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蓬峠から朝日岳、笠ヶ岳、白毛門(朝日岳、笠ヶ岳、白毛門編)

2024101317(笠ヶ岳から朝日岳を振り返る)

【 天 候 】13日 霧のち晴れ
【 ルート 】13日 清水峠5:40→7:30ジャンクションピーク→7:50宝川温泉分岐→水場→8:00朝日岳8:05→9:20笠ヶ岳9:30→10:30白毛門10:35→12:55登山口→13:10土合駅

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☆朝日岳から笠ヶ岳、白毛門へ

 3時に近くの人のアラームが鳴る。さすがに早すぎる。再び3時半に別な人のアラームも鳴る。みなさん続々と出発していくようだ。この時期は昼間でもそんなには暑くないし、暗い中を歩きたくもない。そんなに早く出ても自分はしょうがないので、明るくなってから出発したい。それでも4時過ぎには起きて朝食を作る。テントを開けるとだいぶ結露したようでフライがまるで雨のように濡れた状態だった。周りはガスで何も見えない。やっぱり出たくないなと思う。みなさん続々と出発していく。朝食をゆっくり食べて、水はたっぷり残っているので、紅茶も入れて飲んだ。することもないが、暗い中テントを畳む気にならず、そのままテントの中で時間の経つのを待つ。5時15分頃に畳むことにしてしばらく地図などを見て過ごした。やっと時間になったので出てみるともう近くにあったテントがほとんどない。一張だけ残っていて、自分とその人だけだったようだ。ヘッドランプを点けてテントを畳んでいるとさすがに少し明るくなってきた。荷物をまとめて出発とする。

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 まずは朝日岳への登りである。わずかに下って左へ分岐しているのは清水への道であろう。右に進んで登りになる。すぐ上にテントを張っていた人たちがいるようで出発の準備をしているようだった。そこから登っていく。しっかり踏まれている道でそんなにきつい登りでもなく、登りやすい角度である。だいぶ明るくなってきたが、ガスは上がりそうにない。ひたすら登っていく。送電鉄塔を見てさらに先に進む。緩やかな道が続いてあまりきつくはない。少し下るような所もある。ガスで先が見えないのでこの道で良いのかちょっと不安になるが、しっかりと道は続いている。下ってくる女性に会った。どこに泊まったのだろうか。まさか下からじゃないよね。やはりわずかに紅葉しているようだ。あまりきれいな色ではないが、少し赤くなっていて、悪くはない。

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 さらに登っていくと少しきつい道になる。するとまた下って来る人たちに会う。結構続々と下ってくる。軽装の人が多く、あまり泊まったという感じではない人が多い。下からきてこの時間にこんな所を歩いているとは驚異的である。世の中、足の強い人がどれだけ多いことか。ふと汗を拭こうとズボンのポケットを探るとどこにも見当たらない。どうやら途中で落としたようである。どこに落としたのかも分からず、戻る気にもなれない。諦めることにする。汗が出るとちょっと面倒だが仕方がない。左に右にと折れながら登っていく。少しガスが切れて目の前に山が現れたが、これはごく近くのみである。まだまだ降りてくるランナーさんに会う。一旦下ってから再び登りとなる。登りが少しきつくなった。ときどき岩交じりの場所を登ったりする。斜めに岩場を進むような所はちょっと登りにくい所もある。それでもまた緩やかに登ったり、ガスでどこを登っているのか分からないからひたすら道を進むだけである。もうそこまで行けばピークかなと思うが、まだその先に続きがある。そんな状態が何度かあった。さらに登るとまた緩やかになり、その先はまたそれなりにきつくなる。ザレた登りの所もあったりしながら先へ行くとやっと道標のある所に登りついた。そこがジャンクションピークである。左に難路と書かれているが巻機山を示す道が分かれている。しかし、すぐ先は笹ヤブになっていて、いかにもヤブ漕ぎが大変そうである。

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 水を飲んで先へ行く。緩やかな道を進んでいくと木段の登りが出てくる。そろそろ朝日岳が近づいた証拠だろう。しばらく木段を登り、ガスの中、草紅葉を見ながら緩やかに進む。木道を進むとやがて下りに変わり、左下には池塘も見る。いかにも朝日ヶ原であろう。

