名水を訪ねる妻坂峠、武甲山
(武甲山の浦山口への道入口付近)
【 山 名 】武甲山、妻坂峠
【 山 域 】奥武蔵
【 日 時 】2025年9月23日(火)祝
【 天 候 】くもり
【 ルート 】名郷バス停8:00→山中の清水→9:20妻坂峠→9:45一の鳥居→10:20不動滝→11:30武甲山11:45→12:10長者屋敷の頭→水場立ち寄り→12:55林道→13:45不動名水→13:50浦山口駅
☆妻坂峠を越えて武甲山へ
武甲山は以前に大持山などから歩いたことがあるが、随分昔である。一の鳥居からは登ったことがないので、そちらから登ってみようと思った。しかし、横瀬駅から一の鳥居へは埃っぽい道路歩きが長いし、トラックなども通って気分が良くない道である。といってタクシーを使うのも気が引けた。地図を見れば、妻坂峠を越えれば一の鳥居に入ることができる。行程が少し長いが、一日で歩けないこともないだろうと歩いてみることにした。

久しぶりに飯能駅から一番バスに乗る。座席はそれなりにほぼ埋まった感じ、さわらびの湯でほとんどの人が下車して、名郷まで乗ったのは四人くらいだった。トイレに行ってから、出発するが、のんびりしていたので他の人達はもういなくなっていた。今日は天気の良い予報になっていたが、予報は外れてどんよりのくもりのようだ。妻坂峠方面の道に入る。この道を歩くのも久しぶりである。先へ歩いていくとキャンプ場がある。

そのあたりまでは車が後ろから来ていたが、その先に行くと通る車もない。水場などを見てさらに先に行くと鳥首峠への道を見て右に折れ、妻坂峠に向かう。静かな道を淡々と登っていく。だいぶ進むと橋を渡るが、橋が新しくなっていた。数年前の豪雨で橋がやられてしまったのであろう。

さらに進んでいく。バイクが二台くらい通って行った。だいぶ歩くと右にパイプが出ていて水が流れている。「山中の清水」と言われている水である。普段はコンビニなどで水を買うのだが、今日は水場が多いので水は買わず、念のために水道水を入れてきた。ここで水道水は全部捨てて、この水を汲む。今日は涼しいし、さらに水場もあるので1.5Lも入れれば十分だろう。少し飲んでみるとそんなに冷たくはないが、悪くない水である。

先に進む。何度か曲がって登ると左にウノタワへの道路があるが、これは通行止である。なぜかさきほどのバイクが二台止められているが、人はいない。ウノタワ方面に行っているのだろうか。さらに少し進むと右手に新しい林道の擁壁が見える。この林道はどこまで伸びているのだろうか。もう使われていない古い林道の道に入る。苔が生え、近くまでヤブが来ている感じだが、歩く分には特に問題はない。右に進んでから左に曲がって進む。さらに沢沿いを進むと堰堤の所で道は終わり、小さな鉄製の橋が掛けられている。かなり古くなっていて、鉄板が薄くなっているようだが、まだ強度があるようなので問題なく渡れた。その先は登山道という感じになる。しばらく沢沿いを登っていく。落ちた枝などが少し多く、歩きやすい所を探して登る。道型は続いているので問題はない。しばらく登ると左に折れて小沢を渡り、さらに谷沿いに登っていく。上部になると水流はなくなる。さらに登ると急な斜面をひたすら左右にじぐざぐに登っていく。道は比較的登りやすい斜度で自分のペースで登れる感じである。何度も曲がって登っていくと鈴の音が上から聞こえてきてやがて妻坂峠に登り着いた。

