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2025年10月

南千住散歩

相変わらず土日の天気が雨で山には行けそうもないので、25日は雨の中ですがウォーキング。

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南千住駅が歩き出し。

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線路沿いに進みますが、行き過ぎてしまい、戻って延命寺。ここには首切り地蔵があります。案内板によると小塚原刑場が昔あり、明治初年に廃止されたようです。寛保元年(1741)に造立されたものらしいです。

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少し歩いて浄閑寺。新吉原総霊塔や永井荷風の文学碑があるようですが、お参りか何かの人が多くてあまり中を探索する雰囲気ではなかったので軽く見て先へ。

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しばらく歩いて円通寺というお寺。上野にあった黒門が移設されています。

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先へ行くと千住間道という道。

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スポーツセンターを見ますが、そのあたりは昔、陸軍の千住製絨所という織物の工場だったようです。初代所長の像が残されています。

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少し歩くと荒川区の施設の横に橋本左内という人の套(さや)堂が移設されていました。橋本左内という人は安政の大獄で刑死したと案内板に記載されていました。

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少し歩くと素戔嗚神社。神楽殿が立派。

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お参りしている人も結構いて、人が絶えないようです。

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富士講の富士山もありました。残念ながら登れません。

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しばらく歩いて隅田川にかかる千住大橋。もともとは文禄三年(1594)に徳川家康が江戸に入った後に隅田川に初めて架けられた橋だそうです。

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葛飾北斎は富嶽三十六景で千住付近からの眺望を三枚ほど描いているそうです。

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近くには「おくのほそ道矢立初の碑」があります。芭蕉は深川から船に乗り、千住で上陸して、見送りの人達と別れて旅に出たということです。

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隅田川の近くに降りてみました。あたりの言い伝えなどが書かれた看板が置かれています。

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壁にもおくのほそ道の絵と句が書かれています。

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奥へ進むと橋戸稲荷。当時鏝絵で名高かった伊豆長八という人の作品が拝殿の前扉に彫刻されたと案内板に書かれていました。

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稲荷神社らしく狛犬ではなく狐ですが、かわいいですね。

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千住大橋駅を通り過ぎて先に進むと河原稲荷神社。横の道路は車の通りがうるさいですが、ひっそり気味の神社。

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こちらは狛犬でしたが、かなり巨大。信仰の厚い神社だったのでしょうね。

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目を惹くのが境内にある青物市場創立三百三十年祭記念碑。明治39年に行われた祭りで建てられたものだそうです。このお祭りのために二、三軒の問屋が潰れたそうな。そこまでやるかという感じですね。

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裏手へ進んでみると旧日光街道。

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このあたりはやはりたくさんの問屋が軒を連ねていたようです。

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今はごく普通のビルやマンションの立ち並ぶ道。ただ、まだ残っているようで、青果物市場の表示が一か所出ていました。

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近くには移築された土蔵が残されていて、千住宿歴史ミニテラスというものがあり、中に入れました。当時の写真などが展示されていました。

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京成線の千住大橋駅に出て終了でした。

 

ヤタ尾根から檜洞丸

2025101825(霧の山頂付近)

【 山 名 】檜洞丸
【 山 域 】丹沢
【 日 時 】2025年10月18日(土)
【 天 候 】くもりときどき霧
【 ルート 】神の川入口バス停7:40→9:05神の川→9:15ヤタ尾根取りつき→ヤタ尾根→11:25熊笹ノ峰→12:00檜洞丸12:10→つつじ新道→14:25西丹沢ビジターセンターバス停

☆ヤタ尾根から檜洞丸

 気温が下がると丹沢に行きたくなる。廃止が取り沙汰されている月夜野行きのバスで入ることにした。まだ歩いていないヤタ尾根を登ってみることにしたい。いつも三ヶ木へ行く時は相模湖駅からのバスを利用していたが、久しぶりに調べたら早朝の6時台の便が削減されていた。なので相模湖駅からは行くことができない。なんとか橋本駅からは一番バスを使えば間に合うので、それで行くことにした。

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 電車を乗り継いで橋本駅で下車する。途中、朝焼けを見てしまう。自分が朝焼けを見るとどちらかというと悪い天気になることが多い。果たして観天望気通りになってしまうのだろうか。バス停に行くともう地元の人が数人待っていた。三ヶ木行きのバスは登山者も乗るが、地元の人も結構乗り込むのでバスは立ち客もかなりいる感じで発車した。三ヶ木で月夜野行きのバスに乗り換えるが、乗合タクシーの表示があった。今年の10月から三ヶ木と音久和を結ぶ乗合タクシーができたようだ。行きはこのバスがまだあるからあまり使うことはなさそうだけれど、帰りにバスまでかなりの時間がある時は乗っても良いかもしれない。ただ一時間前に予約しないといけないので、相当早い時間に降りたときにしか使うのは無理だろうか。月夜野行きのバスはまだ座席に余裕がある感じだった。焼山登山口や東野で人が下車していき、神の川入口で下車する。自分以外にももう一人降りた。他に二人くらいそのまま月夜野へ行くようだったが、どこの山へ行くのだろうか。

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 ちょうど車が続々と林道に入って行く。ほとんどが釣り客ではないかと思われた。写真を撮って歩き出す。もう一人の人は早い人のようだ。先を進んでいくのが見えた。しばらく歩いていき、集落の先で右に神の川の方へ向かうが、その人は左へ青根の方へ歩いて行った。自分は先へ進んでいく。ごくたまに車が通るが、静かな道を歩いていく。やはり天気はわずかに日が差したりするが曇りっぽい。大室山の山頂付近には低い雲がかかり、やっぱり天気は良くなさそうだ。淡々と道路を歩いていく。随分歩いてエビラ沢の滝を見る。以前は左手の休憩舎の所へ行けたが、土砂崩れがあったようで通行止と書かれていた。道路からちらりと見えるだけである。

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 さらに歩いていき、花折神社の鳥居を見る。その先の階段の入口は今もヤブっぽいが以前よりはわずかに良くなった感じがあった。まだまだ先は長い。トンネルを過ぎると以前はそれほどではなかった左の採石場が稼働していて音が聞こえて来た。さらに先に進んでいく。やっとの神の川に着き、トイレに立ち寄る。先の林道はゲートは空いていた。とは言え車両通行止である。

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 ここで靴下の中にズボンの裾を入れて、ロングスパッツを着ける。さらに虫よけスプレーをかけておく。ヤタ尾根の下部はヒルがいるようだ。さすがに10月の中旬を過ぎているのでそんなには出てこないと思うけれど、昨日も雨だったし、今日もあまり天気が良くないので念のためである。しばらく林道を歩いていくと右にヤタ尾根の登山口があった。古い案内板が置かれていた。それによると急登で林道を横切り、その先にブナの美林があることが書かれていた。

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 登り始める。小さくじぐざぐで急登していく。土は湿っていて確かにヒルが出てきてもおかしくない感じではある。でも特にそれらしい徴候はないようだった。少し登るとわずかに展望がある所を通過する。

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 進むとさらに急登が続く。ちょっと岩がごろごろしている所に出て、右から左にと尾根をひたすら登っていく。今年は何度も長い登りを頑張った。そのおかげかもう登りもそれなりに慣れていて自分のペースで登っていくことができた。植林と思われる林の中をひたすら登る。すると林道に登り着いた。

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 左右にロープが張られていて、登山者が道を間違って歩かないようにしているようだ。使われていない林道なのだろう。先には石段があり、その石段を登ると尾根の続きになる。少し樹林の中を進むと再び急登になる。

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 少し登ると岩が出てきて、そのあたりから道が細くなり、岩を右から左にと岩を乗り越えて登っていく。

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 まだまだ急登は続く。せっせと登っていると木段も出てきた。地味に足に来る登り、それでも登っていくと少し上が見えて来たかなと思う。さらにしばらく登って見えていたその近くまで登ると右に斜めに進んで登り、少し平坦な感じの所に登り着く。先にいくと木柱と古い神奈川県の看板などがある所に出る。このあたりが1021点あたりであろう。

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 わずかな間ほとんど平な所を進むが、再び急登に変わる。空はさらにどんよりしてきたようだ。だいぶ天気が悪いようでもしかしたら雨に降られることもあるかもしれないと思う。たまにビューと風も出てきて吹き付けるような事もある。もしかしたら稜線は風が強いかもしれないなと思いながら淡々と登っていく。

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 ちらりと右手などに稜線が見えたが、まだまだ相当な高さがあるようだ。見上げる急登が続く。こなしていくと途中に道標があった。神の川1.5Km、熊笹の峰1.45Kmと表示されている。やっと半分くらい登ったようである。まだまだ登りは続く。しばらく登ると右手にブナが見えるようになった。それを見ながら登っていく。

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 しばらく登ってまた木段道を登り、尾根上に出る。するとそこから先はブナの林である。左右に植生保護のフェンスがあったが、その間は広いのでせまっ苦しくはない。ブナを見ながら良い感じの登りである。

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 今日は天気が悪いのが残念だが、新緑の頃などはとてもきれいなのではないかと思った。よい場所なので、少し歩いては写真を撮り、を繰り返した。さきほどまでの登りよりは多少緩やかな登りであるが、それなりの登りが続く。

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 そんなにすごい太さのブナはないが、まずまずの木もあった。

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 ブナの森を楽しみながら登っていくと大きな木が出てきて、近くにはベンチなどもあった。おそらくこのあたりが1252点と思われた。休む気はなく、そのまま登っていく。大きな木はモミの木であろう。大木である。

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 先に登ると少し地形が広がり、右から左へ登るものと思われた。段々状に整備された所がある。崩れたりしたのを修復したのだろうか。

