吾嬬山、薬師岳へ
(吾嬬山から薬師岳を望む)
【 山 名 】吾嬬山、薬師岳
【 山 域 】吾妻の山
【 日 時 】2024年11月9日(土)
【 天 候 】快晴
【 ルート 】岩島駅8:40→9:45林道分岐→10:10林道峠→10:45薬師岳10:50→11:20林道峠→12:10吾嬬山12:15→12:50林道分岐→13:30岩島駅
☆薬師岳へ
この山は青春18切符で冬に行こうと思っていた山である。しかし、先日ニュースでも話題になったが、青春18切符が劇的に改変されてしまい、とてもサラリーマンの土日ハイカーに使える切符ではなくなってしまった。グループで使えないというのは問題ないが、5日間もしくは3日間連続でしか使えないというのが一番の問題である。果たして3日券として一日約3333円を3日間、毎日普通列車だけで旅行する人が本当にいるのだろうか。ごく一部のマニアだけなのではないか、もしくは平日に毎日遠距離通勤している人しか使えないのではないかと思う。土日の二日利用であれば、一日5000円以上使わなくてはいけない。5000円を普通列車で一日旅行しようと思ったら、新潟くらいまで行かないといけない。これは要するに使えなくして利用者が少ないから廃止、という流れにしたいという表れであろう。なので、冬や春にこだわる必要がなくなってしまった。
また、この山は久しぶりの「藪山辿歴」という本に紹介されている山でもある。北側の姉山集落を抜ける古い道を辿ったようだが、か細い踏み跡だったようである。吾嬬山を先に登り、薬師岳から北東へ伸びる尾根を降りたようである。ということで気になっていた山で、とても天気が良い予報になっていたので出かけてみることにする。
また3時起きで出かけた。今日はかなり気温が低くなるということで冬用フリースを着て来た。さすがにパーカーまでは持ってこなかったが、早朝の高崎駅で下車するとかなり寒く、上からウィンドブレーカーを着ても寒かった。吾妻線で岩島駅で下車する。他にも下車する人たちはそれなりにいるようだった。駅を降りて右にはバス停があり、この週までは吾妻渓谷シャトルバスが運行しているようである。軽装の人を見かけるが、やはり吾妻渓谷の軽いウォーキングに出かけるのであろう。線路を渡って右へ行く。さすがにこちらに向かうような人は皆無である。まだ寒いのでフリースを着たまま道を歩いていく。駅のホームを右に見ると突き当り、道は左に折れて登る。左右に通っている道路に出て、左に進み、少し行くと右に入るように道標がある。そちらに入ってさらに登っていく。まだ寒くて薄手だが手袋を付けた。しばらく進むと再び道標がある分岐に着く。石仏も置かれていた。林道なら右だが、徒歩なら左のようだ。左へ進む。
左に進んで民家の間を通り、左に行くと山に入る感じになる。カーブで登って右へ進むと明るい所に出る。暖かくなったのでフリースを脱いだが、どうも行きすぎた感じがする。少し戻ると壊れかけた道標を見つけたが、それが示している方向は背の高い笹ヤブである。これ入るのかとちょっと躊躇したが、決心して入ってみる。少しの間笹が繁茂したところの間を縫って進むと先は山道が続いているようで少し安心する。しかし、その山道もほとんど使われていないので倒木や枝などが多く、歩きにくい。それでもなんとか続いているので登っていく。動物避けのために電気柵があるようだ。黄色の取っ手を掴んで開けることができるので、上だけ開けてまたいで通った。さらに進むとときどき曲がりながら登っていく。ヤブは少ないものの倒木や落ちた枝は相変わらず多い。ショートカットにはなるが、回り道でも林道を歩いた方が良かったようである。しばらく登っていくとやっと林道に出た。
