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水野から米山、大平へ

2024102526(山頂から海を眺める)

【 山 名 】米山
【 山 域 】上越の山
【 日 時 】2024年10月25日(金)
【 天 候 】晴れときどきくもり
【 ルート 】水野バス停10:25→11:10林道登山口→11:40分岐→12:15米山12:35→13:20 711m→13:25二の字→13:50登山口→14:05大平駐車場→14:50米山駅

☆水野から米山

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 お休みをもらったので出かける。平日なのでNPO法人のバスがある。基本的には地元の人のためのバスである。使えるバスは定時運行の水野線の一本だけである。他はオンデマンドなので電話しないといけないので観光客が利用するのは敷居が高い。この便にしても少し時間が遅いし、列車と接続もしていないので使いにくいが、明日の山はタクシーをかなり利用しないといけないので、今回は節約したい。米山駅から直接登るということも可能だが、往復はしたくないし、他の登山口はちょっと利用しにくいようだ。

 新幹線で長岡へ行く。東京はどんよりの曇りで雨も降りそうであったが、新幹線が走っていくと谷川岳の近くは晴れ、しかし、トンネルを抜けるとまたどんよりである。やはり曇りかと思っていたが、長岡に近づくと晴れてきた。長岡駅からは信越線で柿崎駅に向かう。柏崎を過ぎると乗客が減る。柿崎駅で下車したのも自分以外には一人だけだった。駅は今年から無人駅になったようで、トイレのトイレットペーパーも撤去されて設置されていない。最近は駅員がいないとトイレも封鎖されている駅が多くなっているので、トイレが使えるだけマシであろう。だいぶ待って時間になるとバスが来る。と言っても数人が乗れるくらいの乗用車に近い、ワゴン車での運行である。乗客は自分だけである。途中で誰も乗ってくる人もいない。途中からは米山がきれいに見えていた。ついつい早くなってしまうようで、運転手さんは時刻表をよく確認して、途中のバス停で時間待ちすることが多かった。やさしい感じの運転手さんと山の話などをしながら進み、水野まで乗せてもらい、料金の500円を支払った。

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 林道登山口の表示が出ているので、そちらへ向かう。林道なので緩やかに登っていく。右手には山や畑などが見える。少し風があり、雲が多いものの、悪くはない天気である。やはり今年はあまり寒くはならず、湿気も感じられるので若干暑さも感じる。何度も折り返して登っていく。降りてきた車が通っていくというぐらいであった。

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 だいぶ登るとさらに少し登りがきつくなる。途中、右手に雨乞いの場所を示す案内板があった。見ると池があるようだ。おそらく日照りの時でも涸れない池なのであろう。随分登った頃に車が下から登ってきて通って行ったが、しばらく走った後で止まる音が聞こえた。自分も折り返して登るとそこがやはり駐車場である。左手にベンチがあって、眺めが広がり、海や街並みを見ることができた。

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 林道をわずかに進むとそこが林道終点で登山口、そこから登山道に入る。

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 まずは奥へ進む感じで緩やかな道、降りてくる人に会った。先へ行くと木段のきつい登りになる。登るとやはり暑くなる。長袖シャツも脱いで半袖シャツで登る。途中にはリンドウが咲いていた。

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 ひたすら頑張ると大きなブナを見る。その先へ登ると一旦登りついた感じになる。急に冷たい風が吹き、少し雲がかかったようでうす暗くなった。その先はブナの森という感じで美林である。少し進むと「やくしの杜」と書かれた板があった。細いがきれいなブナの森を登る。

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 寒くなったので長袖シャツを着込んだ。登っていくと少し色づいている雰囲気である。さらにしばらく登っていくと分岐に登りついた。右奥には五輪塔のようなものがちらりと見えたが行かなかった。泰澄禅師の豆知識と書かれた案内板があった。当時五輪山と呼ばれていた米山に来て弟子の沙弥が托鉢のおわんを飛ばす術を心得ていて、沖を航行する船から少々の米をもらっていたが、ある時断られたときに呪文を唱えると船から米俵が飛んできたということから米山と呼ばれるようになったという感じの事が書かれていた。

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 先に進み、登っていく。先に山が見えてくるがそれが山頂なのかは分からない。やがてしらば避難小屋と書かれた小屋の前に出る。さすがにこの林道コースで泊まるような人はいないと思われる。あくまで悪天候などにあって緊急避難する場合だけであろう。

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 左側に進んで先へ行くと少し下ってから登り返しになる。ちょっとした岩場の登りなどもあるが、たいしたことはない。右手には低い山々が連なっているのが見えた。

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 先の方で鈴の音が聞こえて登っている人がいるようだ。そこそこきつい登りが続く。少し溝のように掘れた感じの登りになり、歩く人もそれなりに多いせいか土がむき出しで滑りやすい。雨が降れば流れそうな感じである。やがて前を行く人たちに追いついてパスさせてもらうが、そのあたりからたくさんの降りてくる人に会った。平日でも金曜日のせいか登る人達はそれなりに多いようである。ひたすら登ると後100mの表示がある。大抵この表示を見てもまだ先が長いんだよなと思いながらも登っていくと確かにそれほどはかからずに大きな避難小屋の所に出た。

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 左には降りるコースが分岐している。そのまま石段を登ると山頂のようだ。山頂には小屋がある。