さきほどの鈴の音は左に大持山などへ向かう人のものであったようだった。石仏も健在である。木製の道標は古びていて、もう読めなくなっている感じだった。

さて、そのまま先へ一の鳥居へ降りていく。こちらはやはりマイカーの人が周回コースなどで使うようでかなり歩かれているので歩きやすい道になっている。ぐんぐん下っていく。やがて右下から沢音が聞こえるようになり、ちらりと下を見ると歩いている人がいた。まだこのあたりは高巻き道のようになっているので、あそこに降りるのかなと思いながら先へ進んで緩やかに下っていく。右に折り返して下っていくと沢に出るが、右上を見ると先ほどの人は道とは関係なく、沢を登っていく姿がちらりと見えた。剛毅な人である。そこからは少し石の多い道になって下りにくい。しばらく下ると右に鉄製の樋から水が流れている。これも水場と言えるだろう。写真だけ撮って先へ下って行く。もう一人登って来る人に会う。早いですねと言われたが、名郷のバス停から来たのですよと言うと、名郷がどこか知らなかったようである。車で来て、あまりこのあたりに詳しくない人なのであろう。妻坂峠の向こうから峠を越えてきただけですと言って再び先へ下る。しばらく下ると車道に出る。そこから左にも行けるが、やはり一の鳥居を経由したいので、右に行く。車道を少し降りると一の鳥居に出た。

ちょうど単独の女性が下から来たところ、車で来たようには見えなかったので、横瀬から登ってきたのだろうか。一の鳥居の写真を撮っていた。自分も後から一の鳥居の写真を撮る。近くには一丁目の表示があった。

狛犬が二組あるのだが、手前はオオカミであろうか。もう一つは普通な狛犬という感じだった。

駐車場に先にきれいなトイレがあるので立ち寄っておく。林道な感じの道を進むとバンガローのような建物などがある。その間を進んで樹林の中を進むと四丁目の表示があった。さらに先に進むとすぐに道の横に五丁目の表示、せっかくなので見つけた石碑は全部写真を撮ることにした。

進むと六丁目の表示を見て、さらに小屋がある。池などもあり、以前は何か売店のようなものをやっていたのではないかと思われたが、もう随分前からこのままのようだ。先に進むと一旦道路に出て、そこに八丁目の表示、七丁目は見落としたのかなかったのか。このあたり降りてくる人たちに結構会う。山頂を往復して来た人たちもいると思うが、軽装で滝くらいまでを往復するような人達もいるようである。しばらく石碑はないのか見落としたのか、登っていくと左に持山寺跡への道が分かれている。小さな石碑に持山入口と書かれていた。先に進んで十三丁目の石碑、十四、十五丁目と登っていく。だんだんきつくなってきた。十六丁目は見落としたか、十七丁目を見て、さらに登ると不動滝に着く。小さな滝であるが、水場も兼ねている。水を1L汲んだ。横にはトイレ用のボトルがたくさん置かれている。さすがにボッカ訓練しようとは思わなかった。先には小さな木祠と十八丁目の石碑がある。
(不動滝)
本格的な登りになってひたすら道を登っていく。十九丁目を過ぎ、二十丁目の石碑の先に「武甲山御嶽神社参道」の大きな石碑がある。

さらに登って次々に石標が出てくるが、いちいちザックにカメラをしまうのが面倒になって肩にかけて登り、見つけたら写真を撮る形にした。二十一、二十二を見て、二十三は見落とし、二十四、二十五は欠けていた。二十六、二十七、二十八とみていく。だいぶ登りになれてきて、ひたすら登っていく。石祠も置かれているのを見て、その先には石積場を見る。二十九、三十丁目はそんなに大きくはなかった。三十一丁目は横に木があり、根本に石仏らしきものが置かれていた。三十二丁目を過ぎると少し広場のような所に登り着く。道標に大杉の広場と書かれていて、標高が1000mくらいの場所らしい。山頂まで50分ほどかかるようだ。

自分は休まず先に進み、三十三、三十四と見る。倒れた木に見守り観音と書かれた札があり、小さな観音像が置かれていた。さらに登ると大木を見る。杉だろうか。これはメーター級であろう。

近くには三十五丁目がある。登りがさらにきつくなる。三十六、三十七、三十八丁目は見たが、三十九は見落としたか。四十を見て、四十一は見落とし、四十二、四十三を見る。そろそろ上が近くなってきたのかどうか、かなり涼しくなってきた。四十四、四十五は見落とし、四十六を見る。四十七、四十八丁目を見て、やはり屋根掛けされた石で囲まれた場所に小さな観音像が置かれている。四十九は倒れかかっていて、五十丁目を見る。これは少し大きい。

