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風雨の笠取山まで

2025091322(雨上がりの笠取小屋)

縦走予定でしたが、ガス缶の不具合で一泊で敗退しました。新地平から雁峠への道はだいぶススキが繁茂している所があります。雨の後で飛び石での渡渉が難しい所もありました。以前よりも少し難易度が上がっているようです。

【 山 名 】笠取山
【 山 域 】奥秩父
【 日 時 】2025年9月13日(土)~14日(日)
【 天 候 】13日 くもりのち雨
                14日 くもり
【 ルート 】13日 落合バス停9:35→10:30新犬切峠→11:05作場平橋→11:35一休坂分岐→12:30ヤブ沢峠→12:50笠取小屋13:25→14:00笠取山→14:25水干→14:50笠取小屋(テント泊)
                 14日 笠取小屋6:55→7:25雁峠→9:35新地平バス停

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☆作場平橋からヤブ沢峠、笠取小屋へ

 奥秩父に行くことにする。まだ自分は笠取小屋にテントを張ったことがないなというのと、稜線付近の道は歩いたが、それ以外に歩いていない道がもちろんある。そんな道を歩いてみようと出かけることにする。事前の予報では土曜日はくもり、日曜日は晴れ、月曜日はくもりのち雨という予報だった。連休なのでそれなりに混むだろうと早めの電車で八王子から松本行きに乗る。しかし、塩山駅で下車してバス停に行くと西沢渓谷行きのバスはそれなりに人が並んだが、大菩薩峠登山口方面行きのバスに並んだのはわずか5人くらいと拍子抜けするくらい人が少なかった。天気が悪そうなのも影響しているのだろうか。結局七人の乗車、地元の人が二人ほど途中で下車し、柳沢峠で一人降りたので四人が落合まで乗った。二人は鶏冠山の方らしく、軽装だった。もう一人、自分と同様の大きなザックを背負った人がいたが、どこへ行くのだろうか。

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 先へ少し進んで左の道に入る。すぐに道横に石仏が置かれていた。道路を歩いていくと何台も車が置かれている。渓流沿いの道なので、釣り客のものと思われた。何台も車が通っていく。このあたりに入るのは基本的に自家用車だろう。ひんやりとした空気の中を淡々と進んで緩やかに登っていく。家があったり、もう営業していないマス釣り場などがあったりした。

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 だいぶ進んでようやく分岐、道路標識からは高橋という文字が消されているように見えた。右の道に入ると斜度が上がる。すぐに左に鶏冠神社の鳥居がある。そこに「鶏冠神社のサワラ」があった。まずまずの大きな木だが、案内板によると目通り4.4mあるらしい。サワラがこのような大きな木になるのは珍しいらしい。明治40年に水害があり、このあたりは東京都によってヒノキとカラマツが植林されたことが記載されていた。

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 写真を撮っているとさきほど同じバスだった人が登ってくるのが見えた。自分と同様にこの道を登るようだ。笠取小屋や将監小屋のどちらに行くのか分からないが、そのうちに抜かれるだろうと思う。道はくねくねと曲がり、高度を上げていく。やはりときおり車が通っていく。天気が悪いせいかどうか降りてくる車もときどきいるようだった。どんどん歩いていく。さきほどの人は鈴の音が聞こえるが微妙に自分の方が早い感じで追いついては来ないようだ。何度もカーブを曲がってさらに登っていくと左に林道を分ける。右の道を少し行くとそこが新犬切峠だろうか、右に犬切峠方面の道を分けて左の林道に入る。

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 登ってくるときはそれなりに汗をかかされたが、こちらの道に入ると急にひんやりした空気に包まれる。山奥という感じがする。

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 少し進むと右に展望地のような所がある。今日は雲に覆われていて山は見えないので素通りする。どんどん歩いていくが、やはり林道歩きが長い。ときどき曲がりながらひたすら先へ進んでいく。トラックが一台通っていった。ひたすら歩いて作場平橋の駐車場に着く。それなりに車は止まっていた。トイレに立ち寄るが、あまりきれいなトイレではなかった。