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 手前には三角点が置かれていた。一等三角点米山である。無事登れたことと安全に下れるように薬師堂でお参りする。少し先まで行ってみると下山のコースが続いている。米山はいくつものコースがあり、地元の人に親しまれている山なのであろう。あまりきれいではないが、上の方は若干色づいているようだ。海が見える場所に座り、眺めを楽しみながら昼食のおにぎりを食べた。

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☆大平へ

 さて、下山は米山駅まで歩く予定である。再び避難小屋までわずかに戻り、そこから下り始める。

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 風が少しあり、少し寒いがそのまま下る。左右に曲がりながらしばらく下ると水場30秒と表示のある所に着く。別に水はたっぷり持っていたから寄る必要はまったくなかったが、水場が近いというとやはり行ってみたくなる。右の踏み跡に入って少し下り、右に行くと水場があった。確かに1分はかかっていないようだ。そんなに水量は多くはなかったが、汲める程度は出ている。持っていた空きペットボトルに少し汲んで飲んでみるとごく普通の自然の水であった。暑いときは使える水場だろう。

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 戻って先へ下る。尸羅場跡という標柱が倒れていて、木に小さな説明が付いている。しらば跡と読むらしい。明治の初めまで女人禁制で女性はここまでしか登れなかった場所らしい。石仏が置かれていた。そういえば登ってきたときの避難小屋もしらば避難小屋である。そちら側もそこが女人禁制の場所だったのだろう。

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 やがて急降下になり、ハシゴで下るところもある。たまに登って来る人にも会う。急降下はしばらく続く。

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 ひたすら下っていくと先に小ピークが見えてくる。ちらりと右手が開けると海がだいぶ近くなったようだ。

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 少し緩やかになってしばらく進むと風が強く吹き、寒くなった。ウィンドブレーカーを取り出して着込む。木段の登り返しはなかなかきつい。しばらく登った小ピークは711m峰らしい。写真を撮ったのち休もうかと思ったら、スズメバチがブーンと近くに寄ってきてちょっかいを出し始めたので慌てて先へ進む。巣でもあるのだろうか。そのまま先へ行くことにした。

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 それなりの下りから緩やかな道になると右手から音が聞こえる。どうやら採石場のようなものがあるようだ。平日だから稼働しているのであろう。さらにしばらく下って進むと平な所に着く。二の字という場所のようだ。左手の木にプレートが付いていて説明を読むと、大平集落でにのじまたはにのじのてっぺんと呼んでいた場所のようである。さすがに日差しもあって暑くなったし、風も止んだのでウィンドブレーカーは脱いだ。

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 再び下り始める。それなりの下りが続く。落ち葉が多少あり、少し滑りやすいので注意して下っていく。やがて右に折れて下るが、そのあたりも少し急な所などもあった。どんどん下り、樹林の中をひたすら下るとまたロープの付いた急降下、念のためロープを掴んで下る。右手に荒地を見て先へ進んで下ると置かれている車が見えてきて林道に出た。

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 少し林道を進むと道標はなかったが右に踏み跡が分かれている。そこへ入ってしばらく下ると再び林道に出る。少し進むとここは道標があり、右に大平を示していた。そちらに入って下る。熊注意の表示があったりするが、特に問題はなく、樹林の中を下っていくとお墓をいくつか見る。やがて右に階段があり、お堂か何かへの道が分かれていたが、スルーすることにした。少し進むと明るい所に出て、左へ進むと下って大平の集落がある道路に出た。

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 これで登山道は終わりである。右へ道路を下っていく。やはり下は天気が良いようだ。もう後は米山駅まで歩くだけなので、のんびり気分である。何度か曲がって下っていくと先の方に海が見えた。下っているせいか、まるで目線よりも海が高く見えるので面白い感じである。

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 ひたすら歩いていくと家や畑のある所を過ぎる。トラックなどが通るようになる。まだ駅まではかなりある。やっと高速の下を通り、さらに進むとようやく海が近くなり、交差点に出る。そこを左に曲がって進み、しばらく歩いて右に折れるともう駅は近い。駅まで来て写真を撮っていたら、おじさんが一人近づいてきて何か話しかける。何を話しているのかよく分からない。方言とかではなく、支離滅裂な事を言っているようだ。何言っているか分からないですと言いながら、先にある待合所に入る。しばらくして外を見るとおじさんはどこかへ行ってくれたようでほっとする。たまに田舎の駅にいくとこういうおじさんがいるようである。駅前には米山の看板がある。登山道がたくさん書かれていた。この駅は立派な駅舎であるが、無人駅である。以前は駅員がいたのであろうが、シャッターが下りていて扉には鍵がかかっている。ホームへ入るのも改札はなく、右手に進んでから踏切を渡るようになっていた。わずかなスペースが待合所として使われているだけになっていた。

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 しばらく待ち、ホームに行く。目の前には海の眺めが広がる。やはり日本海は荒い海らしく、波音が聞こえてきていた。

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 列車が来る時間になっても誰も来なかった。一人、二両編成の空いている列車に乗り込んだ。この日は長岡まで行き、宿泊する。宿の近くの飲み屋さんに行ってみると気さくなご主人のお店で良いお酒を楽しみ、夜は更けていった。

 

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