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 また結構な登りになって木段も出て来た。ずいぶんな斜度だが、角が削ってあるので踏みやすい。さらに登っていく。

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 ようやくブナが少なくなると霧が出てくる。やはり濃い霧のようだ。下には笹が生えていて、道も笹の中を登るようになる。相変わらず急な登りは変わらない。しばらくそんな中を登っていく。

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 随分登るとやっと分岐が近くなった雰囲気、左右にまたフェンスが出てきて、笹の中に木段があるのだが、だいぶ笹がかぶっていて少し登りにくい。それでも登っていくとやっと分岐に登り着いた。

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 風がビュービューと吹いている。あたりは霧に包まれているが、霧がかなりのスピードで動いている。長袖シャツで登っていたが、ウィンドブレーカーを着込むことにする。ベンチがあるがとても休もうとは思わない天候である。水だけ飲んで進むことにする。先に進むと右下がガレている所は右下から風が吹き上げてくる。帽子が飛ばされそうになったがコードを耳にかけていたので飛ばされなくて済んだ。コードを絞ってさらに飛ばされないようにする。

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 進んでいくと下りになるが、笹がかなり生えている。下の踏み跡は明瞭なので迷うことはないが、笹で足元が濡れる感じである。ロングスパッツのおかげで裾が濡れなくて済んだが、太もものあたりが少し濡れた。そんなにすごく濡れた訳ではないので、それでもすぐに乾くだろうと思う。途中にはシャジン系のお花が咲いていた。

2025101822(こんな天気なのにリンドウの花が少し開いていた)

 初めて人に会う。それから先は数人に会った。しばらく下ってから登り返しになる。やはり木段の登りはきつい。吹き上げている風も強い。少し荒れた天気の中を登っていく。途中の木が少し色づいている感じだった。

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 まだしばらく登らされて進んでいくと平な感じになる。すると休んでいる人が見えてきて、その先が山頂だった。

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 霧の中の山頂、この山頂に来るのはもう十年ぶりくらいだろうか。ベンチはすでにどれも埋まっていたので木の枠みたいなものに座り込んでパンを食べた。つつじ新道の方からときおり人が登ってきた。

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☆下山

 晴れていれば石棚山稜とかを下りても良かったが、こんな天気であればつつじ新道一択であろう。石祠の前から下りに入る。以前もそうだったが、木段をまた最近きれいにしたようだ。霧がかなり濃くなり、パラパラと木から雫がたまに降って来る。休んだせいか寒くもなってきた。少し降りた所で雨具の上だけ取り出し、ウィンドブレーカーの代わりに着込んだ。まだこの時間は結構登って来る人に会う。ぐんぐん下っていく。木道は良いのだが、木道の最後で丸く切られた足置きに乗るとつるっと滑りかけたのでビビる。次から気を付けることにする。

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 色づきは良くないが、やはり少し色づいた木を見ながら下っていく。やっと霧の下に出るとやっぱりホッとする。稜線ほどではないけどまだ風は強く、ときどき吹き付けてくる時があった。

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 そろそろ登って来る人も会わなくなり、どんどん下って展望台と書かれた所にベンチがある。二人ほど休んでいたので素通り。さらに下っていく。樹林の合間からちらりと上が見えるとやはりガスが取り巻いていた。さらに下っていくと右下からぼっかさんが登ってきた。道標は先を示しているが、ぼっかさんは別な踏み跡から登ってきていた。どうやらぼっか道が別にあるようだ。先へ行くと道が怪しくなってこれで良いのかとちょっと思ったが、先へ進むと左に道があった。少し道を外していたようだ。再び道を先へ進んでいく。また下りが続く。もうだいぶ降りてきた感じがする。途中にはまたシャジン系のお花が咲いていた。

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 随分下って鎖の付いた細い所を下るがちょっと下りにくい。なんとか下って降りると沢に降りる。以前にはなかったルートを示す図が付いていた。河原を進んで飛び石でゴーラ沢を渡り、少し先に進むと右手に渡渉しやすいように石が連なって置かれている所がある。それを踏んで渡った。

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 先に進む。少し登り道になって高巻き道となる。かなり高い所を通る道になる。左下を見ると随分な高さ、あまり意識しないように歩く。しばらく歩いていくと左に道があり、西丹沢ビジターセンター方面と書かれた看板がある。どうやらキャンプ場の中を通る道が整備されているようである。特にそちらに行ってみたいという気も起きなかったので、そのまま先につつじ新道の続きを進むことにする。

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 まだまだ高巻き道は続く。進んでいくと桟道が出てくるが、かなり高い所に付けられた桟道が多い。一部は手すりが付いているが下は切れ落ちていて、もし落ちたら大変だなと思う。

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 さらに先へ行くと道標を見て右へ曲がる。さらに進むと折り返して下っていく。何度か折り返して下り、やがて左に進んで谷に出る。谷の中をしばらく下れば、先に道路が見えて、それに出ればつつじ新道終了である。

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 やっぱり檜洞丸はそれなりに大変である。もういらないとロングスパッツを外してザックにしまう。バスは記憶では20分くらいだったはずだからもう間に合わないだろう。15時台のバスで帰ればいいやと思う。のんびりとキャンプ場を見ながら歩いていくとビジターセンターの建物が見えてくる。するとバス停の所にバスがいるのが見えた。

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 ちょうど乗り込んでいる人達がいる。慌ててバスの所にいくが運転手さんはいないのでまだ発車しないようだ。バス停で時刻を見ると発車は40分だった。まだ時間があるのでトイレに行ってから乗り込んだ。谷峨駅からの列車時刻を確認して谷峨駅で降りる。土日は途中が渋滞することが多いので、列車の方が自分には良い。谷峨駅からの列車はそんなに混んではいなかった。松田駅で下車して小田急線で帰宅した。

2025101841(三ヶ木バスターミナルにあった乗合タクシーの表示)

 

丹波山温泉 のめこい湯 2025神無月

飛竜山の帰りは丹波山温泉へ。

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入浴料は1000円。

入口にザック置き場がありましたので、そこにザックを置いて入浴しました。

広い内湯で、お湯は単純硫黄泉。昔、仮設の頃はかなりの硫化水素の香りが漂っていた記憶がありますが、さすがに今は硫化水素の香りはあまりしない感じでした。でも、少しぬるつきが感じられます。普通の内湯はあまり温度が高くなく、のんびりと入浴できます。それとは別に高温浴槽があり、そちらは少し熱めになっていました。

露天風呂もあり、そちらも少し熱め。山の風が少し冷たく、やはり都内とは温度が違いますね。水風呂もありました。

バスを一本遅らせたのでのんびり入れました。また立ち寄りたいですね。

 

三条の湯

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三条の湯は、雲取山と飛竜山の麓にあり、今でも歩いてしか行けない秘湯?です。

単純硫泉冷鉱泉のお湯。沸かし湯ですが、ぬるつきの感じられるいいお湯です。
ほとんど透明に近いですが、最初に入浴した時はしっかりと湯の華が見られました。その時はかなりぬるめな感じであまり温まりませんでしたが、夕方に入浴したときはどんどん沸かしてくれているようで、少し熱め、しっかりと温まりました。
沸かし湯なので朝は入浴できないです。まあ、ここに来たほとんどの人は山に登るでしょうから、あまり影響はないでしょうけど。

やっぱり、またいつか訪れたいですね。

 

カメラが転落した飛竜山 飛竜山へ編

2025101206(登りの途中から飛竜山を望む)

続きです。(時間等は三条の湯へ編に記載)

☆飛龍山へ

 夜中に何度か目が覚めた。3時過ぎには隣の人かライトで明るくなったりした。6時には出発しようと4時45分に設定していたアラームでスマホが震えたので起きた。雨音はなく、すっかり止んだようだ。まずは食事を作る。やはり気温が高く、冷えないようである。霧はまったくなかった。5時半近くなり、外に出てみるともう残っているテントは自分以外は二張だけだった。テントを撤収して小屋に登る。天気は良いようだ。水は2.5Lもあれば十分だ。持ってきた水2Lは昨日開けなかったので、0.5Lだけ水を汲んだ。

2025101201(良い天気になりそう)

 さて、登り始める。昨日来た道とテント場への道と分かれて右上に登る。フェンス沿いの踏み跡を進むといきなり道がなくなる。テープが付いていて、フェンスを支える細い支柱が邪魔したがそのまま進むとやはり道がなくおかしい。よくよくあたりを見上げると上に登るのが正解だった。右に左に右にとじぐざぐで急斜面を登る。しばらく登ると尾根らしい所に一旦登り着いた。左に尾根を登るがやはりきつい登りである。しばらく登ると右手へ登っていく。枯れているがスズタケがあって、何か懐かしい気がした。最近は温暖化のせいかすっかりスズタケは奥多摩あたりでは無くなっている。まだ残っているのはやはり標高もあって比較的涼しいからだろうか。道にはないので全く問題はない。

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 多少道が悪くなっている所もあるが、道自体は続いている。だいぶ右に進んだ後、左に折れてさらに登っていく。それにしても長い道である。延々と続く道をひたすら先へ進んで登っていく。随分進むと左手に山が見える。結構高いがあれが稜線のようだ。

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 まだまだ道は続き、登り道が続くとカンバ谷が近づいたようでロープの付けられた岩場っぽい所に出る。道があまり良くなく、ロープのお世話になりながら岩をトラバース気味に登る。後ろから人がやってきたようで鈴の音が聞こえるようになった。ようやく岩場を過ぎて先に行くと水の流れている所に出る。これがカンバ谷らしい。