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 先に進むと登山口っぽいけど、それは登山口ではなかったようだ。ショートカットらしい。そこから入るとすぐに登山道、左に進んでいく。やはり沢近くの登山道でひんやりした感じ、今日はそんなに暑くはないけど、暑い日なら有り難い道であろう。ここは随分前にオフ会でHgさんの車に乗せてもらって作場平橋から歩いた所、すでに17年近くの長い時間が経過している。そのときに歩いた道だが、覚えているのはわずか、それでも、なんとなく一部は見覚えがあった。

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 しばらく登ると小さな沢を渡るところで手を洗ったら結構冷たかった。木橋で沢を渡ったりしながら登っていく。だいぶ登ると右に一休坂への道が分岐する。そのままヤブ沢峠を目指すことにして左の道を進む。

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 沢沿いの道は良い雰囲気である。途中には水が湧き出しているところがあり、説明版が置かれていたりした。緩やかに登っていき、再び道標のある所に出る。右にまた一休坂への道が分かれている。もちろんその先へ行く。

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 登っていくと沢近くの道はやはり豪雨などの被害があるようで、道が付け替えられている所もある。右に少し高巻いて進んだりする。まだ白木の見えるきれいな桟道に置き換えられている所もあった。

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 やがて水量が減ってきて、右に沢を見て左の沢に進む。

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 そろそろ源流部に近くなってきた感じ、高巻いて左に進む。まだ下に流れを見たが、さらに左に進んで登っていき、沢音も聞こえなくなった。

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 ガスが出てきて、幽玄な感じになってくる。するとあっけなくヤブ沢峠に登り着いた。

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 ガスの中で休む気にもならない。笠取小屋へ行ってテント張ってから昼食にすることにしよう。作業道のような道になり、笠取小屋の方へ進んでいるとパラパラと雨が降り出した。あらあら、やっぱり雨か。ザックカバーを付けてしばらく進んだが、雨は止みそうにない。雨はそんなに強い感じではないので本降りというほどではないが、そんなに暑くもないので雨具を着ることにした。緩やかな道を先へ登っていくと下には木が並べてある。滑りそうだが、意外に滑らなかった。さらに進めば笠取小屋に出る。

 小屋に行きテントをお願いする。千円だった。午後には雨が止む予定だったんだけどね、ということだった。ここは指定された所にテントを張ることになるようだ。自分が指定されたのは小屋裏手の樹林の中の場所だった。雨の中でテントを張るのは久しぶりである。そんなに強い雨ではないのが若干の救いであるが。とりあえず張り終えて中にザックを入れたら、まずは昼食。持ってきたパンを食べた。さて、どうしよう、明日は稜線には行かないので、今日のうちに笠取山くらいは往復したい。それに随分水干には行ってないので久しぶりに行ってみたいと思っていた。テントに入ってしまうと出たくなくなるので、そのままサブザックなどを取り出して行くことにした。

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 雨の中を笠取山に向かう。さすがにこの雨では向かう人もいないようだ。木の埋め込まれた道を緩やかに登っていく。しばらく登ると雁峠方面から来た人達だろうか、何人か会った。草原の雰囲気の雁峠への道から先へ進み、分水嶺は遠慮して巻いた。先の分岐から左に入って小さなギャップに登る。左に進んでから下るのだが、そこが土向きだしで滑りやすい。するとやっぱり下りで両足が滑り、お尻から落ちてしたたか背中の下とおしりを地面に打ち付けた。一瞬息が止まる感じだった。ただ、荷物が軽いので痛みはそれほどではなかったが、雨具の袖や手、ザックなどが泥で汚れてしまった。悪態をつきながら滑らないように気を付けて下り、笠取山の登りに入る。ガスが濃く、また風も強くなりだした。雨は霧雨のような感じだが、風で吹き付けてくる。こんなときに登るのは自分くらいだろうと思いながらひたすら道を淡々と足を運びながら登った。かなりの斜度だが、左右に曲がりながら登っていく。景色が見えれば、下からの高さが分かり、ちょっと怖いくらいなのだが、今日はガスっているし、風雨が吹き付けるしなので足元ばかりみて他を見ないので全く怖くはなかった。登りきると笠取山の標柱が立っているが、風が強く、とても長居できないので写真を撮ってすぐに先に進む。