少し先に再び山道の入口がある。さきほどの道の続きであれば、林道を登った方が良いかと思ったが、一応、そちらの道に入ってみる。するとこちらは歩かれているようでヤブも倒木もなく、問題ない道である。帰りはここまで山道を歩いてそこから林道を下ることにしよう。しばらく緩やかに登っていく。分岐があるが、こちらがメインだろうと思われる方向に進む。やがて右上に鉄塔が見えた所で分岐がある。どちらに進もうかと思ったが、左の道を進むことにした。あまり使われていない雰囲気はあったが、進んでしばらく登ると道路に出た。右へ少し道路を進むと吾嬬山などの案内板があった。
すぐ横の階段を登って進む。うす暗い樹林の中をしばらく登っていく。やがて道らしくなってそれを追う。右から左に曲がって登るが少し道が細い所がある。滑った跡などもあって気を付けながら登っていく。やがて林道に登りつくとそこには道標が立っていた。
吾嬬山と薬師岳のどちらを先に登るか微妙だが、薬師岳を先に登ることにした。進路が分かりにくいらしいので、ルートファインディングが必要な方を先に登った方が良いと思ったからである。林道を右へ進む。この道は作業用に作られた道のようだが、あまり使われていないようだ。草が結構生えてススキも多い。それでも、細々とは歩かれているようで進んでいけば日陰などは草もあまりなく、普通の林道だったりする。途中、左から水が出ている所があり、そこは直進できないので、横の草を踏んで進んだ。進んでいくとうす暗い樹林の中の道となる。道はよくなるが、かなり冷えている。先へ行くと左に沢があり、水が流れているが、橋になっているようで林道の下を流れているようで問題ない。右に進んでいく。さらに進んでいくと右手がわずかに開けた所がある。どこの山かは分からなかったが、遠くに山を見ることができた。しかし、今日は本当に良い天気である。こんな日はヤブ山を歩いても気分がよい。ボケッと考え事をしながら歩いていてふと気づき、あれ、峠過ぎてないだろうかと心配になったが、少し先の左に裏返しの道標があり、回り込むと薬師岳と吾嬬山の分岐であった。
さて、そこから薬師岳に向かうが、入口は少しヤブになっている。どこから入ろうかとあたりを伺うと先にピンクテープがあったので、突破して先に行く。すぐに普通の山道という感じになる。樹林の中はやはり少し寒い。少し行くと山道という感じではなく、ただの細い尾根に変わって小さなギャップへ登る。そこからさらに尾根を進んでいく感じのようだ。山道というよりは踏み跡だろう。あまり歩く人もいないようだ。尾根は分かりやすいが、小さなギャップをいくつも越えるため、登ったり下ったりが連続する。しかもなかなかきつい登りの所もある。先の方に薬師岳と思われる山がちらりと見えたが、まだ遠い。木には赤ペンキが塗られたり、境界見出票をいくつも見かける。しばらく進んでいくと目の前が壁のような登りの所があった。特に先の方がかなりの斜度だ。登りもかなりきつい。これは下りが大変そうだ。ずり落ちないように注意しながら登っていくと再び尾根に登りつく。右に進む。少し行くと境界見出票67の付いた小ピークに出る。そこには右手に枝尾根が分岐している。ここは帰りに間違えないようにしなければいけなさそうだ。後で調べるとどうやら昔の道が姉山へあったようで、その名残かもしれない。
そこからもまだ下って登ってと忙しい。ギャップを右へ巻いて進んでその先へ登っていくと樹林の向こうに榛名山と思われる山が遠くに見えた。黄葉がまずまずな感じだった。
もうそろそろ薬師岳が近くなった感じである。
しばらく進んでいくと石祠が置かれている場所に着いた。そこが薬師岳であろう。
