草深く無理そうである。
もう少し先に進んでから右に入る。轍の跡を追って進むと林道らしい道となる。しばらく進むと道路を横断する。先に進むとあまり歩く人もいないな感じの道となる。ひたすら樹林の中を先へ進む。暑い日差しを避けられるのはよいが、湿気が多いので涼しいとは言えない。とにかくひたすら突き進む。それにしても長い。延々と樹林の中の単調な歩きが続く。緩やかな登り道の上に石が多く、結構足に負担である。右に小さな使われていないような小屋を見ると道が少し細くなる。大雨の時に水が流れるようで凹んでいる所があり、それを避けて進んでいく。それでもひたすら進むと音のする小さな機械が設置されている所を見て、少し行くと分岐があり、右に行く。少し行くと道路に出ることができた。
左の坂を登ると車の多い道に出る。横断歩道を渡り、先を左に入って登っていく。右手にはスキー場があるようだ。それにしても坂がきつい。少し登ると右手の施設から中学生くらいの大人数が前を歩いている。追いついてしまうので、左を登る。どうやら先の右にある運動場へ行くらしかった。その先もきつい登り道が続く。やっぱりタクシーとかでゴルフ場まで入った方が良かったか。そう思いたくもなるきつい登りだった。やっとゴルフ場の建物が見えてくる。左に登山者用の駐車場を見て先へ進み、左に曲がるとゴルフコースの表示があり、右が編笠山・西岳登山口と書かれた表示があった。先の止まっている車でも山登りの支度をしている人を見かける。タクシーが来たようだ。マウンテンタクシーの表示が付いていて、ここを経由するようになったかなと思ったが、普通にタクシーに乗ってきただけであろう。
先に進むと林道っぽくなるが、登りは相変わらずきつい。まだしばらく登るとゲートがあった。横を通過して先に進むと登山口に着く。ザックを置いて写真を撮っていたら、おそらくタクシーの人だろう、早い人が抜いていく。こんにちはと挨拶したが、無言で通り過ぎていった。最近は本当にこういう人達が増えた気がする。登山道に入るとやはり暑い。しばらく登ると林道に出る。左に少し緩やかに下り、ハイキングコースの表示を見て右に登山道に入る。下って来る人達に何組か会う。早朝から登り、早いうちに下山する日帰り登山の人たちであろう。しばらく進むと再び林道に出る。すぐ先が分岐でいくつも道が分かれている。ここは左の不動清水への道に入る。
林道をしばらく進む。やはり信州の風は涼しい。東京の殺人的な暑さとは随分違う。しばらく進むと古い道標を見る。小さなギャップを乗り越えるとその先が不動清水の水場だった。
冷たい水がたっぷりと出ている。水を飲もうとシェラカップをザックから出して水に当てると勢いが良すぎて水がカップから飛び出してしまい、溜まらないくらいである。やはり飲むと美味しい水であった。2L持っていたので0.5Lだけ汲むことにした。時間が少し早いが、しゃりぱてしないようにここで昼食を食べておくことにした。菓子パンの昼食だが、お腹はそれなりに満たされたし、美味しい水もたっぷり飲んだ。
さて、西岳への登りに向かう。のっけから厳しい登りが続く。樹林の中は蒸し暑く、あまり風もなかった。しばらく登ると雲が増えたのかうす暗くなったりした。ひたすら登っていく。ママコナがちらほらと咲いていた。緩やかに見えるけれど、振り返って下を見たら、それなりに登ってきているようである。ひたすら樹林の中でどのくらい登ったのかもよく分からない。途中でバテてザックを下して休んだ。まだまだ下の方であろう。
再び登り始めると降りて来る人に会う。その後も降りてきた人がいた。あまり使われていない細い林道を過ぎてさらに登っていく。途中には古いたばこ注意の表示がある。その先でも見かけたので、このあたりはタバコの不始末による出火でもあったのかもしれない。今はタバコを吸う人も若干は減った気がするが、それでも山で吸うような人を先日見かけたので、注意書きはあっても良いと思う。