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 岩を下って登って進む道はこんな天気では厳しい道のりである。それでもなんとかこなして先へ行く。すっかりメガネが曇って前が見にくくなってしまった。やはりアップダウンの道、進んでいくとやっと笠取山の大きな標柱のあるピーク、もちろん写真を撮っただけで先へ進む。

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 その先もまだアップダウンが続く。特に下りで段差がきついところがある。重荷でここを歩くとさらに厳しかったなと去年来た時の事を思い出す。急に右に曲がり下っていくと将監小屋方面の道との分岐、もちろん右に行く。すぐにまた道が分岐し、下る道を分けるが、そのまま右へ細い道を進む。雨のせいでちょっと水たまりが大きい所があって避けるのに苦労する。しばらくトラバース気味の道を進むと水干に着く。雨だから岩から水滴が落ちているのでそれを撮影しようと何度かシャッターを押したが、さすがに落ちていく水滴を撮影するのは無理だった。

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 さて、小屋に戻ろう。そのまま先へ進んでいく。しばらく進むと左に水場への道が分かれているが、さすがにこの天気で向かう気力はなかった。少し雨が弱くなったようだが、止んではくれないようだ。淡々と先へ進み、さきほど滑った小ピークは左の道へ巻く。しかしそちらは笹が多く、歩きにくい感じの所もあって、一長一短である。やがて分岐に着き、さらに先へ進めば雁峠分岐、もうこの時間登って来る人はあまりいないようだ。人の気配のない道をしばらく下れば、小屋に戻った。

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 やはり小屋まで戻ればホッとする。一旦、テントに戻り、水場へ水を汲みに行くことにする。ボトルを入れて小屋前から左へ進むと下る道が続いている。左が近道と書かれていたので左の道を下る。すぐに谷状の所に出て、さらにしばらく下る。すると左右に水が出ている。

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 右はパイプからドラム缶に入るように流れていて、左は穴から木の樋で水が滾々と流れていた。

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 こちらを汲むことにした。やはり飲むと冷たくて美味しい水であった。

 テントに戻る。受付する前にテントを気ままに張った人がいたようで、小屋番さんに怒られている声が聞こえて来た。まあ今日の天気ではそんなに来るとは思えない。予約をした人も来ない人がいたようだった。雨で取りやめたのだろう。テントに入ればすることもないので、酒を飲み始める。相変わらず雨は止まず、パラパラと降っている。霧も濃くなったようだ。今日はずっと雨は止みそうもなかった。お腹が空いたので、夕食には早かったが、ラーメンを作る。水場が近いので水をたっぷり使っても問題ないから久しぶりに持ってきた。飲んで食べてちょっと満足。さらに17時を過ぎ、夕食のパスタを作る。どちらかというと朝食用の量だが、さきほどラーメンを食べたのでこのくらいが良い。お湯を沸かそうとすると点火装置が湿ってしまったせいか、なかなか点火しない。こういう時に限ってライターを入れるのを忘れてしまった。仕方ないのでカチカチカチカチ、ひたすら繰り返すとなんとか火が点いてくれた。食事を終えてしまえばすることもない。シュラフカバーにシュラフを入れて寝れば、それほど寒くはない。ただ、やはり雨に濡れたせいか寝ていると少し寒くなって紐をひっぱり、顔だけ出すような感じにした。それでも暗くなった頃には寒くもなくなり、再び頭を出した。隣のテントの人のライトが明るかったが、19時過ぎには消したようで暗くなったので寝る。やはり弱いが雨は降り続いていた。