石祠の先のスペースに行くと先に中之条と思われる街並みが樹林の合間から少し見える。どこの山かは分からなかったが、雪を抱く山もちらりと見えた。確かに北東へ向かって尾根があるように見えたが、歩くような人はいるのだろうか。わずかに戻ると薬師岳の山名板も付けられていて、下には頭だけ出している三角点もあった。二等三角点である。普段だと早いお昼にする時間であるが、吾嬬山まで行ってお昼を食べることにしたい。水だけ飲んで往路を戻ることにする。
☆吾嬬山へ
往路を戻るが、やはり下りの方が少し分かりにくい。少しの間落ち葉で踏み跡が分かりにくく、こっちだったよなと思いながら進むと尾根の下りになって分かりやすくなる。さきほど巻いたギャップも巻いて進み、急な登り返しで境界見出票67の小ピークに戻る。やはり何も考えないと左の枝尾根を下りそうである。右へ進む。しばし進んで急降下になる。
横向きのカニ歩きで少しずつ下る。しばらく高度を下げれば、普通に下れるようになってついつい足早になって下ると普通に尾根の歩きになった。先へ行き、登り返しがやはりきつい。それでも頑張って進んでいくと、また細い所を進んで山道らしくなり、林道峠に戻った。
さて、吾嬬山へ向かおう。先ほどの道標の所から登り始める。プラスチック階段が埋め込まれているが、落ち葉が溜まっていて進路が分かりにくい。よく見ると階段があるのでそれをしばらく辿る。するとやっぱり進路が分からなくなったが、少し登ると左に明瞭な道が続いていたのでホッとする。それを辿って進んでいく。しばらくは急な登りはなく、緩やかに登っていく感じであった。先へ進んでいくと左下の方で物音がして、見るとシカが逃げていくのが見えた。手をパンパンと叩いて自分がいることを知らせる。
少し進むと右上に鉄塔がある。道標があって上に登るのかなと思って見ていたら、突然、バタバタバタバタという大きな音がしたので吃驚する。キジが飛び去って行くのが見えた。あんまり驚かすなよと思う。右上に向かって階段のきつい登り、それから右へ進んでから折り返して進む。鉄塔近くに出るが、それだと斜面の登りがきつくなりそうなので、右によじ登ると尾根上に踏み跡があるようなのでそれを追う。しばらくは辿れたが、やがて踏み跡が怪しくなり、右に出て尾根上を登る。しかし、これもかなりの斜度の登りでそれなりにきつい登りが続く。だいぶ登って一旦斜度が緩んだ。目の前にはまだ大きな山がある。
先へ進み、再び急登になる。登るとさらに斜度が増す。これ厳しすぎないかと思う頃、やっと道標が上に見えるが、そこへたどり着くのも容易ではない。やっとのことで道標の所まで登る。右へは寺社原、大竹と書かれていた。
左へ細い道を登るが、これもまだかなりの斜度。少しずつしか登れない。やがて右へ折り返すが、このあたりもひたすらきつい。また折り返して左へ登ると尾根に出た。そこにも道標があって、左に岩下と書かれていた。これが帰りにとる道のようである。
もう山頂は近いようだ。少し登ると明るい所に登りつく。三等三角点があり、その先に山名板と山名の書かれた標柱が置かれていた。中之条の街並みを眺めることができる。相変わらず良い天気、左に少しだけ行くとちょうど座れそうな岩があったので、その岩で昼食を取ることにした。久しぶりにお湯を持ってきたので白湯を飲んだ。
今日は誰も登ってこないようだ。静かな山である。このあたりの山は熊が出没するのでこの時期はあまり登る人はいないのかもしれない。ちょっと樹林が邪魔するが、さきほど登った薬師岳が眼下に見える。200mほどこちらの方が高いようである。