わずかに風が来たりする所もあったが、やはり風は少なく、ひたすら汗をかかされる。下の方で何かサイレンがうるさい。何かあったのだろうか。
3本目の林道だろうか、道標に帽子が掛けられていた。誰かの忘れ物なのだろう。上から軽装の人が降りてきた。林道を左に曲がってそのまま歩いていく。よっぽどそちらは道ではないと声を掛けようかと思ったが、ザックなどを持っておらず、普通の登山者ではないと思ったので、喉元まで出かかった声は声にならなかった。しばらく登ると登山道の横に休んでいる女性がいる。ふと見ると足にバンダナのようなものを巻いていた。これは何か捻挫などをしたのではないかと思われた。こんにちはと声を掛けるとこんにちはと返ってきた。スマホを見ていたのでそのまま通り過ぎて登っていく。振り返るとさきほどの男性がその女性の所に登ってきていた。どうやらご夫婦らしかった。
さらに登っていく。苔が増えてだいぶ登ってきた雰囲気になったが、相変わらずきつい登りは続く。やはりきついので途中で休む。やはり年だろうか、以前よりも足が遅くなったし、疲れやすくなった気がする。まあ焦らずのんびり行こう。随分登ったと思う頃、久しぶりに道標を見る。小広場標高2138mと書かれていた。さきほど休んだばかりなので、写真を撮っただけですぐに進む。
道が少し細くなった感じで樹林の中をまだまだ登る。長い登りはまだ続き、やっと明るい所に出た。そこはお花畑になっていて、久しぶりのミヤマシャジン!シャジン系のお花は好きなお花の一つである。他にもイブキジャコウソウや咲いているのはシナノオトギリだろうか。
また降りてきた人に会い、さらに登る。右手は編笠山だと思うが、ガスが巻いていて上は見えない。ハナイカリを一つだけ見つけた。再び樹林に入ってさらに登る。ヘリコプターの音がバリバリとうるさい。また降りてきた人に何かあったのですかと聞かれたが、分からないですと答える。やはり先ほどの女性が救助を要請し、収容されたのではないかと思った。後で調べるとやはりこの日、西岳の登山道で70代の女性が足を骨折してヘリで収容されたと記載されていた。おそらく自分の推量は間違いではなかったのではないか。
なおもまだ登りは続く。しかし、ひたすら登れば着かない山頂はない。ようやく山頂に着いた。
周りはガスっていて、眺めはない。マツムシソウやヤマハハコ、ウスユキソウやミヤマシャジンなどが咲いていた。
少しだけ休んで先へ行く。最初だけ急だったが、その先は緩やかな下りとなる。しばらく進んで、先へ行くと少し登り返す所もある。小さな上り下りが煩わしい。樹林の中はかなりひんやりとした感じである。結構まだ西岳に向かう人に会う。ランナーさんらしき人も多い。
長い道のりで途中で疲れたのでザックを置いて休んだ。再び歩き出してさらに樹林の中を進んでいく。少し右に曲がってきた感じがあり、やがて少し下ると急に谷が見えるところに出た。先に人が並んでいるのが見える。乙女の水場であろう。急なガレを少し下り、先を登ると水場への道に出るが、タイミングが悪かったらしく、たくさんの人が水を求めて待っている所だった。以前は水場は樹林の中に近い感じだった記憶だが、どうやら上の方から土石流が発生したらしく、木がなぎ倒されてしまって、ガレ場近い場所になっていたのには吃驚した。やはり山も温暖化で変わりつつあるような気がした。しばらく待ってようやく順番になる。木の樋から出ている水量はここもすごかった。冷たい水をたっぷり汲んだ。
さて重いザックを再びかつぎ、先に進む。平坦に近いように見えるが、細かい登りがあってこれもまた足が重い。それでもしばらく進むとようやくテン場に着く。さすがに良い場所は大体埋まっていたが、少し小さめの石の少ない場所があったのでそこに張ることにした。テントを張り終えて受付しにいく。800円であった。後で自分の18年前の記録を見るとやはり800円で、ずっと代金は変わっていないようだ。当時は少し高いと思ったテント代であったが、今となっては2千円とか3千円するテント場代の小屋が増えているので、安く感じてしまうようになった。
