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蓬峠から朝日岳、笠ヶ岳、白毛門(蓬峠から清水峠編)

【 山 名 】蓬峠、七ツ小屋山、冬路ノ頭、清水峠、ジャンクションピーク、朝日岳、笠ヶ岳、白毛門
【 山 域 】谷川連峰
【 日 時 】2024年10月12日(土)~13日(日)
【 天 候 】12日 晴れのちくもり
【 ルート 】12日 土樽駅8:55→9:45林道終点→10:55中の休場→12:15蓬峠12:20→13:20七ツ小屋山→14:10清水峠(テント泊)

☆蓬峠から清水峠へ

 自分には馬蹄形縦走をやるほどの体力も気力もない。特に土合から白毛門を経由して清水峠まで行くなんていう行程はかなり無理がある。車で入って早朝から登りだせば行けなくはないのだろうが、鉄道利用だと前泊しなくてはならず、土合駅にステーションビバークもきつい。やはり、なかなか踏み出すことができなかった。もう十数年前になるが、以前に蓬峠から谷川岳へは歩いている。なので、残りの半分が気掛かりであった。特に朝日岳は行ってみたいと思っていた。やはり行ける行程としては、清水峠から白毛門に向かうしかない。しかし、後半、疲れた頃に白毛門の急坂を下るのが、かなりしんどいと思う。

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 久しぶりに3時に起きて出かける。電車を乗り継いで土樽駅で下車する。今日は自分を含めて3人が下車した。先日歩いたのと同じ道を歩き出す。さすがに秋の空気に変わり、ひんやりとした風が気持ち良い。少し肌寒くも感じるくらいだが、昼は暑くなるのだろう。しばらく進むと駐車場があるが、そこに高波吾作像が置かれていた。こんな所にあったのか。吾作新道を下山した時に気づかなかったのが不思議なくらいであった。近くには水が出ている。水はたっぷり持っているので汲む必要はないが、カップで水を飲んだ。

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 先に歩いていき、吾作新道の分岐も過ぎ、さらに茂倉岳への分岐も過ぎる。信号機が設置されているが今日は使われていないようだ。樹林の中に入って少し斜度が上がる。樹林の中はひんやりした空気が漂っていた。歩いていくと下ってきた人に会う。蓬峠に泊まっていたのだろうか。その後も何人か会った。道路を淡々と登って進んでいく。やがて樹林の中を抜けて明るい所に出る。砂利道でだいぶ道が悪くなっている。しばらく進んで緩やかに左に曲がると先の方の山が見えるようになった。しばらく進むと車が二台ほど駐車している。そこが林道終点であった。

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 そこから登山道らしくなり、草が少し生えているが、道は問題ない感じである。やはり沢沿いらしく、少し石が多いので歩きやすいとは言い難い。でもそれなりには進んでいく。先に進んでいく。途中、道が細くなった所にはアルミ製の足場が組まれていて、問題なく通り抜けられる。しばらく進むと沢水が流れている。少し水を飲むとなかなか旨い。蓬新道の道標があった。

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 先に進んでいくと時折左側から沢が入ってくるが、渡渉というほどの事はなく、飛び石で先に進むことができる。普段は涸れている沢でも先日降り続いた雨で水が流れているのだろうと思う。ひたすら進んでいくとやがて右の河原に出る。その先の道がよく分からない。あたりを見回すと先にピンク色のテープが付いていたので、そちらに進む。しばらく河原の大きな石が多い所を進む。歩きにくく、こんな道が続くのかと思ったら、やっと左に入る。ホッとしたのも束の間、道を少し進んで再び右に出る。また少し進んで左に入ると今度はアルミの梯子がある。それを登らされるが、重荷ではちときつい。トラバース気味に進むと今度はまたアルミの梯子で下る。なんだよ、こんな道か。なかなかしんどい。人に会って、その先に行くと大きな沢を渡る。ロープが付いていて、それを掴んで渡ろうとして岩に足を載せたら、つるっと滑り、ザックの重さで振られてすっ転ぶ。ロープを掴んでいたのと岩があったので岩に乗った格好になって水没は避けられたが、もしロープを掴んでいなかったら、沢がちょうど一段滝のようになっていたので転がり落ちて水没する所であった。沢は水量があり、足を置くスペースが少ない。木が何本か渡されているので、それを進むが、滑りやすい。そろそろと進んでなんとか渡り切った。