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 歩いていると急に明るくなってきた。もしかして晴れるのかなとちょっと思いながら進むと分岐に出た。

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 ちょうど前からグループが下ってきた所だった。水場に寄ってみようかとそちらを見ると一人そちらから来ていた。水は出ていますかと聞くと、少ないけど出てますということだった。木道を進み、少し下ると水場に着く。プラスチックの樋から水が出ている。確かにそんなに水量は多くないが、下にも流れている。まだ4L近く持っているし、これ以上汲む必要はまったくないので、カップで水を飲んだだけとした。

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 するとまた急に明るくなり、ガスが上がりだした。全部は切れないが、だんだん良くなってきているようだ。あたりの草紅葉の湿原が良い感じとなった。木道を分岐に戻り、先へ進む。緩やかな登りが続き、あまりきつくもなく登っていくと朝日岳の山頂に着いた。

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 お一人休んでいる人がいた。やはりまだガスは切れず、ガスの山頂となったようだが、それでもようやくこの山頂を踏むことができた。山頂には山名柱とお地蔵さん、三角点がある。少し離れた所に石祠が見える。ザックを置いてカメラだけ持って石祠の所まで行ってみる。すると下はガスが切れ始めていて下の谷が見え始めていた。左手には少し紅葉した木々を見ることができた。

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 古くは笠ヶ岳が朝日岳と誤認されていたようだが、昭和30年代に訂正されたということである。1920年に武田久吉氏が宝川温泉から登頂したのが初めとされているようである。

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 戻って水を飲む。ガスの中で寒い山頂に長居は無用である。再びザックをかつぎ、下りに入る。あたりにはホソバヒナウスユキソウと思われる細い葉っぱをたくさん見かける。たくさん咲いている時期に来てみたいとは思うが、果たして来ることはあるのだろうか。

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 先へ下ろうとすると急に目の前の山のガスが晴れて見えるようになった。おお、これなら良い天気になるかも。急に日差しも出てきて、いかにもアルペン的風景が展開された。これには吃驚である。あたりは少し紅葉していて、それも良い感じである。

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 どんどん目の前の山のガスが上がっていく。大烏帽子だろうか。先へ進むと続々と登って来る人達に会う。やはり連休らしい。ときどき立ち止まって先にいかせたり、行かせてくれたりしながら進んでいく。大烏帽子の山頂近くあたりを過ぎるあたりは、細かいアップダウンがいくつも連続していてなかなかにしんどい。右側の斜面が紅葉しているし、それなりに赤く紅葉している低木もあって、ときどき立ち止まって写真を撮った。

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 先へ進む。下ったあたりから見た紅葉と笠ヶ岳、そして先にある谷川岳の眺めは忘れられない思い出になりそうである。振り返るともう歩いてきた大烏帽子、小烏帽子などの稜線の道がよく見える。やはりこんな天気の良い日は、楽しい稜線である。ガスが上がってくれて良かったと思う。先へ進んでまた下っていく。ふと振り返るとやはり大烏帽子の左側も紅葉している木々が少しオレンジ色が多かったものの、悪くはなかった。

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 やっと笠ヶ岳が近づいたがそこから大きく下る。まだまだたくさんの人が登ってくる。やはり猛者は多いようである。かなりの急な下りである。やっと下まで降りた所で登り返しになる。やはりちょっときつい登りが続く。降りてくる人もやはり多い。だいぶ登るとかまぼこ型の避難小屋がある。笠ヶ岳避難小屋であろう。思ったよりは大きい感じ、4~5人泊まれるらしいが、水場がないのが残念である。

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 そこからわずかに登れば笠ヶ岳の山頂であった。

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 お一人休まれている。馬蹄形ですかと聞かれたので、いや半分だけですと返答する。朝日岳へ行かれるのですかと逆に聞いてみると、ここで戻りますということだった。普通のハイカーであれば、日帰りであればこのあたりが限界であろう。この先まで行くとさらに先へ行くのはよいが、戻るのは時間的に難しくなると思う。もう白毛門はさほど遠くはないが、下ってからまた登り返しをさせられそうだ。やはり谷川岳や茂倉岳の眺めが良いが、まだあちらは上の方に少しガスがかかっていた。振り返るとまだ大烏帽子あたりは少しガスが残り、朝日岳が随分遠い。このあたりが最後の眺めだろうか。目に焼き付ける。水もだいぶ飲んだが、まだまだ残りがある。下山まで何の心配もいらないだろう。まだ早いが昼食のパンを食べるとお腹も満たされた。