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 水はあまり多くは流れていないが、少しすくって顔に付けると少し冷たかった。先に進むと左下に追いついてきた人が見えた。そのうちに抜かれるのであろうと思う。先に進み、相変わらず山に沿って登っていくのだが地味にきつい。随分高度を上げたなと思うとちらりと遠くに雲海が見えた。天気は随分良いようだ。青空が広がっている。

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 まだまだ登らされる。さきほど見えていた山は稜線ではなく、まだ登らなくてはいけない山だった。角を右に曲がるとようやく先の山が見えたが、あれが飛竜山であろう。先に進むがまだまだ道は続く。右にと進んでから左に曲がり、さらに登っていく。さきほどの人が追いついて来るかなと思ったけれど、意外に抜かれることはないようだ。ようやくの事で先に道標が見えて、そこに登り着くと北天ノタルであった。

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 予想外の良い天気で青空、遠くには山々と雲海が見えていた。

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 くもり予報だったのでこんな良い天気になるとは本当に思っていなかったので有り難かった。さきほどの人が追いついてきた。良い天気ですね、と話をする。少し休んだが、その人はまだ出発しないようなので自分が先に進むことにする。風が少し出て、わずかに肌寒いので長袖シャツを着こんだ。

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 進むとすぐに岩場の登り、少しへつり気味に登って進む。先へ進むと空中桟道が出てくる。結構古くなっている感じの桟道で心配だが強度はまだあるようだ。右も左も開いている所が多く、真ん中を慎重に進む。何回かそんな桟道を通過した。桟道が終わると細い道が続いていてそれを辿る。

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 だいぶ進むと左から右に曲がる所に「山頂近道」と書かれた表示があり、そこから右の踏み跡に入る。

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 細いながらも続いているのでそれを追って登るが、結構な斜度で登りはきつい。しばらく登ると斜度が緩んで登りやすくなる。

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 ちょっと倒木が多くなって、踏み跡らしきものを進むが、倒木を乗り越える所もあった。そんな道をしばらく進むと木柱が立っている。表示は裏のようなので回り込むと飛竜山の標柱だった。

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 飛竜山には何度か登っているが、いずれも20年以上前の事である。すっかりどんな山頂だったか忘れている。こんな山頂だったか、ほとんど見覚えのない感じだった。樹林の中で眺めもないので、長居をする気にもならない。休まず、そのまま先へ行く。飛竜権現で休むことにしよう。わずかに先に行くと下笹が少しグリーンのカーペットみたいな感じで雰囲気の良い所を通る。

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 やがてわずかに左に曲がって進むと先はシャクナゲの葉のトンネルになる。かなり細い道で葉が邪魔するので進むのが面倒である。途中でもう登ってきた人に会う。手前あたりでちらりと右手の樹林の向こうに山が見える。甲武信ヶ岳であろうか。

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 しばらく面倒な下りが続いたが、それを抜けて下ると石祠のあるところに下りついた。石祠は比較的新しいが、それでも苔が付いていた。昔は大きな木祠だった気がするが、斜めっていた覚えがある。もう随分前に倒壊して置き換えられたのであろう。そこでザックを置いて休む。すると学生のグループらしい人達がたくさんやってきた。先生だろうか、話をするとやはり雲取山からで、自分と同じように丹波へ下山するようである。

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 腰を上げて下りに入る。岩場などの下りになるが、落ち葉があって道も少し分かりにくい感じである。急な下りで慎重になる。少し下ると先にこんもりした山が見えてくる。

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 あれが前飛竜であろう。あたりには笹があるが、わずかである。以前の記録を見るとかなり笹が伸びていたように書いていたので、だいぶ笹が後退したのだろう。登り返しになってしばらく登ると少し右手を進むのだが、細かいアップダウンがあってなかなかしんどい。やはり何人か登ってきた人に会った。前飛竜の登りはきつい。岩場を登っていると後ろから鈴の音が近づいた。北天ノタルで会った人が追いついてきたのだろう。登っていくとようやく前飛竜に着く。

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 振り返ると飛竜山が大きかった。少し休んでいるとやはり北天ノタルで会った人が登ってきた。先からも一人登ってきた。追いついてきた人の方が早そうなので先に行くまで休憩することにした。

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 先に行ってくれたので後から下り始める。急な下りになって少し下ると展望の良い岩に出る。さきほどの人も写真を撮っていた。自分もそこで写真を撮る。まだ山の向こうには雲海が広がっていて、近くの木は少し紅葉している感じだった。

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 少し下ると右に針金のようなもので塞がれている所がある。右は岩岳尾根であろう。丹波へは左へ下り、そこから右下に向かう。岩場の急な下りが続く。さすがにこれだけ急な下りが続くと足が痛くなってきた。前を行く先ほどの人は早いようで少しずつ離れ、やがて見えなくなり、鈴の音も聞こえなくなった。自分はゆっくり下ろうと心掛けて無理せずに下るようにした。小さく折れ曲がりながらどんどん高度を落としていく。やっと少し斜度が緩んだが、まだそれなりの下りは続く。それでも少し緩やかになった所で右に少し樹林が切れている所があり、富士山が見えていたのには吃驚した。

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 先へ進むと緩やかな尾根に変わる。足が痛いのであまり早くは歩けない。淡々と進んでいく。たまに登って来る人に会った。緩やかに下っていくが大きな倒木などがあって、少しそれを避けて進まなくてはいけない所もあった。随分下ってから細い尾根になり、しばらく進む。そろそろ熊倉山かなと思いつつ進んでいくと目の前に壁のような場所が見えてきて、登り返す。その登りはかなりきつい。再び緩くなって進むとやっと熊倉山だった。

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 熊倉山南尾根を登ったのはもう結構前の事だ。小さな山頂で三角点を見ながら少し休んだ。さて、またザックをかついで下りだす。しばらく急だが、先へ進むと再び緩やかな下りが続く。ブナの林を通る。このあたりは気分の良い下りである。先へ進んでいくと明るい林になり、どんどん下っていくと足元に何かいる、と思ったらこげ茶色の蛇だった。シマヘビとかだろうか。もう少しで踏む所だった。鎌首をこちらに持ち上げかけたので急いで通り過ぎる。振り向くことなく先へ急いだら特に問題はなかった。女性が一人休んでいるのが見え、しばらく下ればそこがサオウラ峠だった。こんにちはと挨拶だけ交わす。近くの木に座り込んだら、栗の殻があってイガイガが尻に当たって少し痛かった。女性は三条の湯に向かって歩いて行った。今日は泊まりなのだろう。桟道が壊れている事を話して上げれば良かったと思ったが、もう後の祭りだった。

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 さて、ここから下山ではなく、丹波天平に向かう。そこからの下り道を歩くためである。緩やかだが、また登りである。さすがに足が痛く、のんびりとしか登れなかった。

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 ここは本当に平な広い尾根が続く。ゆったりしたアップダウンで先へ進むが、あまりにも広い場所で踏み跡もあまり明瞭ではない。適当にそれらしい続きを先へ進む。やがて倒木が増える。カラマツの林の中でどこが道か分からず、とりあえず先のピークに向かって進んでいく。どうも道は右手を巻き気味に進むのが正解なようだ。ピークの手前あたりから右に向かって倒木を乗り越えたりしながら進んでいくと道の続きと思われる所に出た。

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 それを辿って先へ進む。しばらく進むと先の方に樹林が出てきて、平な所を進むと電波塔を見て、丹波天平に着く。道標の近くに木が転がっていたのでそれに座り込んで水を飲んだ。歩いてきた方を見ると猿が一匹いるのが見えた。近づいてくることはない。木の間からこちらを伺っている様子である。警戒しながら持っていたグミを数粒食べた。

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 さて、ここから初めての道を丹波に下ることにする。丹波と書かれた方に進む。カラマツ林の中を右手に注意しながら進むが、やはり猿はこちらに近づくような事はなかった。下っていくと先の方の木に絡んでいるツタウルシか何かが紅葉していたが、近づくことはなく、左に曲がって下っていく。カラマツから落ちた堆積物があるので比較的歩きやすい。しばらく下ると右に折り返すが、そのあたりでカラマツ林は終わり、普通の樹林になる。上を見ると結構な高さがあり、なかなかの下りである。樹林の中に入るとトラバース気味の下りが続く。左手はかなりの急斜面で道も細くなり、少し慎重に進まないといけない。しかもそれが結構長い。サオウラ峠から直接下るよりも楽に下れるかと思っていたのだが、そうではないようだ。じぐざぐに急な斜面を下る。途中には造林作業で使うようなものがあるのかシートがかぶされている所があった。さらに右手へトラバースが続く。道も細く、結構厳しい。そんな道が長く続いて嫌になってくると左に進む。今度は右手が急斜面でまた道も細い。本当にきつい道である。下りもそれなりだが、どちらかというと神経をすり減らす道である。

 やっとそれが終わって少し良くなった所でザックを下して水を飲む。やはり下ってきたら暑くなってきた。そろそろ下部になってきたかなと思いながら下る。折れ曲がって左に進むと電線のあるところで右に降りるようになった。電線は近い。横は急斜面だからわざと電線を近くにして斜面から離れるようにさせているのかなどと考えながら下っていく。しばらく下るともう13時を過ぎているが登ってきた人に会って吃驚する。足の強い人なのだろうけど、この時間からどこまで行くのだろうか。まだまだ電線の近くの下りは続く。随分下って車の音などが聞こえるようになってきた。大きなキノコがいくつも道に生えていた。オオシロカラカサタケとかだろうか。そんなものを見ながらひたすら下る。厳しい下りでかかとに水ぶくれを作ったらしく、足裏も痛い。そろそろ終わってくれないかなと思いながら下っていくとようやく電線から離れて下る。しばらく下るとフェンスのある所に出た。下に橋などが見えたが、まだ高さがある。さらに右にしばらく下っていくと折り返した所で道標があり、上へ行く山道が分岐していた。

