備前楯山へ
(懐かしい皇海山がちょこっと見えた)
【 山 名 】備前楯山
【 山 域 】足尾の山
【 日 時 】2025年9月21日(日)
【 天 候 】晴れときどきくもり
【 ルート 】赤倉バス停10:20→11:15舟石峠→12:00備前楯山12:30→13:00舟石峠→13:45赤倉→14:05間藤駅
☆備前楯山へ
もう随分前に銀山平までタクシーを使うのを嫌って、間藤駅から舟石峠を越えて銀山平に入り、庚申山荘に入って一泊後、皇海山に登ったことがある。そのときに通った舟石峠でそのうちに備前楯山も登りたいなと思ったが、記録を見るとそれから20年も経ってしまった。まだ夏の余韻が残り、それなりに暑くなりそうだったが、それでも盛夏ほどではないと思われたので行ってみることにした。
調べると自分の家からは、やはりわたらせ渓谷鉄道を使うよりも日光駅からバスで入った方が早い。その上、バスは赤倉を経由するので間藤駅から歩き出すよりも少し近くなる。なので今回もバスで入ることにした。家を出た時にパラパラと雨が降り出したが、少し歩くとすぐに止んでしまった。果たして天気は良くなるのだろうか。多少家を早く出たが、東武日光線の列車の本数が少なく、結局予定通りの急行に乗ることになる。雲はそれなりにあるが、日差しも出て天気は良いようだ。東武日光駅に行く。水は2Lのボトルを買ってきていたが、駅前で水を1L入れる。これは後で使うためである。日帰りにしてはかなり重くなったザックを背負い、まずは日光駅へ。

足尾行きのバスに乗る登山者はいないようだ。一人だけ軽い荷物を持ったおじさんが赤倉までと言って乗ってきたが、登山者かどうか分からなかった。連休の後の日曜日のせいか、神橋あたりの渋滞が珍しくまったくなく、スムーズに通り過ぎる。何度かこのバスに乗ったが、渋滞しなかったのは初めてだ。その先も特に問題はなく、どんどん足尾に向かってバスは走っていく。天気はやはり良い。暑くなりそうである。赤倉バス停でそのおじさんと二人で下車する。トイレに立ち寄ってから、舟石峠に向かう。良い天気だが、かんかん照りなので暑いものの長袖シャツを着て登ることにする。

まずはすぐ先の右に古い橋がある。古川橋と案内板がある。20年前には実際に渡ることができたが、今はもう老朽化したようでフェンスがあり、渡ることはできない。朽ちるのを待つばかりであろうか。横の橋を渡って先へ進んでいく。風がたまに強く吹く。帽子の紐を首につけて飛ばされないようにしてかぶった。左右には古い建物があるが、もう使われていないようである。

庚申山荘改修工事の表示がある。このため舟石峠の駐車場は平日の何日か資材置き場で使われるようである。庚申山荘はかなり老朽化しているのでしばらくは使用中止になっているが、ようやく改修してくれるようである。と言っても皇海山も登ってしまったし、庚申山のお山巡りもできない今、自分が行くことはおそらくもうないだろうと思う。後で調べると工事がうまくいけば、来年の令和8年に再開される予定になっているようだ。

先へ進んでいくと右に関東ふれあいの道の足尾銅山の説明版や本山鉱山神社の案内板などがある。ひっそりとしている。先へ進んでいくと河川の工事などは行われているようで、建設関係の小屋があったりする。通る車もなく、車道をひたすら先へ登っていく。やがて左に鷹ノ巣坑という案内板がある。対岸に最初に着手した坑があったようだが、木で全くどこにあるのかも分からない状態だった。道は山へ向かってさらに登っていく。やがて曲がって登るようになり、しばらく登ると道が沢になっている所があった。少し手で水を取り、額に付けてわずかにクールダウンする。先へ進むと標高を少しずつ上げているせいか、わずかに風が良い感じになってきた。

さらに奥へと登っていく。左の沢がせりあがってきて、だいぶ近くなる。さらにその先へ進むと左が開けて山が見える。あの稜線が備前楯山に向かう稜線ではないかと思われた。まだまだ林道は長い。だいぶ登ると日差しが少し陰る感じになった。日陰に入ると風もあり、少し涼しく感じられるが、日差しのある所へ出るとやはりまだ暑い。やがて舟石峠の駐車場に登り着いた。

駐車場には数台の車が止まっていた。左にベンチがあり、眺めが楽しめる。近くの山々が主体だが、男体山も見えた。

写真を撮り、備前楯山に向かう。先に進もうとするが、どこが登山口か分からない。まっすぐ山に向かってみるとそこには道がない。右に進んでみたら、ようやく奥にそれらしい木段の道があったが、だいぶ草が生えているようだった。

そこから登り始める。すぐに道標があり、左に折れるが、だいぶススキが繁茂していた。この時期はやはりヤブっぽい道になっているようだ。木段もだいぶ古くなっているようである。これだけススキがあるということは登る人もそんなに多くはなさそうである。しばらくススキの中の木段を登っていく。段差が大きい所もあって以外にしんどい。しばらく登ると道標があり、そこからは樹林に入ってススキから解放された。長袖シャツを脱いで半袖になると快適である。少し進むと降りて来た一組に会う。やはり登る人はいるようである。樹林の中をしばらく登る。右手にカラマツを見てさらに登る。すると緩やかになったあたりは、風が吹き抜ける気持ち良い場所でそのあたりに古いベンチ兼テーブルが三つほどあった。もし山頂に良い場所がなければ、ここに戻って昼食を作ろうかとちょっと思った。