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 下り始めるとやはり登ってくる人にたくさん会う。しばらく下ると黄葉がきれいな所があった。振り返るとやはり笠ヶ岳や大烏帽子が大きくなっていた。先に進むが、近いように見えてもなかなか時間がかかる。だいぶ足も重くなって荷物もずっしりと感じられる。コースタイムよりかかりそうだなと思いながら先へ進む。ひたすら人に会いながら進み、登りになるが、結構きつい登りの所もあり、また緩やかな登りの所もあり、なかなか進まない感じがする。最後は明るい所を左から右に回り込み、岩っぽい所に休んでいる人を見る。もう白毛門の一角、少し先が山頂で展望盤なども置かれていた。休んでいる人も何人かいて、登って来る人ももちろんいる。

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 岩に座り込んで最後の眺めを楽しむ。こんなにきれいに谷川岳と岩壁を見られることも珍しい。

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 振り返ればやはり笠ヶ岳と大烏帽子、さすがにここまで来ると朝日岳は見えなかった。随分歩いてきたなという気がする。

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 さあ、下山にかかろう。道標には土合まで145minと書かれている。まだ随分遠い。下りに入るとやはり急峻な尾根を下ることが分かる。かなり高度感のある道をしばらく進み、鎖場に出る。登って来る人達がいて、しばらく待たされた。ようやく登ってきた人が途切れたので鎖場を降りるが、これがまた重荷だとかなり厳しい。鎖が付いている所を掴むまでが何もない岩場でちょっと足がすくむ感じだし、鎖を掴んでからもその下へ向かうのがまた足場が少ないのできつい。登って来る人はその時はいなかったので助かった。なんとか鎖場をこなして先へ行くと今度は岩交じりの急降下。これがまたかなりきつい下りが続く。足を滑らせたら転落する角度の下りなので十分に注意して下らなくてはいけない。その上、足を載せる岩が少ない所もあって、ときどきどうやって降りようか考えなくてはいけない所もあった。しばらく降りていくと、今度は谷状の地形の所にロープが付けられている所に出るが、これがまた厳しい下り。足場が少なく、ロープに縋るしかない。重い荷物なのでまた一苦労だ。一度、足場が見当たらず、ずるっと片足が滑り、肝を冷やした。が、なんとか降りることができてホッとする。しかし、その先もまだまだ岩の急降下が続く。ひたすら下っていくと、途中で登ってきた女性に話しかけられる。あそこに見えるのが山頂ですかと聞かれて、もう少し先かなと答えたのだが、これは間違いでもう少し進んで後で振り返った時に見たら、先の右手が実際の山頂だった。つい余計な事を言ってしまう。11時を過ぎたら戻ろうと思っていたと言っていたが、今日は天気も良いのでもう少し進んでみたらと話をした。それでも山頂までいくのはこの時間からだとちょっと無理かもしれなかった。

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 その先もまだまだ岩場の下りがひたすら続く。岩場をトラバースするような所もあり、さらに鎖場もあった。やがて直下降な感じの道になってひたすら下る。まだまだ登って来る人に会う。途中で休んでいる人たちはどこで引き返そうかと考えている人たちもいるようだった。松ノ木沢ノ頭はもうすぐですか、と途中で聞かれたが、自分は何も考えずひたすら降りていたのでどこだったのか分からず、すみません、分からないですと答えた。まだまだ下降は続き、足が痛くなるが、これは序の口である。やがて樹林の中に入ってさらに下ると涼しい風が吹き上げてきて気持ち良い。樹林の中の下降が続くが、もう下は近いのかと思ったけれど、途中で右に見えた谷川岳を見るとまだかなりの高度にいることが分かる。