テントに戻るが、やはり編笠山に登りたくなった。サブザックを取り出してカメラなどを入れて、小屋の前から道に入る。最初は大きな岩が重なる上を辿って登る道、ここを大きなザックで登るのは結構きつかったよなとちょっと思い出す。しばらく登ると一旦岩の道が終わる。先に進むと道が細くなり、再び岩のある段差の大きい道となる。戻って来る人達も多い。さすがにサブザックだと多少は体も軽く登っていける。しばらく頑張り、振り返ると青年小屋が随分下に見える。さらに登ると緩くなり、やがて岩ゴロの山頂に着いた。
山頂には数人いたが、その中の一人はドローンを飛ばしていた。景色などの撮影をしているらしい。ちょっとガスっていて、あまり眺めはないが、この中で撮影して意味があるのだろうか。
西岳は見えていたが、権現岳もガスの中、当然赤岳などは見えなかった。少し左手は下界の眺めが楽しめたが、すぐにガスが降りてきているようで隠れ気味だった。
さて、すでに16時過ぎ、さっさと降りることにする。降りる途中からは自分のテントが見える。こうして見えると安心だね。さすがに下りは早かった。テントに帰着。もうすることもないので酒を飲む。やはり少し肌寒くなり、長袖シャツを着た。厳しい登りをこなしたせいか、持ってきた一回分にしてはわずかに多めに入れた酒を全部飲んでしまい、少し飲みすぎた気もした。食事を作り、食べてしまえばもうすることもない。シュラフに入る。そういえばシュラフカバーがないようだ。前回の宿泊の時に使ったけれど、もしかして避難小屋に置きっぱなしにしてしまったのだろうか。もう30年物のシュラフカバー、シームテープも取れてしまったりしたけれど、別に穴が開いたりしている訳でもなく、そんなに濡れるような状況で使うこともないので特に問題はなかった。愛着もあって今でも愛用しているものであった。まあそろそろ潮時だったのかな。そんな事を考えながらいつの間にか寝ていた。しばらく寝ていたら近くのテントの夫婦と思われる人たちの声がうるさい。時計を見ると12時半過ぎだ。こんな時間におしゃべりをするとただでさえ静まり返っているテント場に声が響く。少しは遠慮しろよと思う。しばらくするとそれでも静かになってくれたので再び寝に入った。
続く。
« 小豆温泉 窓明の湯 | トップページ | 権現岳から三分の一湧水、甲斐小泉駅へ »
「登山(八ヶ岳)」カテゴリの記事
- 川俣東沢渓谷から羽衣池、美し森(2024.08.27)
- 権現岳から三分の一湧水、甲斐小泉駅へ(2024.08.22)
- 信濃境駅から西岳(2024.08.18)
- 日帰りで蓼科山(2023.09.21)
- 赤岳へ 山頂から下山編(2023.08.24)
リブルさん、こんにちは。
よく真夏に駅から歩かれましたね。
昔、夏に編笠山から小淵沢まで歩いて、八ヶ岳の裾野の長さにまいりました。
昨年、蓼科山に登り、唯一残っている主要な山頂の西岳行きを計画していました。
マイカー利用で富士見高原の駐車場から西岳、編笠山へ回るコースを考えています。
でも、この夏の暑さで、涼しくなるのを待っています。
投稿: たまびと | 2024年8月20日 (火) 12時52分
たまびとさん、こんにちは。
はい、八ヶ岳の山麓はどこも長いですね。富士見高原からならば本文に記載した通り、日帰りでも周遊できますね。
そろそろ秋空が見えてきてもよい時期ですが、今年は相変わらず暑いうえに天気があまりよろしくないから、まだ先になりそうですね。
投稿: リプル | 2024年8月22日 (木) 19時43分