☆まさかのガス缶不具合でガス噴出

 4時半にアラームをかけた。近くのテントの人が3時とかにアラームをかけたようで、その音で目が覚めたが、まだ暗いし、そのまま寝ていた。雨は止んだようでたまに雨滴が落ちてくるくらいだった。やがて時間になりアラームが鳴り、起きる。さて、まずはお湯を沸かそうとガス缶を外に出して点けようとするが、やはり昨日と同様に点かない。仕方ないなとカチカチカチカチ繰り返すが、やっぱり今日はどうしても点かない。ガスが少ないせいかなと新しい缶に付け替える。しかし、やっぱり点かない。戻してみるかと新しい方の缶からバーナーを外したら、ゴォーという音とともにガスが吹き出し、まるで花火のように白いガスが噴き出した。あっという間にガス缶は結露して真っ白。慌ててバーナーを戻す。戻したら吹き出しは止まってくれたので、バーナーの故障ではなさそうだ。おそらくガス缶の方の外した時にガスが止まる仕組みが壊れたらしい。バーナーを開いて少しガスを出し、カチカチやってみたが、やはり付く気配はない。どうしようか思案する。このままでは危なくて持って帰れない。中身がなくなるまでガスを出し切り、空の状態にして運ぶしかなさそうだ。かなり臭いが、仕方なく、ガスを出しては止めて、出しては止めてを繰り返した。それでもやはりガス缶はなかなかガスがなくならない。ひたすらガスを開いては止めてを繰り返す。すっかり明るくなり、多くの人が出発し、笠取山を往復してくるような人も多い。仕方ないので昼食用のパンを食べる。ガスがなければ食事も作ることができない。もうこんな状況では縦走を続ける訳にはいかない。下山するしかないだろう。西沢渓谷のバス時間は全く調べてなかったが、昨日、8時半にバスがあったから、西沢渓谷までは1時間のはず、すると9時半頃にバスがあるはずだ。それに乗れなくても山梨市営バスもあるし、問題ないだろうと思う。テントから離れて下の所でもやはりガスを出してやっとのことでガスがなくなった。これで安全に持ち帰ることができそうだ。

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☆雁峠から下山

 テントを畳み、もうすっかり人も少なくなった小屋の前のベンチに置く。まずは水を汲みに行く。下山だから1.5Lも汲めば十分である。昨日と同様に水はたっぷり流れていた。冷たい水を飲み、水を汲んだ。小屋に戻ると物置小屋のあたりからは山が見える。方向的におそらく甲武信ヶ岳とかの方だろうか。写真を撮った。

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 さて、下山にかかることにする。また来ることを願って、再び木道を登り始める。しばらく登り、雁峠の分岐、せっかくなので小さな分水嶺に登ることにする。わずかな登りで分水嶺に登り着く。

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 笠取山に人のいるのが見えた。反対には富士山があるが、帽子をかぶったように雲がかかっていた。

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 今更、笠取山に登るつもりもない。下山することにする。

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 そのまま降りられる雰囲気もあったが、少し戻って下り、雁峠分岐から雁峠に向かう。少し草が多い道で緩やかに登る。おそらく分水嶺から来ていると思われる踏み跡に出るとちょうど下から登ってきた早い人に会った。下っていくと再び登って来る人に会う。ちょっと下りにくいが、しばらく下ると雁峠にあっけなく着く。

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 一人休んでいる人がいた。目の前の燕山への道は随分な斜度である。そちらへ行くような気分でもなく、水を飲んで下り始める。

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 笹の中の道を下っていく。雨具の下を付けるか迷ったが、まあいいかとそのまま下っていく。しばらく下ると沢に出るが、やはり水量が少し多いようだ。何度か渡渉となる。まだこのあたりは水量はそれほどではないので、飛び石で問題ないが、少し考えなくてはいけない所もあったりした。それでもひたすら下っていく。笹で道が分かりにくい所もある。やはり以前よりもルートファインディングが必要で、難易度が上がっている雰囲気である。それでもなんとか道は続いていて、辿って下っていく。さらに渡渉、少し靴が濡れたが、へつったりしてなんとかなった。まだまだ沢の中の道は続く。