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 右にそのまま下ると小学校の柵のあるところに下りついた。小学校の敷地だけれど、通って良いらしい。閂を開けて中に入り、左へ下ると確かに小学校の横、そのまま先へ下ると坂道になり、もう丹波の集落や道路が下に見えた。

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 下れば道路に出る。温泉に向かうので左へ進む。温泉まで200mの表示があった。信号を渡り、少し道を登って進むと道の駅の入口である。そこから下れば道の駅、温泉はまだ下である。階段を下るが、足が痛い。橋を渡ってようやく温泉に着いた。入口にザック置き場があるのでザックを置いて中に入る。14時台のバスに間に合わせるのは無理だし、明日も休みなので16時前のバスでゆっくり帰ることにする。のんびり入浴して温まった。バスまでまだ30分くらいある。カメラを落としたのでなくなってしまった登山口の写真を撮りに行こうと丹波山村役場まで歩くことにする。道の駅でわさび漬けなどを買い込み、道路を歩く。しばらく歩いていくと丹波山村役場、少し先の登山口の写真を撮って、バス停に戻る。

2025101230

 椅子に座ってしばらく待っていたら、飛竜権現で会った学生グループと思われる人達が歩いていた。バスに乗るのかなと思ったら、先へ向かって歩いて行った。今日もどこかで泊まりなのかもしれない。しばらくすると一人降りて来たようだが、バスには乗らなかったので、時間になってきたバスに乗ったのは自分一人だった。小学校前や温泉で数人が乗り込んだが、その先は乗ってくる人がいない。昨日が天気悪かったので、この時間に下山する人は少ないのとおそらく西鴨沢から先は別な増発便が走っているのではないかと思われた。なので鴨沢でも人は乗らず、結局、あまり人は乗らなかった。奥多摩駅で下車し、駅に行くとホリデー快速に接続している。おかげで早く家に帰ることができた。

 

カメラが転落した飛竜山 三条の湯へ編

2025101101(三条の湯)

小屋のホームページに出ていましたが、歩いた時にはサオウラ峠から三条の湯への道の途中に桟道が壊れている所がありました。本文に記載した通り、通過は少し厳しいです。そのうちに修理してくれるかもしれないので、小屋のホームページで状況を確認した方が良いと思います。

【 山 名 】飛龍山、前飛竜、熊倉山、丹波天平
【 山 域 】奥秩父
【 日 時 】2025年10月11日(土)~12日(日)
【 天 候 】11日 霧雨
      12日 晴れのちくもり
【 ルート 】11日 丹波山村役場バス停9:30→登山口→11:40サオウラ峠→13:30三条の湯(テント泊)
      12日 三条の湯6:05→7:35カンバ谷→8:25北天ノタル8:30→9:00近道入口→9:10飛竜山→9:35飛竜権現9:40→10:15前飛竜→11:20熊倉山→12:00サオウラ峠12:05→12:45丹波天平→14:00丹波山小学校→14:10丹波山道の駅

☆サオウラ峠道で一眼レフカメラが転落...

 地図を見ているとそういえば三条の湯から雲取山には登ったことがあるが、飛龍山へ登ったことがないなと気が付いた。本当はまた東北の山に出かけたかったが、台風の影響かどうか雨予報、また今年もそのルートは見送りになりそうだ。そういうときは近場で楽しめるルートが良い。事前の予報ではくもりだったので三条の湯を予約したのだが、直前になると雨予報に変わっていた。もう今更なのでそのまま出かけることにした。

 丹波行きのバスはそんなに早い時間ではない。いつもより少しだけ早起きして先に奥多摩駅に着く電車で行く。やはり天気が悪く、山は霧、青梅から先は霧雨が降っていた。奥多摩駅に着いてバス停に行くともうそれなりに人が待っていたが、多くの人は雲取山らしく、2便増発された西鴨沢行きのバスに乗り込んでいった。この天気では霧雨の中登ることになるだろうと雨具を着ておく。丹波行きのバスは空いているかと思いきや、結局、増発便に乗らなかった人が多数乗って、かなりの乗車となった。もちろん途中で降りる人はほとんどなく、鴨沢で結構な人が下車、お祭りでもそれなりに下車して、丹波山へ向かう人は10人未満だろうか。もうほとんど山へ行く人はおらず、地元の人や温泉に行く人だったようだ。知らなかったがその先に進むと車内に丹波山村PRの音楽が流れるようになっていた。深い山間部を走るので、若干の癒しになるだろうか。終点の丹波山村役場まで乗ったのは自分一人だった。

 以前はもう少し先が丹波のバス停だったが、今はここ止まりとなっている。奥多摩駅よりは霧雨が弱いようで、わずかな降り方である。先に進むと車庫のような所にサオウラ峠登山口を示す道標が付けられていた。右へ農道と思われる舗装路を登っていく。霧雨が弱いので雨具の上は少し暑いので脱いだ。後ろをバスが通った時に小学校前あたりで見た人達が歩いている。車を丹波山温泉あたりに止めて登る人達だろうと思われた。何度か折れ曲がりながら登っていく。やはり農地を見ながら登っていくとやっと登山口と書かれた所に出た。扉を開けて先に進むと道は草が生えている。さすがに暑い夏場は歩く人が少ないようである。草を踏んで先へ進んでいくと再び扉がある。通り抜けて扉を閉めて先へ進む。少し先にもう一つ扉がある。それも開けて先へ進むともう普通に登山道という感じになる。うす暗い樹林の中をしばらく登る。まだそれほどはきつくはない。しばらく登って涸れ谷を見ると左へ進んでそのあたりから斜度が上がる。ちょっときついが、淡々と登る。しばらく登ると霧が濃くなった。雨具の上を着込む。このあたりは昔と道が付け替えられているのであろうと思った。しばらく登っていくと道標のある所に登り着く。そこには確か記憶だと上の沢と書かれたものを大ダワと貼りかえられていたように思ったが、カメラを無くしたので正しいかどうか分からない。だいぶ汗をかいたので雨具の上を脱いだ。左に山道と書かれた道を分けて、先に進む。

 わずかに進むと持っていたハンドタオルがないことに気づき、落としたかとわずかに戻ったが特に落ちているものはなく、ザックを下してみたら中にしっかりあった。安心して先へ登るがここからはさらに急登になる。やはり霧が深い。霧で木から雫がたくさん落ちてくる。ひたすらのじぐざくの急登をこなしていくが、さらに霧が濃くなる。やっぱり雨具を着込むかと登りの途中でザックを下した。

 雨蓋を開けて雨具を取り出そうとしたら、雨具の腕の所がカメラにかかっていて、カメラがゴロンとザックから落ちた。これは山側に落ちたのである。ああ、拾わなきゃと思った瞬間、カメラは止まらないでゴロゴロゴロと転がって、あろうことか急斜面の方へ。そこで止まれ!と念じてももちろん止まることなどなく、急斜面を転がり始めた。待て~とザックを置きっぱなしにして自分も急斜面を降り始めたが、カメラは重力加速度を加えてさらにゴロゴロとものすごいスピードで落ちていく。しばらく自分も急斜面を下ったが、これ以上下ると登り返せなくなると思った。カメラはそのまま落ちていき、途中で何かに当たったのか大きくジャンプしてその先はもう見えなくなった。

 この急斜面、谷までも落ちていくのであろう。こうなったら回収は不可能だ。たとえ回収できたとしてもあれだけ転がったらレンズは割れているだろうし、本体もどうなっているか分からない。中古で買ったカメラで修理も不可能な古い機種だけれど、まだ買ってから1年半も経っていなかった。サブカメラの位置づけだったが、まだまだ使い倒すつもりだった。なんとかザックの所まで登り返すが、それもまた厳しかった。やっとザックの所に戻る。ザックを背負うと悲しいかなわずかに軽くなった感じだった。

2025101102

 もうカメラの事で頭がいっぱいであるが、登るしかない。まだまだ急坂が続く。ひたすらじぐざぐで急坂を登るとやがて左へトラバース気味に登っていく道となる。道は細く、自分もカメラのように転落しないように気を付けながら登る。ひたすら先へ進んでいくと少し明るい所に出る。そのあたりは霧からの雨が少し弱まる。しかし、登りはそれなりに続く。しばらく登るとようやく広くなった所に出て、そこがサオウラ峠、きれいな石祠が置かれていた。以後、スマホで写真を撮ることにした。

☆三条の湯へ

 やはり霧が深い。三条の湯に向かう道に入る。緩やかな道がしばらくは続く。少し踏み跡が薄くなっている所もあるが、概ね問題はない。深い霧からの雫がたくさん落ちてきていて、ほとんど雨という感じである。

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 淡々と道を進んでいくが、やはり道がだいぶ細い所もあり、歩きにくい所もある。緑がまだきれいで紅葉には早いようである。

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 どんどん歩いていくと沢に向かうが、やはり道が悪くなる。御岳沢と思われるあたりは桟道は特に問題はなかったが、その先の登りがかなり悪い。慎重に登らなくてはいけなかった。ようやく先へ進むとまだしばらくは道が悪かったが、やがて普通の道になって歩きやすくなる。こういう道が続いて欲しいなと思いながら進んでいくと小さな尾根を乗り越して左に曲がって先へ行く。再び道が少し悪くなるが、それほどでもなく下っていく。