そして右に屋のようなものを見ると五十一丁目があり、そこで左に小持山などへの道が分かれていた。

もうこのあたりは山頂の一角、さきほどの小屋のようなものはトイレだったようだ。あたりには休んでいる人が多い。そのまま登っていくとあたりには菊の花が咲いていた。先へ進むと御嶽神社がある。

お参りして、裏手へ進み、左の方へ登る。大きな木がある。あたりには石祠も多かった。さらに左に斜めに登っていくと第一展望台に着く。数人が休んでいた。武甲山の標柱が立っている。残念ながら雲でもかかっているのか、下の民家などは見えたが、遠望などは全く効かなかった。

そのまま降りて左へ行く。そこにも展望台があるのかと思ったらフェンスだけだったので、そのまま下る。トイレの近くにベンチがあり、ちょうど人がどいたのでそこに座ってパンの昼食にする。さすがに半袖シャツでいると寒い。美味しい水でさっさとパンを食べ終えて、下山にかかることにする。
☆浦山口へ下山
さきほどの道標の所へ戻って小持山の方へ少し樹林の中を下る。すぐに右に細い道が分岐している。一人早い人が下ってきたが、そのまま小持山の方へ下っていった。写真を撮り、浦山口の方に向かう。

そちらの道もやはり前に来た時に下った道だが、すっかり忘れている。下りはじめのあたりはカラマツなどもあり、草が生えてきれいな感じである。それもわずかで普通の樹林に変わる。ちょっと急な下りが続くと一人登ってきた人に会った。さらに下っていくと左手の遠くに民家と思われるものが見えたがかなり遠い。あそこまで下るのだなと思う。さらに下っていくと若い二人が降りているのに追いつく。パスさせてもらって先へ下るとやはり大きな杉があった。

また少し急な下りがしばらく続くと一旦比較的平な感じの所に降り立つ。左に水場などへの道がある。ちょっと迷ったものの、今回は水を求める旅、やはり立ち寄ることにする。

左に道を進んでいくとそんなにかからずに水場に出た。しっかりと水が流れている。右には谷があるが、そちらはあまり水が流れていないようだ。汲む必要はなかったので、わずかに手に取って飲んでみると自然な水であった。その先の道はあるのかないのか、どこが道なのかよく分からなかった。さきほどの所まで戻って再び登山道を先に進む。

少し緩やかに進んだのち、また細い道で横の灌木が少し邪魔したりする道を下る。しばらく下ると再び緩やかな尾根道で草の生えた道を下っていく。このあたりは気分が良い感じで歩ける。さらに下ると左側は植林らしき杉林、右側は自然林となっているところを下る。

歩きやすい緩やかな下りである。さきほどの若者二人が先を歩いているのが見える。水場に行っている間に先に行ったのだろう。しばらくそんな尾根が続いたが、やがて赤く塗られた道標があり、尾根から外れて左に浦山口への道に入る。

するとまた細い道で急降下で歩きにくい道が続く。ここもじぐざぐで下るのだが、かなり下りにくい道が続く。少し下ると下っている人達をパスする。さらにしばらく下ってさきほどの若者二人をパスする。まだまだひたすらじぐざぐの道が続く。足がさすがに疲れてきた。下っていくと沢音が聞こえ始めたが、まだかなりの高さのようだ。とにかく道を追って左に右にと進んで折り返して下るとやっと沢近くまで降りた。ようやく沢沿いのわずかに高い右を進むようになる。ふと振り返ると小滝も見えていた。先に進んでいくと下って沢まで降りる。すると木橋がある。その手前で顔を洗ったが、水はあまり冷たくはなかった。橋を渡ると、林道に出る。後は林道を歩くだけと思って先へ進むと通行止の表示がある。そこから右下に迂回路が出来ていた。歩きにくい所があるので注意するように表示があった。

