雨の倉掛山
(霧に煙る山々)
自分が取りついた下部の歩きは一般登山道ではありません。
【 山 名 】倉掛山、風張峠、御林山
【 山 域 】奥多摩
【 日 時 】2024年9月29日(日)
【 天 候 】霧雨ときどきくもり
【 ルート 】藤倉バス停8:35→8:50取りつき→9:35道路→10:10倉掛山取りつき→10:15倉掛山→10:40風張峠→10:50浅間尾根分岐→11:30御林山11:35→11:45仲ノ平分岐→12:10仲ノ平→12:30浅間尾根登山口バス停
☆倉掛山へ
奥多摩で歩いていない所は数少なくなっていたが、倉掛山はその一つだった。車道ができたために登山道が壊滅に近く、ほとんど車道歩きになるので面白味も少ないというのがその理由である。それでも、やはり地図に赤線を引くためにも歩いておこうと思って出かけた。最初は一番電車に乗って一番バスで出かけようとしていたが、アラームを鳴らして起きたものの、なんとなく二番バスにしようと思い、二度寝した。なんとか起きて出かける。家を出た時は曇りであったが、立川を過ぎて武蔵五日市駅に近づくと弱い雨が降っていた。山にも雲がかかり、霧雨のようである。予定よりも早く着いたので、ゆっくりとバス停に行く。何人もバスを待っていたが、ハセツネに向けたトレーニングや試走のために準備している人が多いようで、藤倉行きのバスが来たが、乗りこんだ登山者は少なかった。発車する頃には霧雨は止んでいたようである。
バスが奥へと走っていくとやはり再び霧雨の中となり、場所によってはそれなりに降っている所もあった。今日は雨具をつけて歩くことになりそうだ。バスの中で雨具の下を履いて準備する。終点の藤倉まで乗ったのは二人だけのようである。トイレに立ち寄ってから歩き出す。ごくわずかに霧雨が降る程度で雨具を付けなくてもいけるくらいであったが、雨具の上も着込んだ。わずかに戻って右に折れて道路を先に進む。こちらに進むのは初めてである。集落が点在する中を進んでいく。しばらく歩いた所で昔のガイド本などを確認していると後ろから一人やってきた。同じバスに乗っていた人であろう。倉掛山ですかと聞かれたのでそうですと答える。その人も古い道に入って登っていった。自分もその道に入る。
簡易舗装の道になっていてじぐざぐに登る。少し草が生えているが、道型は残っている。途中にはお墓や家などが出てくる。ただ、家によっては無住の感じも漂っていた。しばらく登ると道が分かれる。左に進みかけたが、登らなさそうなので、戻って右の道を取った。草の生えた道を進み、折り返して登る。やはり草が多く、あまり使われてはいないだろう。しばらく登ると道路を横断してさらに先に登る。民家を左にみるとあたりの谷と山を見ることができる。ガスがかかり、幽玄な雰囲気が漂う。こんな景色もまた奥多摩の一風景、あまり見る機会はないので、山らしい雰囲気であった。畑を見て先に進むと小さな木祠を見る。先へ進めば作業道なのか、少し広めの道となる。目の前に山が見えて登りとなるが、なかなかきつい。右に疑似木の手すりが設置されていたりした。先へしばらく登る。すると炭焼き小屋と書かれた屋根掛けされた所に炭焼き窯があった。今でもたまには使われているのであろう。
その先はさらに登りがきつくなる。上の方で鈴の音が聞こえて先を登っている人を見かけた。道がときどき分かれるが、上へ行く道を辿った。だいぶ登った所で左に行くか上に行くか迷った所があったが、上を登っている人を見かけたので、上へ行く道を選択した。しかし、これは失敗、草が生えた道を登ると踏み跡がなくなってしまう。無理矢理上に登ったが、やはり登れなくなる。少し下って右手に逃げる。しかし、登れそうな所がなく、さらに右の樹林の中へ入る。樹林の中を右へわずかずつ登ってから左に回り込んだが、やはり登りにくい。なんとか明るい所に登り、さらに草地を無理矢理登ると平な草地に出た。
どうやらヘリポートとして使われている場所のようである。だいぶ余計な登りをすることになってしまった。さきほどの分岐を左に進んだ方が正解だなと思い返す。草地を横断し、先に行くと民家を見て道路に出た。細い道をしばらく進むと下から来ている道路に出ることができた。
そこからは道路歩きとなる。やはり点在する倉掛の集落の中を進む。きのこの製造などを行っている所もあるようだ。さらに進んで右の道に入ると樹林の中に入り、集落からは離れて山の中という感じになる。霧が濃くなり、雨は降ってはいないようだが、霧のせいで樹林から水滴が落ちてくる。登っていくのだが、かなり濃い霧の中を一人で歩いていると何か別世界に紛れ込んだような気もした。
少し明るくなったり、暗くなったりを繰り返しながら進んでいく。途中、右手に小屋があるが、そこには首だけの人形が小屋の中に置かれていてこちらを向いているので不気味である。わざと置いているのだろうと思われた。さらに先に進んでいく。随分登らされてやっと道路の右に石段のようなものを見る。ここが倉掛山の取りつきであろう。
石段を登り、すぐに道が分かれているので、上へ向かう道を登る。ちょっと急な所もある。ここには懐かしい涸れたスズタケがまだ残っていた。昔はこんな道をよく登ったものだが、枯れてしまって今はこういう道が奥多摩では少なくなった。そんな事を思いながら登るとあっけなく平な感じになり、先に進むと倉掛山の山名板が着く山頂だった。木彫りの山名板もだいぶ古いものであろう。