2025101105

 桟道が出てきて、さらに先へ行くと橋を渡る。これが権現谷だろう。桟道は問題ないが、少し高い。真ん中を進んで山道に取りつく。右にしばらく登っていくととうとう桟道が壊れた所に出た。小屋のホームページに出ていた場所である。

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 さて、どうやって通れば良いのか。崩れかけた砂地っぽい所を右下に下る。すると残っている桟道の下にお助けロープが付けられている。右下は谷でとても巻くことはできないようだ。巻いたとしても登山道は高い所を通っていて、とても登ることはできなさそうな急斜面である。ロープにすがりついてザレ気味の斜面を登る。右の岩に取りつければ、桟道を通らなくて済むが、この岩を越えるのは無理そうだ。ロープを伝って左に残っている桟道に乗る。残っている桟道は強度があるようでビクともしないので有り難い。高い桟道を少し進むと棚のような所に細い道が続いている。よくこんな道を作ったものだと思う。少し山を削って作ったのだろうかと思いながら進む。やはり右下は急斜面で巻いても通れないのがよく分かる。この道がなければとても通過できない所だろう。しばらくは歩きにくい道が続く。それでもなんとか先へ行くと大きな木が増えた。霧も少し晴れてきた。やっと小康状態になった感じである。緩やかに下っていくと下にテントが見えた。しかし、まだかなりの高度がある。その先へ行くとようやく三条の湯の建物が見えた。もう少し先に行くと森を抜けた。やっと三条の湯である。ここに来るのは20年以上ぶりである。

2025101107

 まずは先に進んでテントの受付をする。お湯に入りますかと聞かれたので、入りますと答える。テント代は1500円、お風呂が800円で計2300円だった。水場がトイレの横ということで水を入れておく。それからテント場に向かう。さきほど来た所から下へお祭りと書かれた道を下っていく。じぐざぐに下ると沢が流れている近くに降りて、左に渡る橋はお祭りへ向かう道、右へ下るとテント場だった。近くに沢が流れているが、やはり霧雨のせいか少し増水気味のようである。テントが2張ほどあった。あまり大きなテント場ではない。やはりここは予約制で正解なのだろう。とは言え、今日は来る人は少ないと思われた。

2025101108(テント場から小屋を見上げる。手前の小屋は水場)

 とりあえずテントを張ってから、昼食を取っていなかったのでカップラーメンを作る。きつい道を登ってきたのでお腹が空いていた。夕食まで時間はあまりないなと思いながらもしっかり完食してしまった。食べたら、もちろんお風呂である。霧雨は上がったようだ。ちょっと小屋までの登りがきついが、じぐざぐに登って小屋に着く。混んでいるかなと思ったが、入浴していたのは一人だけだった。入るとちょっとぬるめなお湯。お湯には湯の華が浮いていた。すぐに一人は出たので、しばしの間一人で入浴できた。後から人が来たので、あまり体が温まったとは言えなかったが、お風呂を出た。

 小屋前に登ろうとすると右に入れる所がある。小さなギャラリーになっていて、山の絵が展示されていた。なかなか味のある絵で良い感じだった。テントに戻る。今日は5張か6張くらいだったようである。後はいつものように酒を飲む。三条の湯の水割り、美味しく飲んだ。やはりこの時期は日が短い。天気が悪いからやはりうす暗くなるのも早いようだ。もう一度お湯に入りに行く。二人ほど入浴していた。今度はお湯がかなり熱い。がんがん沸かしてくれているようだ。あまりにも熱くて入れないので水で薄めたと先客の二人が話をしていた。明日は雲取山に登るそうだ。ここに泊まった人の多くは雲取山に向かうのだと思う。テントに戻るとすぐに暗くなる。また霧が降りてきて霧雨のようだ。木からパラパラと雨粒が落ちてくるが、本降りの雨とは違ってそれほどではなかった。真っ暗な中で入口を開けてお湯を沸かす。ガスはトラウマだが、気温もそれほど低くはなく、快調にお湯が沸いた。いつものようにカレーだが美味しく食べられた。6時なのに真っ暗、かと言ってすることもないので、シュラフに入る。さすがにそんなに長距離歩いた訳でもないのですぐには寝付けなかった。増水した沢がかなりうるさかったこともある。それでもうとうという感じでいつしか眠りに入っていた。

続く。

 

大平台温泉 姫之湯

神山などの帰りは大平台駅で途中下車して姫之湯へ。

2025100527

駅から歩いて5分くらいでしょうか。道を間違えて下ってしまいましたが、しっかりと分岐には小さいけど案内板がありました。

入浴料は650円だったかな。

お湯はナトリウム-塩化物泉ということです。43.5度のお湯と書かれていましたが、かなりの熱いお湯。慣れていないと入るのはかなり厳しい温度です。その上、お風呂の中はしっかり攪拌されているので余計熱く感じます。

でもお風呂を上がると塩化物泉らしく、すごい温まった感じ。汗たっぷりかきながら外へ出ました。温まった体はほかほか感が結構長く続きました。熱いお湯が苦手だと厳しいですが、お好きな方ならどうぞ。

 

久しぶりの駒ヶ岳、神山へ

2025100522(いまだに早雲山、大涌谷へは通行止)

【 山 名 】駒ヶ岳、神山
【 山 域 】箱根
【 日 時 】2025年10月5日(日)
【 天 候 】くもり
【 ルート 】湖尻バス停8:10→8:25防ヶ沢入口→8:40防ヶ沢登山口→9:45防ヶ沢分岐→10:10駒ヶ岳(箱根本宮神社)→10:20展望広場→10:35防ヶ沢分岐→11:10神山11:20→11:50防ヶ沢分岐→12:45防ヶ沢入口→13:00湖尻バス停

☆駒ヶ岳、神山へ

 神山はもう随分昔にロープウェイを使って大涌谷へ軽く歩いたことがあった。それから大涌谷の噴火もあり、行く機会がなかったが、ようやく神山までは歩けるようになったので久しぶりに行ってみることにした。もちろんロープウェイを使うなんてことは今回は考えず、防ヶ沢からの往復で歩いてみることにする。

2025100501

 小田原から二番バスに乗り、湖尻へ行く。今日はくもりの予報だったが、朝のうち天気がよく、青空が見えていて、もしかしたら予想より天気が良いのかななんて期待させる。ハイキングらしい人はほとんどいなかったが、一人だけ湖尻三差路で下車した軽装の人が帰りに渋滞するか運転手さんに聞いていた。やはり帰りはかなり渋滞するらしい。湖尻まで乗ったのは自分一人だった。降りるとやはりどんよりの天気。まあ、やっぱり天気予報通りのようである。下車して左にあるトイレに行くが、近くに宝篋印塔が置かれていて、その横の木は曲がりくねった幹の大木になっていて、印象的だった。

2025100502

 横の道を歩き出す。気温はそれほど高くはないものの、湿気がかなりある。夜に雨が降ったのか、路面はウエットな感じである。この道はセラピーロードになっている。しばらく進むと自転車などが走るのか、スピード注意などの表示があったりした。

2025100503

 右手には芦ノ湖がちらちらと見えるが、樹林が邪魔しているのであまりすっきりとは見えないようである。緩やかな登りが続いてその後は下りになって下っていくとちょっと泥が多い所を進んで防ヶ沢入口に着いた。

2025100504

 そこから左に入る。以前はあまり歩かれている道ではなかったようだが、駒ヶ岳などへ登る道としてこの道しか今はないので歩く人も増えたようでしっかりした道である。順路といった張り紙も付けられていて迷うこともない。少し登ると右手に進んで右下に沢があるようだが、ヤブで見えない。沢音だけが聞こえてきて、それを聞きながら登っていく。道が細い所もあり、ハコネザサがかぶりトンネルのようなうす暗い所もあった。さらに登って右にちらりと芦ノ湖が見えると道路に出た。

2025100505

 道路を右に少し進むと防ヶ沢登山口である。そこから再び登山道に入る。するとつるつるの樹皮の木がたくさんある。これはヒメシャラであろう。ちょっと今日は重苦しい陰鬱な感じだが、天気の良い日ならもう少しきれいに見ることができたであろう。

2025100506

 しばらくその中を登ると斜度が上がる。進むとうす暗い杉林の中に入り、淡々と登る。それを過ぎると再びヒメシャラとハコネザサを見ながらの登りになるが、やがてそれも終わって急登になる。木段があったりするが、結構きつい登りが続く。

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 左右にときどき曲がりながら高度を上げていく。ちょっと高度を上げたなと思う頃、トリカブトなどを見かけるようになる。

2025100508

 またカメバヒキオコシか小さなお花を付けたのが咲いていて、秋らしい雰囲気である。シロヨメナと思われるがキクもよく咲いているのを見かけた。

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 きつい登りが終わると少しだけ斜度が緩んだが、それでもそれなりの登りがひたすら続く。まだまだ先は長いらしい。もう下って来る人に何人か会った。地味な登りが続いて、ようやく道標のある所に登り着く。昔はここから姥子への道があったようだが、すっかりヤブに消えているようである。

2025100510

 右に折れて進むと緩やかな登り道に変わる。道は細いが特に問題はなく進んでいく。登っている人に追いついてパスさせてもらった。先に進んでいくと緩やかな下りになって進んでいくと右手が開けている所に出て右上に駒ヶ岳が見えたが、上の方には低い雲があってガスがかかり、天気がよろしくないようだ。

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 先へ進むとほどなく防ヶ沢分岐に着いた。ちょうど数人のグループが休憩している所であった。駒ヶ岳を後にするとロープウェイで降りたくなりそうなので、先に行くことにする。