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 以前に倒木で難儀した所は今もそのまま、大きな倒木の下を抜けてさらに先へ進む。新地平と雁峠を示すプレートが木に付いていたが、もうかなり古くなっている。他にはみかけず、もうこの道もそろそろまともに歩けなくなる日も近いのかもしれない。

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 その先もルートが分かりにくい。また渡渉、渡渉する場所が難しく、考えながら渡った。さらにしばらく下ると左手を下る。右手にテープを見る。そちらには古い林道のようなものが見えるのでおそらくあちらを歩かなくてはいけないだろうと思うが、そのまま踏み跡を進む。すると熊注意の看板がある。そこから右に下ると沢横に出る。反対に渡渉すれば良いのだが、水量も多く、難しい感じ、少し下に歩いてみたが、やはり渡渉できそうな所はない。戻ってなんとか飛び石を利用してジャンプして渡り、道に出た。さらにしばらく道を辿っていくが、木が生えていたり邪魔する。縫って歩いていくと渡渉点に出るが、これが水量があって足元の石が水没している。

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 こりゃ無理だろうと下流を見て見るが、さらに川が広がっていて渡渉するのは無理そうだ。わずかに上流に登ってみる。するとやはり石が水没しているが、川底が浅い所で、これならば靴は水没するかもしれないが、渡れないほどではないだろうとそこで渡渉してみる。左足の靴はだいぶ水に濡れたが、なんとか渡ることができた。靴の中までは水浸しにならなくて済んだので有り難かった。そこからは普通の林道っぽくなった。ちょっとまた分かりにくい所があって渡渉かと警戒したが、渡ることなくそのまま進めば良かった。登って来る人に会う。それからは数人会うようになった。やはり林道は長い。それにだいぶススキが繁茂している所がある。最近は林道はすっかり使われなくなっているのだろう。途中、樹林の中で少し涼しい所で水を飲んで一呼吸休む。さらに下っていく。まだまだ林道は長い。渡り返す所があったが、水道管のようなものが下にあって、水路が作られているので、もう渡渉などする必要はなかった。日差しも出るようになって少し暑い。これまでくもりだったから帽子はしなくて済んだが、帽子を出さなくてはいけないかなと思いつつも先へ行くと再び曇ったりした。まだまだ林道は続く。ひたすら歩いて、ようやく木材が積まれているのを見て、さらに進むと右手にしまっている林業用の車などが置かれている所がある。しかし、もうしばらくは使われていない雰囲気である。左にも小屋があるが、すすきが蔓延り、入口が埋もれていた。その先にもある小屋もほとんど使われていない雰囲気だ。土地は所有しているままでも業務は停止しているのであろう。少し進めばゲートに出た。左を道で通るが、これも崩落したりしないか不安な雰囲気だった。

2025091332

 そこからは林道を下る。車が数台駐車されていた。さて、バス時間がどうかである。舗装された道をどんどん下っていく。しばらく歩いていくと左下に民家などが見えるようになった。さらに下っているとバスが来ているのが見えた。これは西沢渓谷行きのバスである。二台ほど来ていたようだ。数人降りているのが見えた。さらに下れば、道路に出る。左に進めば新地平のバス停、バスの時刻を見ると10分ほどでバスが来る時間でちょうど良かった。

2025091333

 念のために山梨市営バスの時間も見ておく。帰りは以前も立ち寄った笛吹の湯に立ち寄ることにする。時間より少し遅れてバスがやってきた。もちろんこの時間に帰る人はおらず、自分一人である。しばらく乗った笛吹の湯で下車しようとボタンを押すと運転手さんがやってないかもしれませんよと言う。ちょっと吃驚した。調べてみますね、とスマホで調べてくれたので、自分も見てみようと調べたら、8月中はボイラー故障で休んでいたようだ。9月から営業開始されたようなので問題なさそうである。運転手さんはとても親切で、やっているか確認するまで待ちましょうか、とも言ってくれたが、大丈夫そうなのでお礼を言って降りた。車で来た人がいて中に入っていく。やはり営業中のようだ。入浴する。