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 さらに下っていく。ようやく少し急峻な下りがわずかに緩む。左側は眺めが開けている。どんどん先に進んでいく。さすがに12時を過ぎると登って来る人には会わなくなった。風に吹かれると気持ちよいが場所によるようだ。さすがに疲れてきたので、途中でザックを置いて休憩する。ここまで背負ってきたペットボトルの麦茶を開けて飲むとまだ冷たかった。少し休んで再び歩き始める。再び急な道で下る。大きな木が出てきて、その根を踏みながら下ったり、巻いたりして進む。登り返さなくてはいけない所もあって、これがまた微妙に辛い。先へ進むとさらに急降下が続く。木の根の多い道をひたすら下る。段差が大きく、ここも転がったりしたら大変だ。左右に少しずつ段差の少ない所を探しながら下る。足に来る下りである。次から次へとそんな場所が続き、やはりここの道は厳しいなと思いながら下る。さすがにもう随分下ってきたようだが、まだまだ続く。チリンチリンと鈴の音が聞こえる。後ろから人が来たのかと思ったが、そうではなく、前を下っている人であった。しばらくすると追いついてパスさせてもらう。まだまだ急降下、それでもだいぶ下になってきたような雰囲気である。左右に曲がりながら下っているとランナーさんが一人上から下ってきたのでパスさせる。歩きにくい道をさらに下るとようやく道標のある所に下り着いた。道標の写真を撮っていたら、さきほどとは違う人が一人通って行った。

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 もう緩やかな道を先へ進む。少し行くと再び道標を見て左に曲がる。右には河原があった。しばらく進んでいくとまた急な道で折れて下り、川横を進むと橋に出る。橋は足元の板がだいぶ古くなっていて、欠けている所もあった。先へ進むとすぐに駐車場に着く。かなりの車が止められていた。先へ降りれば土合橋に出る。左にバス停があり、バス時刻を見ると20分ほどでバスが来る時間である。土合駅まで行こうと思い、左へ進む。右は渋滞した車の列が数珠繋ぎになっていた。途中に土合山の家があり、営業中とあるが、温泉は14時からなので、まだこの時間は入浴できないようだった。先へ進んで踏切を渡り、土合駅に着く。バス停で時間を確かめ、駅に行ってみる。越後湯沢方面は13時台に列車があるが、水上方面は15時までない。

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 バス停に戻ってしばらくバスを待つ。すると家族連れも含めて数人がやってきた。家族連れのおとうさんが電話を掛け始め、バス会社に電話して状況を聞いているらしい。どうやらバスはかなり遅れているようだ。やがて電話を切って、ロープウェイまで渋滞しているから、しばらくバスは来ないですよと言う。途中でバスは見たが、確かにあの渋滞ではとても来そうにない。水上温泉での入浴を諦めて、越後湯沢まで足を延ばすことにした。土合駅に入って時間を確かめると10分ほどで列車が来る時間、確かホームまで10分くらいかかるよなと思いつつ、乗車票をボタンを押して受け取り、トンネルに入る。

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 自分は昔、夜行列車で土合駅で降りたことが一度だけある。下るのは初めてである。長い階段の下りをこなしてホームに行くと、見学の人も含めてかなりの人がいた。乗る人も多いようだ。しばらく待つと長岡方面行きの列車が入ってきた。降りる人も結構多かった。越後湯沢駅に出る。帰りの列車まで一時間ほど、それを逃すと3時間近く待ちになる。明日も休みなので急いで帰る必要はなかったが、さすがに3時間は待てないし、新幹線を使うほどでもない。駅中のぽんしゅ館で入浴する。30分で入浴し、お土産を買い込んで残りの時間は駅中の立ち食い蕎麦屋で蕎麦を食べた。時間があまりなかったので慌てて食べたが、まだ10分の余裕があった。帰りの列車は座席はそんなに埋まっていなかった。それでも土合駅に着くとたくさんの人が乗り込んでくる。ちょうど目の前にはさきほど土合駅でバスが来ないと教えてくれた家族が座ったのには吃驚した。結局バスが来ないので列車に乗ることにしたのだろう。やはり越後湯沢で入浴したのは正解だったようであった。のんびりと帰宅した。

 

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