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 右に巻くように登っていく。それからやはり木段のある少しきつい登りになる。やはり下って来る人にときどき会った。木段が整備されているが、ちょっと荒れた感じの所もあり、箱根らしい感じである。ガスの中に入るとうすら寒くなる。しばらく登っていくと分岐に着いた。

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 右に進みかけたが、やはり左に登ろうと戻って左に進む。すぐに樹林から出て笹原の登り、ガスの中で風もあって寒くなり、長袖シャツを着込んだ。

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 途中にはリンドウが咲いていて、シモツケソウの咲き残りまであったのは吃驚だった。

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 岩のあるところまで登ると道が怪しくなった。適当に踏み跡を進むと右手の踏み跡がそれらしいのでそこに行く。もうしばらく登ると先に岩がゴロゴロしている所に出るが、立ち入らないようにロープが張られている。左に行ってみるが、どうも道がなさそうだ。右の方から鈴の音が聞こえて歩く人がいそうである。右に行ってみると下からの道が続いているようだが、そこへ出る道がない。仕方なく、ロープをまたいで少しだけ進み、再びロープをまたいで道に出た。そこから少し登ると本宮のある山頂、右下の石段から多くの観光客が登ってきていて、お参りするのも待たされる感じだった。

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 お参りして石段をわずかに下ると右に遺跡とあり、小さな石祠と狛犬が置かれていた。

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 さらに石段を下ると広場のような所に出る。左に進んでいくと展望台に出る。天気が良ければ海なども見えるようだが、今日は雲がかかり、下のゴルフ場と温泉街を少し見たくらいであった。

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 左の道を登る。ガスが少し上がったようだ。

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 進んでいくとロープウェイ乗り場を見るが、その右下を通過して神山に向かう。少し進むと右に防ヶ沢分岐への道が分かれていた。樹林の中に入ってわずかでさきほどの分岐に出て、往路と同じ道を下っていく。防ヶ沢分岐まではそれほど遠くはなかった。

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 さて、神山に向かう。少し進むとロープが張られている所に出る。ここも早雲山方面へ道があった所だろう。もちろん通行止である。左に進むと登りになってかなり急である。木段、石ごろ、木の根など歩きにくい登りが続く。降りて来る人にときどき会う。淡々と登っていくが、掘れたりしている所も左に道が付け替えられていたりする。眺めがないのでどこまで登ったのか全く分からず、かなり長い道に思える。やがて石の多い道を登って、石段のような感じに揃えられた所も通り、さらに登っていくとやっと神山の山頂に着いた。

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 右奥ではアンテナを立ててアマチュア無線をやっている人がいた。反対側の大涌谷方面の道は通行止の表示がある。登ってきた道の先に進む踏み跡があり、行ってみたが、樹林であまり見えず、雲も低いので眺めを楽しむことはできなかった。戻って近くの木が横になっている所に座り込んで昼食にした。女性が二人ほど登ってきたが、いずれもすぐに下っていった。

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 さて、自分も下ることにしよう。山頂から下り始めると登って来る人にときおり会う。下りはやはり早く、思ったよりは早く防ヶ沢分岐に戻った。そのまま右へ下っていく。少し進んだ左が開けている所からはさすがにもうガスが上がった駒ヶ岳が見えた。

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 しばらく緩やかに下って、再び道標の所から大きく下っていく。やっぱりそれなりに登りはきつかったなと思いながら下っていくと先を歩いている人達をパスする。行きにもパスした人達である。神山では会わなかったから、駒ヶ岳を往復したのであろう。さらに下っていく。まだ登って来る人に時折会う。やっぱりきつい登りだった所は下りもきつかった。再びヒメシャラを見て、暗い杉林を通り、さらに下っていくと防ヶ沢入口、道路を横断してまた道に入って下っていく。そろそろ終わりと思う頃、まだ登ってくるグループに会う。駒ヶ岳へ登ってロープウェイで下るのだろう。もうしばらく下ると防ヶ沢入口に着いた。

2025100525

 湖尻へ向かう。自転車が二台ほど通って行った。のんびり歩いているとやはり先を下っている人がいた。湖尻に出るとちょうどバスが発車していくのが見えた。バス停へ行って時間を確かめてから少し芦ノ湖の眺めを楽しんだ。

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☆大涌谷渋滞にはまる

 バス停に戻ってバスを待つが、箱根園行きのバスは数台来たが、小田原駅行きのバスはなかなか来ない。30分以上待ってようやくバスがやってきたので乗り込んだが、女の子のグループが大涌谷へ行きたいというと1時間かかると話をしている。渋滞しているようである。どうなることやらと思いながら自分はそのまま乗っていた。バスは普通に走ったが、やはり大涌谷近くなると渋滞にはまって止まってしまう。なかなか動かない渋滞である。運転手さんが案内で、次の国有林前で下車すれば、料金はかかるが前のバスに乗れますと案内する。大涌谷付近だけが渋滞している雰囲気である。止まってわずかに走り、また止まってを繰り返し、やっと近くまで来てそのバスを下車し、少し左に進んだバス停に行く。しばらく待つと前のバスがやってきた。結構人が乗っていて立って乗ることになった。その先は問題なくバスは走る。ただ、この先も渋滞していないとは限らない。料金はかかるが久しぶりに早雲山からケーブルカーに乗りたいと思い、早雲山前で下車して早雲山からケーブルカーに乗ることにした。

 ケーブルカーもだいぶ人が多かったが乗れないほどではなく、強羅で箱根登山鉄道に乗り換える。大平台駅で途中下車して姫乃湯に行く。駅を出て、すぐの道を下へ降りたら、違う道だった。戻って隣の道に入る。よく見たらしっかりと姫乃湯を示す案内板があった。しばらく歩くと姫乃湯に着く。入浴する。かなり熱いお湯だったので長湯はできなかったがさっぱりした。大汗かいて駅に行く。少し待つと列車がやってきて乗り込んだ。箱根湯本駅で乗り換えて小田原駅で途中下車。遅くなったのでしらす丼で一杯やって帰宅した。

大涌谷付近が渋滞、混雑するため、休日の帰りに大涌谷を経由するバス、ロープウェイには乗らない方が賢明なようです。

 

さくらんぼ東根温泉 オオタ湯

甑岳の帰りは1時間ほど歩いてさくらんぼ東根温泉オオタ湯へ。

2025092834

入浴料は忘れたけど、低料金です。ネットで調べると450円だったようです。

温泉はナトリウム-塩化物・硫酸塩泉のようです。お湯にわずかに色味があり、黄緑な感じ。これはかなり珍しい温泉です。

源泉はかなり熱いお湯のようで60度以上のお湯を冷まして44度くらいにして入れているみたいですが、それでもかなり熱いお湯です。あまり長湯はできないのですが、しっかりと温まりました。なので出てからも汗をたっぷりかかされましたが、すっきり感がありました。

東根駅の方が近いと思いますが、村山駅まで歩いたら約30分かかりました。

車がないとなかなか行けないけど、また機会があれば行きたい温泉ですね。

 

カモシカに通せんぼされる甑岳

2025092825(甑岳の山頂広場)

岩神コースはヤブ尾根になっているので、難路です。

【 山 名 】甑岳
【 山 域 】山形の山
【 日 時 】2025年9月28日(日)
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】村山駅7:25→7:55岩神コース入口→8:40岩神山→9:10追立山→9:30ハチカ沢コース分岐→10:05幕井コース分岐→10:45山頂広場→10:55三角点→11:05山頂広場11:10→11:30幕井コース分岐→11:55馬立沼→12:15幕井登山口→12:30岩神コース入口→13:35オオタ湯(入浴)→村山駅

☆岩神コースでカモシカに通せんぼされる

 自分はどちらかというと土曜日に大きな山を登って日曜日は軽い山を登って帰る方が好きだが、今回は逆パターンである。かなり長い登りになると思われたのでやはり早朝出発にする。さすがに五時台の始発電車に乗るのは厳しいので、7時の新幹線に乗ることにする。今朝は濃霧注意報が出ていたが、山形駅ではきれいな青空だった。しかし、新幹線が走り始めるとかなりの濃霧になって暗い感じの所を通過する。こりゃまずいか。さすがに昼になれば霧は上がるとは思ったが、もしかするとずっと霧の中を歩いたりすることになったりするのだろうか。心配して乗っていると少し霧が上がりつつあり、青空も見え始めたので少し安心する。しかし、甑岳と思われる方面の山には低い雲がかかっていて山はまったく見えない。果たしてどうなることだろうか。さすがにこんな早朝に村山駅で下車する人はわずかである。駅を出るとタクシーが待機していて、乗ろうかとちょっとだけ思ったものの、やはりウォーミングアップを兼ねて幕井貯水池まで歩くことにする。

2025092801

 車の通りが若干あるが、そんなに車は多くない。比較的静かな通りを先へと歩いていく。途中の大きな道をいくつか横切るともうあまり車が走ることもない。そのまま先へ緩やかに登っていく。やがて左にカーブしてさらに進んでいくと右に甑岳登山道入口と地図の書かれている看板があった。

2025092802

 そこを右に曲がって先へ進んでいく。先の山には雲がかかり、下しか見えない。やっぱり今日はダメかなと思いながら進んでいく。それでもわずかに日差しがあるようだ。大きな道を渡り、先へ進むと近くの畑の人が車を置いて何やら話をしていた。それを見ながら先へ進む。やがて直進は林道の道になるが、そちらに入る。すぐに右に石標があり、おそらくその先あたりを右に行けば古い橋があるはずなのだが、見えなかった。危ないので今は渡って岩神コースには入れないらしい。そのまま少し進むと駐車場があり、二台ほど駐車されていた。右手に岩神コース入口の表示があるが、のっけから草がかぶっている。