迂回路に降りるとすぐに渡渉になっていて吃驚する。ただ、石が並べられていて、渡渉は容易である。先日の雁峠の増水した渡渉を考えれば、天と地ほどの差がある。先へ進むが、やはり最近作られた道だけに少し歩きにくい。ただ、テープも頻繁に付けられ、ロープなどもあったりするので、迷うことはなさそうだ。進んでいくと再び渡渉。ここもやはり石が並べられて渡渉しやすい。しかし、その先の階段が悪くなっていて、板が一枚外れてしまっていて、登りにくかった。林道に戻る。
そこからは林道をひたすら歩くだけ、特に面白味もなく、川沿いを進んでいく。やがて舗装された道になり、歩きやすくなった。しばらく歩いていくと古い道標を見て橋を渡るが、その先の林道はまた舗装がなくなってしまった。だいぶ草が生えている。二本の轍の跡のように見えたが、途中で右側は木が生えていたりするので、どうやら人が歩いた跡のようだ。数組に会ったが、たまに歩く人がいるので道が維持されているようである。少し進むと左に鳥居があり、その先に石祠が置かれているのが見えた。鳥居には橋立神社と書かれていた。平成16年とも書かれている。お参りする人はマレのようであたりには草が多かった。さらに進んでいく。だいぶ進んだ所で振り返ると山が見えたが、武甲山は山に隠れて見えないはず、見ているのは小持山との尾根の途中あたりだろうか。

まだしばらくは林道が続き、ふと振り返るとさきほどの若者二人がまた追いついてきていた。ようやく林道も終わりのようで橋を渡ると大きな鳥居を見る。しかし、右には谷があるだけで神社などはありそうにない。何のために作られた鳥居だろう。左に進むと明るい所に出て、大きな岩壁を右の遠くに見る。民家が出てきて、ヒガンバナが咲いていた。

お店などがあり、人もいる感じ、道をしばらく進むと右に蕎麦屋や鍾乳洞があるあたりは人が多かった。さきほどの若者二人はそちらの道へ登って行った。鍾乳洞を見るのか、蕎麦を食べに行ったのであろう。自分はそのまま進み、左の細い道に入って進む。緩やかに下って駅近くに出る。駅に人がいるのが見えたが、一本遅らせても不動名水に立ち寄る。ガードをくぐると不動名水があった。思ったよりも人が少なく、スムーズに水をボトルに汲めた。そんなに冷たくはないが、まろやかな水であった。

駅に行くと人が多い。14時過ぎに列車があるようだ。しばらく待つとすごい人。ちょうど良い時間なのかもしれない。

とうとう最後までどんよりした天気のままだった。今は三峰口から来た列車は影森止まりなので、立ってもたいしたことはない。来た列車は四両で空いていたが、最後に近い乗車なので立って乗る。影森駅で下車してお花畑方面行きの列車に乗り換える。これも一駅なのだが、座って乗車した。お花畑駅で下車する。西武線の次の各駅停車までそんなに時間はなかったが、しっかりとしゃくしな漬けを買って帰途についた。
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大昔に横瀬から一の鳥居まで歩いて登りました。
たしかにダンプが通り、砂埃が舞い上がって大変でした。
一の鳥居から山頂まで、思ったより変わっているようです。
途中の小屋は発破避難小屋ではないでしょうか。
私が行ったときはいくつもありました。
投稿: 西やん | 2025年9月30日 (火) 22時43分
西やんさん、
横瀬から歩かれたことがあるのですね。
やはり山も変わっていくので、昔登った山も次に行くと全く変わっていたりして、
それがまた楽しいように思います。
投稿: リブル | 2025年10月 1日 (水) 19時14分
妻坂峠から武甲山へ行くって、リブルさんすごいです。
そんな行き方もあるんだーと思いつつも真似できません・笑
そうなんですよね、一の鳥居のルートは優しくて良いのですが、
その後の駅までのセメント道が・・・ホント辛い。
秩父エリアも武甲山も好きだけどそこがネックで時々しか行けないです~
投稿: cyu2 | 2025年10月 3日 (金) 17時42分
cyu2さん、こんにちは。
今年は厳しい山をたくさん歩いたので、それほどではなかったですよ。
妻坂峠への道は以前の台風でかなり荒れているかなと思いましたが、思ったよりも普通に歩けたので良かったです。反対側はたくさん歩かれているので問題ないです。
以前に武甲山ではなかったけど、妻坂峠から横瀬まで歩いて懲りました。あの道は辛いですね。
帰りの西武秩父駅から削られた武甲山が見えて、写真撮ろうかと思いましたけど、止めました。全山削られるまで採掘は終わらないのかなぁと悲しい気分になりました。
投稿: リブル | 2025年10月 3日 (金) 19時20分