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 そこから先は歩きやすい道に変わって沢から離れて登っていく。しばらく登ると右から左へ折れて登っていく。さきほどの沢が東俣沢出合だったようである。左から右にとしばらく登っていく。しばらく登った所で片斜面の道をしばらく進むが、右上に稜線が見えてまだ遠く高いなと思いながら進む。やがて先の右手に滝らしきものを見るとちょっと歩きにくい細い道を登る。右に転落すると大変なので注意しながら登る。左に折れて進むが、そこも左斜面はかなりの高さで、道も細いので少し慎重に歩く。また右に折り返して登っていく。しばらく登ると小さなスペースがある所を通る。通り過ぎるところだったが、振り返ると「中の休場」と書かれたプレートが木の根本に置かれていた。水だけ飲んで先へ進む。

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 さらにしばらく登っていくとどんどん右斜めに登って進んでいく。比較的登りやすい斜度だが、ときどき木の根を乗り越えて、また下ったりする道で、意外にきつい。樹林の中で眺めもないので、どのくらい進んでいるのかよくわからず、ひたすら進むだけである。だいぶ登ってきたなと思う頃、明るい道を進むようになり、右手が少し開けて稜線が見える。さらに進むと水の流れる沢を渡る。結構水量があり、ここでも水が汲めそうであるが、以前登った時にはもっと上にある水場で汲んだ覚えがある。それでも少し水を飲んだ。少し先に行くと再び小沢があった。さらに進んでいく。やがて沢音が右から近づき、沢に出る。上には稜線が壁のように見える。

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 飛び石で渡って少し下流側に進み、左に取りつく。明るい開けた道を進む。やがて左に折り返して登っていく。しばらく折り返して登っていき、やがてまた右手が開けた。もう右手の斜面が近くなり、左に進んで登っていくとどんどん谷に近づく。向こう側の斜面に道が見えて、明らかに沢を渡ると思われる。

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 風が吹いて少し涼しい。その予想通り、どんどん先へ進むとやはり谷を渡る。もう先へ登れば稜線は近そうだけれど、ヤブが多く、水も流れている。

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 右に進んでいくともう随分高い所へ登ってきた感じである。するとやはり水場に着いた。

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 最後の水場と書かれた札があり、たっぷりの水量がある。冷たい水で美味しい。1.5L汲み、さらに持っていたペットボトルのお茶に水を加えた。これで4.5L、これだけあれば明日まで持つと思われる。さらに水を飲んだ。

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 ザックを持つとやはり水の重さ分かなり重くなった。ちょっとずっしり感がある。それでももう蓬峠まではそんなに遠くはなさそうだ。まだ折り返して登っていく。風が強くなり、少し肌寒くなってきた。それでも登りなのでそのまま登る。やがて先に小屋が見えて、蓬ヒュッテの前に出た。

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 小屋の外のベンチに座って昼食にする。先に見えているのは武能岳、その向こうは先日登った茂倉岳、さらに先には谷川岳が見えていた。風に吹かれるとやはり寒い。随分気温が低いようで秋という感じである。寒いので長袖シャツを着込んだ。菓子パンを食べていたら、上から一人降りてきた。

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 さて、清水峠までここから二時間ほどかかる。時計を見るとまだ12時半前、これなら余裕で15時には清水峠に着けるであろう。まずは階段の登りである。登っていくとやはり下って来る人に会う。しばらく登ると右手に見える連なっている山が朝日岳、笠ヶ岳、白毛門などの山々であろう。明日はあそこを歩くのである。少し上の方は紅葉が始まっているようである。

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 先の方に見えるのは七ツ小屋山、なかなか大きい。振り返るともう谷川岳や茂倉岳あたりにはガスが来ているようだった。左手に見える鋭鋒は大源太山であろう。随分前に七ツ小屋山から歩いた事があるが、もうすっかり忘れている。左から来る風がかなり冷たい。ジャケットを出そうかとも思ったが、そのまま行く。下ってから登り返し、しばらく登ると人の声が聞こえてきて分岐に着く。三人ほどの女性グループが左へ降りようとしていた所のようだった。

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 やはり七ツ小屋山は大きい。手前のピークからさらに登らなくてはいけないようだ。進んでいく。ちょうど人もおらず、静かな道である。この広い眺めと人の少なさ、これがまた良い感じである。進んで登っていくと小さな湿原に出る。水はわずかだが、小さな池があり、登山道にも少し水たまりができていた。草紅葉している中、目の前の七ツ小屋山の眺めが良い感じであった。