 次のバスまでは30分しかなく、その次のバスは2時間後である。しかし、30分では入浴が難しいので、その次のバスまで待つことにした。ここへ来ると大抵、1時間しか時間がないのであまりゆっくりとは入浴できないのだが、今日ばかりはのんびりとわずかにぬるめの露天風呂に浸かった。ぬるいように感じるけれど長く入ると温まる。結構汗をかいた。上がってコーヒー缶を買う。今日は朝にコーヒーを飲むこともできなかったから、ゆっくり飲めた。時間よりだいぶ早く出て、バス停の所でのんびり待った。誰も乗っていないかと思いきや、来たバスには登山者が乗っていた。途中からも数人乗ってきた。やはり塩山に出るよりは山梨市駅の方が少し遠い感じであった。駅で下車して何か食べるものがないかとお店を探したが、飲食店は少なく、街の駅と書かれた所に飲食店があったが、何か演奏のようなイベントをやっているようで、人も多く、入る気にならなかった。結局、駅に戻ってしばらく待ち、大月駅行きの各駅停車に乗り込む。大月駅で駅中の蕎麦屋さんに入ろうと思ったら、やはり人が多く、結局、売店でおにぎりを買って済ませてしまった。中央線直通の電車に乗り込んで早い帰宅となった。

単に雨の中、テントを張りに行っただけのような。こんなことも山を長く歩けばありますね。

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登山(奥秩父)」カテゴリの記事

コメント

アクシデントがあっても無事下山で来てよかったです。
昼用のパン、非常食は大事ですね。
ここは貸し切りバスで作場平に行って、笠取山をピストンしました。
水干には一滴も水が無かったのを思い出します。
いつもながら結構むつかしいコースを歩かれていますね。
渡渉場所を探すのが大変だったようで、ちょとドキドキしました。。

西やんさん、

トラブルなので仕方ないですね。自分はいつもフリーズドライの食事なので、緊急時は水でも戻せて食べられるのですが、さすがにそこまでして縦走したくないですしね。

水干はほとんど水はないですね。雨の日でしたから一滴が写せるかなと思いましたが無理でした。

前はごく普通の道でした。あの道はバス利用で笠取山に入るには一番良い道ですからね。
結構歩いている人はいるのですが、やはり道の手入れがされないと荒廃が進みますね。私有地だから行政の手が入らないのも理由の一つではありますが。

思いもよらぬアクシデント、お疲れさまでした。
ガスが噴き出してくるのでは、確かに怖くて電車バスに乗れないですもんね、
しかも小出しに抜かなければならなくて、気疲れも加わって大変でしたね。
まあ、登れずに行って帰って来ただけなんていう山行も時にはありますよ、
奥秩父という近場なだけよかったのでは。

それにしても親切なバスの運転手さんがいるものですね、
そういう人の優しさに触れると自分も人に優しくしよう、と思いますよね、優しさの連鎖♪

cyu2さん、こんにちは。

そうですね。ガスが入ったバーナーを付けたままの状態で運ぶのはかなり危険なはずです。メーカーでもバーナーを付けたまま運ぶのは推奨していないですね。ガスが漏れる心配もあり、もしガスが漏れていると静電気で発火したりすることもあるのでかなり危険です。なのでガスが全くない状態で運ぶしかなかったです。近くにいくつもテントが張られているので、その人たちに影響しないかが心配でした。

そうですね。遠くの山でこの状況だったら、かなり考えたと思います。比較的近場で良かったです。

誰も乗っていなかったということもありますが、やはり親切な運転手さんには感謝です。m(__)m

やはりバーナーも古くなっていたこともあるのかなと思って新しいバーナーを買いました。
前は当時最軽量のバーナーでした。やっぱり風を考えると四本ゴトクがいいかなと思い、前のより20gくらい重くなってわずかに大きくなったけど、たいした違いはないですね。