先に進んでいくと左に曲がり、倒木を乗り越えたりしながら進んで鞍部から急な登りになる。再び古い木段があるのだが、これが段差も大きく登りにくい。しばらく登ると尾根と思われる所に登り着く。そこから右にその尾根を辿って登っていく。だいぶ標高を上げたからときおり風が来ると寒いくらいになる。少し左にトラバース気味に進むあたりは地形的なものか風が結構強く吹き付け、さきほど脱いだ長袖シャツを再び着込むことにした。さらに進み、山頂0.6Kmの表示を見る。もうそろそろ山頂が近づいてきているようだが樹林の中で距離感が分からない。なおも登っていくと一組、自分が歩いている場所の右を下っていくのが見えた。そのあたりは踏み跡が二つあるようで、たまたま別々な道を進んでいたようだ。さらに進むと登りがきつくなる。下には岩があって足元が悪い。そのためにロープが横についていたりする。小さく曲がりながらしばらく登ると細い尾根を左に進んで、すぐに先に明るい所が見えて、そこが山頂だった。

山頂には誰もいなかった。やはり男体山が見え、手前左には去年登った中倉山が見えていた。左に標柱があり、備前楯山と書かれていた。なぜこのような山名なのかと後で調べると備前国出身の農民が銅を発見したからというのが謂れのようである。

奥に何か案内板があるようだ。先へ進み、岩の上を進むと案内板のある場所に着く。そこからは中倉山から奥に続く山々、ちょこんと三角形の山が見えるが、あれは皇海山であろう。その左手の方に見えるのは庚申山や袈裟丸山の方らしい。

眺めを楽しんでから昼食の準備にかかる。先日に問題があったのでバーナーを新調した。今回はこの新バーナーの使い始めである。滅多に持ってきたことのないずいぶん昔に使ったコッヘルを持ってきた。お湯を沸かそうとしたら、このコッヘル、水量の表示がない。そういえば、水をどのくらい入れればよいか分からなかったから、このコッヘルを使わなくなったのだったとふと思い出した。まあ、今日はそんなに水の量にこだわる必要もない。適当に半分くらい水を入れてお湯を沸かす。バーナーは以前のものよりも少し大きくなり、重くなったのだが、火力が強く安定している。今日は結構風が吹いている状況だったが、その中でも安心して使える感じである。お湯が沸いたところでカップラーメンを作る。のんびり食べたが、誰も来る人はいなかった。最後に再び眺めを見てみると中倉山の「孤高のブナ」がしっかりと確認できた。日光駅で入れた水は余ったので捨てて置く。少しザックが軽くなった。
さて、下山にかかる。銀山平に下って温泉に入りたい所だが、下まで歩くのが嫌である。前はタクシーを呼べば問題なく来てくれたが、駅を使う人も少なくなった最近は来てくれるかどうかも分からない。やはり往復にして間藤駅に下る方が良いだろう。さすがに下りは早い。淡々と下っていく。やはり登って来る人には会わなかった。今日は自分が最後だろうか。しばらく下ってススキのヤブが出てくる手前で左に登ってみたら、そこからも中倉山を見ることができた。わずかに戻ってススキのヤブを通り、再び道標から木段を下っていく。しばらくの下りで駐車場に降り立つ。もう車が一台だけ止まっているだけだった。

さて、往路の林道を戻る。さすがに下りはそれほど大変ではない。下っていると登ってくる車が数台いた。宿に向かうためにこちらから峠を越えて入る車もいるようだ。すっかり雲か広がり、日差しもあまりないので比較的涼しくなった。途中では鳴いている虫があり、もう秋の気配が少し漂い始めていた感じだった。再び沢になっている所で水を顔につけたが、さすがにこの時間、あまり冷たくはなかった。どんどん下っていき、再び案内板などを見ながら下り、使われていない建物などを見て進んでいくと橋を渡って赤倉のバス停に着いた。しばらくバスはない。スマホで列車を調べるとしばらく待ちになりそうだ。のんびりと間藤駅に向かう。やはりバスだとあっという間の距離だが、歩くとそれなりにある。特にお店もなく、間藤駅に着く。

やはり1時間待ちである。水沼駅の温泉が新しくなったようなので立ち寄ろうかと思ったが、家までの時間を調べると予想外に時間がかかる。水沼駅までも1時間かかる。今日は日曜日だしさすがに立ち寄るのは無理だなとそのまま帰ることにした。

しばらく待つと一両の気動車がやってきた。以前は濃いこげ茶色の車両だったが、さすがに今は変わったようだ。中はリニューアルされているのか結構きれいである。ここまで乗ってきた人がそのまま帰るパターンが多いようだ。そんなに混むというほどの乗車でもなく、発車する。途中駅からは乗ってくる人もいたが、やはり混むほどではなかった。自分は相生駅まで乗り、東武線で久喜駅に出て帰宅した。
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