2025092803

 さて、どうなることかと思いながら岩神コースに入る。といきなり足を取られて転ぶ。草で見えない穴があったようだ。最初からこれだよと思いながらそこからは足元を慎重に探りながら進む。危ない感じだったが、少し進むとまともな踏み跡になっている。しかし、草は多めである。沢沿いにしばらく進むが、やはり道はかなり怪しい。進むと左から尾根が降りてきている感じの所に出て、ふと見ると右にもうすっかり苔むした小さな橋があるのが見えた。奥がヤブになっていて、橋を渡ってももう進めない状態になっているようだった。

2025092804

 そこからは踏み跡が少し分かりやすくなったのでホッとする。

2025092805

 少し進んで登ると左に進むが、平な感じの所になる。奥にテープが見え、そこに進むと下はわずかに水が流れる感じの場所である。そのあたりで踏み跡がかなり分からなくなる。あたりを見回すと右手にテープが見えたが、一見、踏み跡などありそうもない感じに見える。泥と草でよく分からないところをそちらに向かって進むとなんとか踏み跡の続きが見つかる。このあたりはかなり厳しい。その先へ行くと普通に踏み跡が続いているように見えて問題なく進んでいく。やっぱり分かりにくい道である。緩やかな道を進んでいく。しばらくは踏み跡が分かりやすかったが、やがて灌木が邪魔する道となる。漕ぐほどではないものの、下にある道を外さないように進んでいく。少し進むとまた踏み跡が分かりやすくなり、緩やかに登っていった。

 しばらく進んでいくと先に何かいる、と思ってよく見るとカモシカである。こちらとまともに目があった。自分は何度かカモシカに会ったことがあるが、今までは近づくと大抵ゆっくりと逃げてくれた。今回もそうなると期待していたが、近づいてもどいてくれない。お願いだからどいてよ~、と声を出したり、手を振ったりしてみるが、何やってんだよ、みたいな顔で動じない。横にある草を食べたりしている。さすがにどいてくれない所を無理に近づいて蹴とばされたり、ツノで突進されたりしたら大けが、間違えれば死ぬかもしれない。こりゃ撤退か?どうするか思案する。そうだ、動いてくれないのであれば、巻けばいいじゃないか、とひらめいた。熊だったら逃げるしかないが、さすがにカモシカならば危害を加えなければ襲ってくることはないだろうと思う。上を見てみるが、木の多い急斜面でとても登るのは無理である。下はと見ると斜面になっていて、ちょっと厳しいが、なんとか進めなくはなさそうだ。もうこれしかないと斜面を右斜めに少し降りる。木を掴んで左に進む。ふと見上げたら、さきほどのカモシカがこちらを覗いていて、また目があった。襲ってこないでくれよと思いながらそのまま先へ進む。気配はなかったが、数歩進んだ所で左上を見るともうカモシカの姿は音もなく消えていた。これなら大丈夫だろうと右上に這い上がろうとするが、やはり木が多く、斜面もきついので厳しかった。なんとか登山道に這い上がるともうカモシカの姿は全く見えなかった。

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 先へ進むが、念のためにたまに数回後ろを振り返る。しかし、カモシカの姿が見えることはなかった。良かったこれで大丈夫だろう。安心して道を進む。樹林の中を進んでいくと右下に林道が見えた。道標があり、来た方に幕井貯水池、先に岩神コース(難路)と記載されていた。おそらくそこで林道に降りれば小松沢観音の方に行くのだろうが、とてもそんな余裕はない。のっけからまた枝藪のかかる道というより踏み跡を登る。進むと左右に曲がりながら登っていく踏み跡になる。ふと右下を見ると観音のものかどうか屋根のある小屋のようなものが見えた。曲がりながら登っていく。しばらくきつい登りをこなすと岩神三所権現跡という道標が立っていた。

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 右にわずかなスペースがあるだけで岩場があるくらいだった。そこからはさらに踏み跡が細く、怪しくなったが、なんとか続いている。岩場にロープが垂れていて、それを登ったりする。かなり斜度があり、息も上がる。その上、日差しが照り付けてちょっと暑くなる。さきほどまでの雲は上がったような気配である。天気は良くなりそうだが、今日もそれなりに暑くなるのだろうか。やはり何度も曲がりながら踏み跡を外さないように登っていく。そんな登りがしばらく続き、ようやく一段落した所に木に板が付けられている。読めなくなっていたが、先にももう一枚あり、そちらは幕井貯水池などを示しているものだった。上から降りてくると少し曲がっているので間違わないように付けられたものだろう。

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 少し斜度が緩んだ登りになるが、まだまだ登らされる。その上、蜘蛛の巣攻撃が始まる。山にいる小さいやつなので顔とか手に当たらない限りはそれほど影響はないが、結構多かった。こんな所を登るやつは滅多にいないだろうから、まあ、これも当然なのだろう。枝藪も多く、ルートファインディングまでは必要ないものの、道を外さないように気を付ける。大きな倒木もあり、乗り越えるのにちょっと力を入れる必要のある所もあった。そんな踏み跡を登っていくとようやく岩神山に登り着いた。古い山名柱が立っている。ヤブ山である。

 先に進む。やはり先もまたヤブっぽい道が続く。かなり枝藪が濃い所もあるが、なんとか踏み跡は続いている。それを辿ってひたすら進んでいく。だいぶ進んで登ると「貉頭」と書かれた標柱を見る。

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 近くには岩が少しあるくらいで、なぜこのような名称が付けられたのかよく分からない。左手に進むが、まさに踏み跡の感じになり、道を追うのに必至になる。倒木もあって邪魔されたりするし、ヤブも多い中を左に右にと踏み跡は曲がっているので注意しながら進む。なかなか骨の折れる道である。気温も上がってきたようで少し暑い。そろそろ追立山だと思うが、また少しヤブが濃かった。なんとか進んでいくと急にヤブから出て追立山に着く。山名板はもうほとんど読めない感じになっていた。下には三角点がある。三等三角点のようである。

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 水を飲んで先へ進む。わずかな間ヤブが少なく、このあたりはヤブが少ないのかなと思って進んでいくと緩やかに下る。するとまたヤブが出てきた。急に左手が開けた所に出る。

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 立ち止まって見ると先に見えているのが甑岳だろうか。右から回り込んで登るのだろうけど、随分遠いなという感じである。そこから尾根が分かれているように見えたので地図で確認すると右に進むのが正解だろう。右に進むがやはりヤブっぽい道が続く。さきほどよりも枝藪が濃くなる。足元も見えない所があり、少し慎重に進まないといけない所もあった。進んでいくと急に下りになるが、枝藪が下を隠しているので吃驚した。枝藪を払いのけるとロープが付いている急降下になっていた。ロープを掴んで降りる。その先もまたヤブである。しばらく進んでいくとやはりヤブ道が続く。薄い所もあるが、このあたりはそれなりにある。直進することが多いので、あまりルートを探す必要はないが、心配になってくる。やがてかなりの濃さのヤブの道になる。これはさすがに閉口する。早く抜けてくれと思いながら下の踏み跡を外さないよう、ヤブの中をかき分けながら進むとようやくそこを通過できた。

2025092812(通ったヤブ道を振り返った所。)

 振り返るとパッと見はとても道があるように見えない。先は樹林の中であまりヤブがなかったので一安心。しばらく登ると道標の立っているヤブのない場所に出た。

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 そこがハチカ沢コース分岐、右下に向かってよい道が続いているのが見えた。こちらは普通に歩かれている道のようだ。難所を抜けてホッとする。そこからは普通の登山道という感じになってヤブもなく、安心して歩ける道となった。比較的緩やかなアップダウンだが、長い道である。やがて八ノ坂という標柱の所から急登が始まる。ロープの付いた急登をこなすと終わったかと思ったが、少し先に再びロープの付いた急な登りとなった。やはりそれなりに登らされるなと思いながら登っていく。さらにまた先へ進んでいくと今度は「苦楽の坂」と書かれた標柱を見る。青い感じのパイプみたいなものが埋め込まれた階段になっていて急登である。それをこなして登ると右側が開けている展望の良い場所に出る。

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 見晴し台という標柱が立っているところからは、なんとなく見覚えのある船形連峰などの山が見えた。右後ろも眺めが広がっていて、遠くの街並みなども見ることができた。

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 先に進んで登るとそんなに遠くはなく、分岐の手前に出て、先に標柱が見え、そこに降りると分岐だった。

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 さて、まだここから山頂までは一時間くらいかかるので、まだまだ登らされるはずである。先へ進み、やはり登りになる。随分天気が良くなり、青空が気持ち良い。しかし、日差しが照り付けるところが多そうな道なので、持ってきた長袖のクールシャツに着替えた。風があまりないのでそんなに気持ちがよい訳ではないが、多少は違うはずである。先に進むとやはり少し日が差すところが多かった。まあ、この時期なので日差しは夏ほどは強くないのが多少マシではあるが、それでも、それなりには暑い。しばらく進むと足元に小さなママコナが咲いていた。

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 さらに進むと翁松という標柱がある。後ろにある木が松なのかと思ったが、松には思えなかった。山頂まで900mらしい。

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 しばらく進むと先にようやく甑山の山頂部と思われる山が見えてくる。まだそれなりに高いが、随分近くなってきた。一人降りてくる人に会った。先へ行くと徳内坂という標柱がある。

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 そこからもそれなりの登り、きついというほどではないものの、しっかりと登りである。このあたりまで登ってくるとやはり昨日の瀧山と同様にわずかに葉が色づいていた。

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さらに登ると左側が開けてきれいに見えるところがある。歩いてきた村山駅からの市街地がよく見えた。