リブルさんこんにちは。
雨の中、山に行くだけでも、すごいなぁと思いましたが、落合からテント装備でということで、読みながら、こりゃかなりしんどいだろうなとは、思っていたのですが、ガスバーナーの故障とガス管の処置で大変な思いをされて、今度は精神的にもかなり疲れてしまいますよね。

雁峠からの道は、昔タクシー相乗りさせていただいたときに、笠取の帰りに歩きましたが、今はだいぶ荒れてしまっているとのこと。。。当時は拍子抜けするほどわかりやすく歩きやすい道だったと記憶しているので、年月を経ているとはいえ、ちょっとびっくりしました。

テント山行は、最近になって、少し軽いのからやってみようかなと考えていたところで、装備の点検など家でやってみたのですが、やはり、実際に行ってみないと、現地ではどんなアクシデントがあるかわからないという重要なことに改めて気付かされました。

最近はバスの運転手さんから話しかけられることは少なくなりましたが、昔は親切に声かけてくれる運転手さんが多かったですよね。しっかりガス管の処置をしてからバスに乗ったことを山の神様が見ていて、それがどこかで伝わったのかも知れませんネ。


リブルさん、こんにちは。
落合のバス停から新犬切峠を越えて笠取山へ行かれたのですね。
むかーし、将監峠から一ノ瀬を通って犬切峠を越え、落合まで歩いたことがあります。
バス停までの林道を歩く距離が長く、足に豆がたくさんできたことを思い出しました。
今では、ほとんどの人が車で作場平Pを利用していますね。
さすがリブルさん、公共交通にこだわるところがすごいです。
2、3年前、集中的に奥秩父の主稜を歩いた時に、新地平と雁峠を結ぶ道を二度歩きました。
何度か渡渉を繰り返し、源流部の森を抜けると明るい笹原の峠が出迎えてくれる静かな道で、お気に入りのルートです。
いつかまた歩いてみたいと思っています。

ゴン太さん、こんにちは。

雨がぱらつくかなとは思ったけど、曇りのつもりでした。ザァーザァー降りではなかったのでまだ救いでしたが。どちらかというと次の日に雨が止んだのに下山しなくてはいけない方が残念でした。まあ、このあたり稜線は何度も歩いているし、また来るのもそれほど難しくはないのでそのうちに再挑戦ですね。

やはり前から比べると林道の荒れ方が進んでいますね。写真の渡渉点の手前は以前はもっと開けていたのですが、低木が伸びていて縫って歩かなくてはいけないのに驚きました。

久しぶりであれば、まずは避難小屋泊からどうでしょう。テントほどは重くないけど、シュラフやバーナーを使うことになるので準備に最適ですよ。

最近はバスは絶滅危惧種みたいな感じになってきていますね。良い運転手さんで良かったです。

たまびとさん、こんにちは。

作場平橋までの道はとてもきれいな舗装でした。ちょっと長いですけど、このところ林道歩きを随分しているので思ったほどの長さではなかったです。

新地平から雁峠のルートは自分もよく使いました。もう少しルートに手を入れてくれると有り難いのですが、難しいのでしょうね。

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  • 小林 泰彦: ヤマケイ文庫 続日本百低山

    小林 泰彦: ヤマケイ文庫 続日本百低山
    写真ではなくイラストであるところがとても楽しい。600ページあるので読むのは大変ですが、のんびりとした雰囲気の漂う記載がまたほのぼのとさせてくれます。 御本人もあとがきで記載していますが、関東付近が主になっているので知っている山も多いけれど、それもまた以前に登った山は思い出しながら読めるのが楽しいです。

  • 尾崎 喜八: ヤマケイ文庫クラシックス 尾崎喜八選集 私の心の山

    尾崎 喜八: ヤマケイ文庫クラシックス 尾崎喜八選集 私の心の山
    自分はもう何度も読んだ文章ですが、やはり何度読んでも尾崎氏の文章は心打たれるものがあります。