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 先に進んで登りにかかる。やはりそれなりには登らされる。下って来る人に会った。ここはもっぱら前から来る人ばかり、こちらから進むような人はまれらしい。思ったほどではなく、少し緩やかになったが、もう少し登ると小さな山頂だった。三角点が置かれている。目の前にはやはり朝日岳などの山々が広がっていた。七ツ小屋山は陸地測量部が七つの天幕を長期間張って測量したことから名づけられたらしいが、沢名が山の名に転じたという説もあるようである。

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 先に進む。左手には大源太山が近く、それを見ながら進む。

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しばらく進むと分岐に着く。左へ大源太山の道を見て、右に進む。

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少し足に来た。もう登りは少ないだろうと思うが、小さめのピークがある。冬路ノ頭だろうか。

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 下っていくとたまに人に会う。ランナーさんが多い。さらに下っていくと道が細く、結構急な所もあってなかなか下りにくい。あまりペースも上がらない。まあ、清水峠まではもう少し、特に急ぐ必要はない。小さなギャップを過ぎるとまた次のギャップが見えてくる。下りではあるが容易には歩かせてくれない稜線である。下っていき、やっと最後のピークを過ぎると下にJRの監視小屋を見る。

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 しかし、そこからの下りもきつい下りである。その上、まだ登って来る人達がいる。狭い登山道で避けるのも一苦労だった。かなりの人に会いながら下り、やっと監視小屋の横に出る。そこに張っている人も見かけた。もう少し進むと避難小屋がある。裏手がテント場になっている。何張かすでに張られていたが、まだスペースがあったので入口近くに張った。

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 テント場の奥に見えているのは、巻機山に続く稜線であろう。踏み跡程度の道が続き、水場もないのでヤブの薄い残雪期ぐらいしか歩けないと思われる稜線である。巻機山と思われる山にはガスがかかってわずかしか見えていなかった。

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 日本山岳会の本によると清水峠は上杉謙信の軍勢がこの峠を越して上州に攻め入ったと言われ、謙信尾根の名前が残っているのとことである。1874年清水越道路が作られ、1885年には新国道として設けられたが、2年後には雪害により廃道になったということである。

 まだ時間が早いが少し酒を飲むことにした。水場が遠いし荷物を少なくしたいので酒は少な目にしたがほろ酔いにはちょうど良かった。水は足りるとは思ったが、近くに水場があるらしい。時間もまだ早いので行ってみることにした。サブザックで監視小屋の先に行くと分岐がある。下る道ではなく、左へ行く道に入る。ちょうど立ち止まっている人がいて水場はこちらですかと聞くとそうらしいです、谷のあたりにあるらしいですと言う。しばらくそちらに行くと何かの水道施設のようなものがあり、その上に水が出ていた。それを汲んでおいた。さきほどの人も来たようである。

 そんなにかからずにテントに戻る。やはり寒くなってきたので持ってきた薄手のダウンジャケットが役に立った。しばらくすると近くにいた人たちが山談義を始めるので参加する。なんとなく、話をしていた中のお二人はどこかのテント泊か避難小屋でお会いしたことがありそうな気がした。

 5時くらいになるとやはりガスが降りてきて寒くなった。みなさんテントに入り、食事などの準備に取り掛かる感じだった。自分もテントに入り、お湯を沸かして食事を作る。もちろん軽量化と水消費の少なさを兼ねて尾西のチキンライスである。随分前に食べたときにあまり美味しくなかったけれど、今回久しぶりに買ってみたら、意外に美味しい。入れた調味粉末の混ぜ具合とか出来上がりまでの時間だとかによって随分違うのかもしれない。食事が終わればすることもない。今日はそれなりに寒くなりそうだ。シュラフにシュラフカバーをして潜り込む。もうすっかり暗くなったが、まだこの時間でもやって来る人がいるようだった。さすがにここには張れず、監視小屋の方へ張りに行ったりしているようだった。しばらく寝ているとやはり寒さが強くなり、ドローコードを絞って顔だけ出している状態にしたが、それでも寒くなった。ダウンジャケットを着込むか迷ったが、そのまま寝た。夜半には風が吹いてテントがバタついたりした。

続く。

 

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