往路を戻る。下りはあっという間に道路に戻った。道路を先へ進む。明るくなってきて少しずつ霧が薄くなったようだ。左手に展望がある場所がある。ガスが多く、うっすらと近くの尾根が見える程度で水墨画の世界であるが、天気が良ければ眺めが楽しめるのであろう。
さらに歩いていく。車の音がよく聞こえるようになる。奥多摩周遊道路を走るバイクや車の音であろう。やはり道路歩きは長く、景色も見えないので単調である。やっと下りになってゲートに出る。通れないぞと思ったら、右端がなんとか通り抜けられるくらいのスペースが開いていたので、そこを通る。先に出ると奥多摩周遊道路に出て、そこが風張峠の駐車場だった。
道路を渡って駐車場に入る。どこが山道の取りつきかよく分からなかったが、少し右手に行くと道標があった。そこから急傾斜の道を少し登るとすぐに横に通っている道に出る。ランナーさんが走り抜けていった。天気が良ければ、また三頭山に登ろうかなと思っていたが、こんな天気ではさっさと下山して温泉に入って帰ろうと思う。鞘口峠から都民の森に降りても良かったが、登ったことはあるが、下ったことのない浅間尾根への道を下ろうと思う。しばらく先へ進むが、やはりランナーさんによく会った。まだ霧の影響が残り、水滴が落ちてくる。足元が悪く、少し滑りやすい所もある道であった。しばらく登って左に浅間尾根への道が分岐する。そちらに入れば人には会わないだろうと思う。
左に進んですぐにまた分岐から左に向かう。そこからは下りになり、最初は緩やかだが、少し急な下りとなる。滑りやすいので注意しながら下ると緩やかなトラバース気味の道となる。このあたりは歩きやすく、好ましい道である。
ただ、先に進むと少し崩壊している所があり、ロープが付けられていたが、かなり細いので少し注意した。それでもそんなに危険はなく、どんどん緩やかに下っていく。霧は上がったようだ。雨上がりの雰囲気となる。尾根を巻き気味に下っていくとやがて下に道路が見えた。しかし、左手まで行くとそこから右下へ急降下となるが、足元が悪い下りである。ロープも付いているので掴みながら降りる。転倒したりしたら最悪なので十分に注意して下る。なんとか下っていくと道路に出た。左にしばらく道路横を歩く。車はたまに通る程度なので問題はない。しばらく進んで奥に駐車場が見えると道標があり、右に折り返して浅間尾根へ向かう。
少し登ってから尾根に出て左へ下る。緩やかな下りで下ると気持ちのよい尾根歩きとなる。雰囲気もよい。この道は一度しか歩いていないが、なかなか良い所である。
しかし、しばらく進むと普通の尾根になり、雨などで土がむき出しになっていたりする下りとなって普通の尾根になる。緩やかな道を先へ進んでいく。わずかに登りになると御林山の表示があり、左に入る。少し登って先へ行くと少し開けた山頂、御林山の鉄製の山名柱が立っていた。横になった木が置かれていたので、そこで昼食を取ることにした。
先には松がある。その向こうはガスがかかっていたが、少し霧が上がっているのが見えた。食事をしている間に先の山が見えるようになった。
さて、先にも進めそうだが、用心して少し戻ってさきほどの道標の所へ降りる。そこから先へ進む。巻いて進むと左に御林山の表示があり、やはり先へ降りても大丈夫だったようであった。さらに先へ進んでいく。もうそんなに仲ノ平分岐は遠くない。緩やかに進んでいくと道標があり、そこから右へ仲ノ平へ向かう。
この道は何度か登った道である。最近は浅間尾根登山口からの道がよく使われていて、この道を登る人は少ないようだ。やはり上部がきついから遠慮されるのであろう。やはりしばらくの間は岩交じりの道で下りがきつい。どこを下るのかとちょっと考える所もあった。岩が少なくなると道も安定する。再び少し霧の所もあるが、下っていくとやはり少し暑くなってきた。もう雨具は要らないだろうと途中で脱ぐことにする。下も上も脱いで歩き出すとやはり歩きやすかったが、汗が冷えて少し肌寒いのも事実だった。
どんどん下っていく。下部は少し道が悪い所もあったが、降りていくと草が少し多い所に出る。右には民家があるが、無住のようである。草の中を下ると石段で道路に飛び出た。
もうそこは仲ノ平である。左に進むとバス停がある。時間をみるとまだ一時間以上バスはないようだ。もう少しだけ歩こうと歩き始めたら、霧雨が降り出した。ザックから傘を取り出してさして歩いた。そんなに長く歩くつもりはなく、数馬の湯があるが、これは見送ってバスで瀬音の湯へ出て入浴しようと思う。もう少し歩いて浅間尾根登山口のバス停まで歩く。数馬方向の待合所に座り、荷物を整理して一時間バスを待つ。しばらく待っていたら数馬方面行きのバスが来て、一人降りてきた。この天気にこの時間から登るのかと思う。いろいろ聞かれたのち、登っていった。霧雨降る中、物好きな人だなぁと思っていたら、バスが来る時間近くなったらバス停に戻ってきた。日没になりそうだから、取りやめたと話をしていた。あまり山登りをしていない人らしい。でもちょっと安心した。やってきたバスはまだ座席がいくつか残っていた状態だったが、途中からランナーさんのグループやまた別なバス停で若者のグループが乗ってきて激込み状態。十里木で降りる人もなく、降りられそうもないので温泉は諦めることにしてそのまま武蔵五日市駅に出て帰宅した。
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