さて、山頂を後にして下山にかかる。下ればすぐにさきほどの分岐を過ぎる。その先に進むが、あまり踏み跡がない。やはり登って来る人も少ないようだ。尾根上には灌木があって進みにくいが、これを進むので合っているはずである。ピンクテープをときどき見かけるがこういう時は有り難い。しばらく進むと急降下となる。足元に注意しながら下る。少し下ると少し平な所に出る。その先に見えるギャップから左へ行けばよさそうだが、進路がよく分からない。ショートカットするように左に進む。登って小尾根に出るが、やはり踏み跡はない。それでも左へ行けばよいはずと進むとギャップで右に枝尾根が分かれている。ただ左が正解だとそのまま進むと下りになってまたピンクテープがあったので正しいと分かる。どんどん下っていくが、このあたりもところどころきつい所がある。それでも下っていくと緩やかに下っていくようになり、踏み跡が多少分かりやすくなってきた。
やがて明らかな山道と思われる所に出る。ピンクテープもあり、右に行くのが正解なようだ。その山道を追って下っていく。しばらく下ると分かりにくい所もあったが、よくよく見れば先に道が続いていた。さらに進んで折り返して下る。何度か折り返して下るようになり、そろそろ林道が近いのではと思いながら下っていく。下部になると倒木なども出てくるようになって少し歩きにくくなる。やがて左下に林道が見える。山道は右へ続いていたが、左下にピンクテープもあったので、道を外れて左下目掛けて適当に降りる。すると再び踏み跡を見て、それを下ると道標のある所で林道に降りることができた。
さて、ここまでくれば、もう後は楽勝である。右へ林道をしばし進むと登りにみた道標の所に出る。そこから下っていく。山道をそのまま下ったら、どうも行きとは違った所を歩いているようだ。それでも続いているので問題ないだろうとしばらくその道を下る。やはり倒木などがあって少し歩きにくい所もあったが、下っていくと登りで見覚えのある場所に出て安心する。折り返して下っていき、再び林道へ出た。もちろんそのまま直進する。すると鉄塔に出るが、そのあたりが歩きにくい。登りで分岐のあった場所で左へ進んだのは正解だったようだ。踏まれていない歩きにくい所を少し下り、踏み跡に出て右手を目掛けて降りると登りの分かれていた所に出た。そこからはそのまま道を下っていく。しばらく下れば林道に出る。
もちろん、そこからは林道を下る。左へ下っていくとゲートがある。ここも電気柵があり、フックを外してまたいで通る。ゲートは右から通る。ゲートはロープで巻かれていて、車で来て開けられるのかは分からなかった。明るい道になって下っていく。畑が出てきて、近くの人が耕作しているのであろう。のんびりと下っていく。時間も早く、この分なら温泉に入浴して帰ることができそうだ。だいぶ下ると石仏のある分岐に着く。ここまでくれば駅は遠くはない。来た道を降りていき、広い道路を左に進んで右に折れて下る。駅手前で右に折れて進むと踏切が鳴りだした。おいおい、また目の前で列車が通り過ぎるタイミングか?と思ったが、近づいてくる音は背後からだった。高崎方面からの列車のようである。踏切まで行くと踏切の警報器は鳴りやんだ。どうやら特急だったようだ。またすぐに閉まりそうな気がしたので慌てて踏切を渡る。左へ進み、少し行くとまた踏切が鳴りだした。最初は特急列車は回送だったのかと思っていたが、もしかすると列車が来るために停車していたのではないかと思う。少し急ぎ足で駅に向かい、写真を撮って中に入ると左の方から列車が来る音がした。やっぱりそうか。時刻表を見るとやはり普通列車のようである。慌てて階段を駆け上っていると列車が入ってきた。階段を下りれば間に合って乗ることができた。早い時間の列車に乗れて有り難い。小野上温泉で途中下車して久しぶりに小野上温泉で入浴する。十分に温まり、次の列車に乗る。高崎駅でも途中下車してお土産のこんにゃくを買い込んだ。思ったよりも早い帰宅となった。
マニアックな山で踏み跡も薄いので十分に注意が必要。また、吾妻の山は熊がよく出没するため、春・秋は特に要注意。
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