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 先に進み、しばらく登っていくと広い場所に着いた。そこが山頂広場のようだ。女性二人が眺めを楽しんでいた。自分は水だけ飲んで三角点へ向かう。後でここで昼食にすることにしよう。

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 細い道はもうきつい登りはなく、緩やかに進んでいく。先にこんもりした所が見える。あそこに三角点があるのだろう。少し先でまた一人戻ってきた人に会った。先へしばらく進むと左に道が分かれている。こちらからも下山できるようだが、駅が遠いようだ。もう少し先へ緩やかに登って進んでいく。左手に進んでから右に曲がると三角点があった。

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 周りは木などに囲まれていて眺めはない。写真を撮って戻ることにする。

 往路をしばらく戻る。特に来る人もない。淡々と戻って山頂広場に出るとさきほど三角点に向かう時に会った人が休んでいるだけだった。自分も石に座り込んで昼食にする。コンビニで買ったパンだが、これは美味しいもので満足だった。さて、再び来ることもないであろう。ゆっくりとあたりの眺めを楽しんでから下山にかかることにする。まだ11時過ぎ、だいぶ余裕のある時間である。下山した後は山形駅の近くの以前に立ち寄った温泉に行こうかと思っていたが、この時間なら駅からかなり遠い温泉に歩いて立ち寄ってみようと思う。

☆下山

 山頂から下りに入るとやはりそれなりに登ってきたのだなと思う。しかし、体も軽くなった感じ、どんどん下っていく。先の方から鈴の音が聞こえて、さきほど山頂広場で休んでいた人が先に下り始めたので、その人だろうと思う。下っていくと追いついたのでパスさせてもらって先へ下る。徳内坂の表示を見て先へ行き、どんどん下っていく。さきほど行きに山頂部が見えた所に辿りつき、振り返る。最後の山頂部の眺めを楽しみ、再び下り始めた。下っていくと樹林の中に入った所で、こんな所下ったかなとちょっと不安になったが、自分の記憶から抜けていただけで先に進んだら見た覚えのある所を通ったので問題なかった。さらに進むと分岐に出た。

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 水を飲んで右の道を下りに入る。緩やかに下って行く感じ、思ったよりも歩きやすい。やはりこちらを往復する方が一般的だなと思う。しばらく下るとサラシナショウマがよく咲いていた。その先はちょっとうす暗い樹林に入る。しばらく進んで右へ行き、左に行くと栗平へようこそという表示を見る。先に進むと再び下りになるが、杉林の中をどんどんと下っていく。比較的緩やかな下りである。途中で一人登ってきた人に会った。タマゴダケと思われる真っ赤なキノコが生えていた。

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 さらに下っていくと少し急な所もある下りとなる。プラスチック階段も埋め込まれている。どんどん下ると標柱のある所に下りついた。見ると馬立沼と書かれている。近そうなので行ってみることにする。踏み跡のような細い道を数分登ると樹林の合間から少し沼が見えた。わざわざ近くまで行く気にはならなかったので、戻ることにする。

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 再び道を下っていく。少し下ったあたりに踏み跡が分かれている所があった。どちらに行けば良いのか少し迷う。しかし、右は下に棒のようなものがあり、左の方がよさそうだ。左の踏み跡を選択して下るとそのまま道は続いていて、問題なかったようだ。途中でまだ登って来る女性二人に会う。この時間からだと山頂は14時近くなりそうだが、車で登山口まで来ているのだろうし、この天気なら大丈夫であろう。急な下りがしばらく続いたが、やがて沢音が聞こえてきて、沢が流れている所に出る。苔蒸したベンチも置かれていた。ザックを置いて顔を洗うと冷たい水だった。水は登山道が橋になっているのか、下を流れている形になっていた。

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 その先へ下っていくが、何度か水の流れを横断する。水が豊富な谷のようである。途中には右手にパイプから水が出ている所があった。手で掬って飲むと天然の水だった。だいぶ下ってきたなという感じになってきたが、それなりにまだ下りは続く。やがて再び沢音が聞こえて左に谷が出てくると橋が下に見えた。近づくと木橋だが、それなりにはしっかりしていそうである。それを渡れば、もう林道だった。ここが幕井登山口であろう。

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 林道を下っていく。しばらく下ると一台車が止まっていた。林道歩きはやはり長く感じる。単調で面白くもない。ひたすら林道を歩いていくと行きに車の止まっていた駐車場に着くが、もう車は二台ともいなくなっていた。左の岩神コースの入口を見るとよく歩いたなという気になった。

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 さて、先へ進み、樹林から出る。先の方に大きな山が見える。葉山らしい。たぶんバスでは行けない山でタクシー利用になるが、駅からかなり遠い山である。行くようなことが果たしてあるだろうか。

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 スマホで温泉の場所を確認すると車なら10数分である。しかし、歩くと相当な距離がありそうだ。まあ、まだお昼過ぎ、なんとかなるだろうとまずは村山駅に向かって往路を歩く。やはりかんかん照りなので長袖で良かった。わずかに風があると秋の気配だけはあるが。延々と往路を戻り、村山駅近くの大きな道で左に曲がって進む。少し歩いた所から左を見ると甑岳が大きかった。さきほどまであの山頂にいたのだなと思うと感慨深かった。

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 歩道を歩いていくが、やはり遠い。しばらく歩いた所から右に曲がり、次の道を左に折れて歩いていく。市民バスのバス停が途中にあった。平日であればバスがあるようだが、土日はもちろん運休である。普通なら駅からタクシーに乗るのだろうなと思いながらもひたすら歩く。やがて東根市に入る。こちらは山形付近のバス会社のバス停があるが、これも平日のみである。病院などへ行く高齢者が乗るだけだろうから、仕方ないことだ。随分歩くと左に病院を見る。近くのバス停からは仙台行きのバスが出ているようだった。さらに先へ行く。やっと目当ての東根温泉のオオタ湯があった。

 入浴する。熱いお湯でさっぱりした。しかし、ここから駅までがまた遠い。おそらく東根駅の方が近いと思われるが、新幹線は止まらないので本数が少なくなる。やはり村山駅に戻る方が良さそうである。ということで、歩き出す。やはり随分遠いが、さきほど歩いた道なので行きほどには感じなかった。それでもやっとのことで駅近くの交差点を曲がり、駅に着く。もう雲が出ていたようであった。駅に入ると残念ながらちょうど普通列車が行ったところ。これならば東根駅に出た方が良かったかな。次の新幹線までは1時間待ちとなった。山形駅に出る。物欲が出て、お土産などをたくさん買い込んでしまった。寿司とお酒を買って車内で打ち上げ。やはり10月直前のせいか、隣に人が来ることはなく、ゆったりできた。

 

蔵王温泉 上湯共同浴場

ということで瀧山の帰りは蔵王温泉で入浴。

2025092724

入浴料は300円。外にある料金入れに投入して入ります。以前は200円だったようですが最近値上げしたようです。中に張り紙があり、このままでは建て替え費用も捻出できないのでと言った記載がありました。このご時世なので仕方ないですし、それでも十分に低料金ですよね。

こちらは酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉という長い名称のお湯。外に掲示されていた温度は9/20で上湯42度、河原湯43度、下湯44.5度だそう。ということでこの上湯が比較的ぬるめなはず。

硫黄分が混ざるからごくわずかに白味がかった感じ。青みもあるのかな。ぬるめといいつつも入るとしっかりピリピリ感があります。なのであまり長湯はできない感じ。それでも何度か出たり入ったりして体の中から温まりました。

いいお湯でした。

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ぶらぶらとバスターミナルに向かって下っていると下湯がありました。もちろん見ただけ。

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横には温泉がしっかり流されていて、横には足湯もありました。

また来たいですね。

 

瀧山へ

2025092727(山頂からの大きな蔵王山と蔵王温泉方面)

【 山 名 】瀧山
【 山 域 】蔵王の山
【 日 時 】2025年9月27日(土)
【 天 候 】晴れときどき曇り
【 ルート 】土坂地蔵尊前バス停11:20→11:50瀧山登山口→12:10うがい場→13:20瀧山13:30→13:50コエド越え→14:30蔵王温泉

☆瀧山へ

 山形の山に行くことにする。今回は瀧山へ登ってみたい。調べると比較的簡単に登れるのは蔵王温泉からだが、周回コースはちょっと短すぎる気がした。それにせっかく蔵王温泉に近い所へ行くので、久しぶりに蔵王温泉でも入浴したい。なのでできれば姥神コースを登ってみたいと思ったが、土坂地蔵尊前バス停を通るバスは午前中の便は少なく時間が遅い。歩き出しが11時半前になるので、山に行くにはちょっと遅すぎる気もしたが、多少遅くなっても蔵王温泉からのバスは遅い時間まである。天気さえ良ければなんとかなるだろうかと行ってみることにした。

2025092701

 朝一番の山形へ行く新幹線に乗ったので、かなり早く山形駅に着いた。天気は晴れていて良いようだ。これなら少し遅い時間でも問題ないだろうと安心する。喫茶店に行ってしばらく時間を潰し、バス時間近くなってバス停に行く。ようやく野草園行きのバスがやってきたが、乗ったのは数人、もちろん山に行くような人など皆無だった。途中で降りていく人も多く、最後は自分以外は二、三人くらいしか乗っていなかったようである。途中でだいぶ雲がかかり、黒い雲もかかっている所を通過する。もしかして雨に降られるのだろうか。バスはこんな所をバスが通るのかと思うような細い道をひたすら登っていく。随分登った所でようやく少し広い道に出る。そこからもまだまだバスは登っていく。すでに遠くに山形市街が見えるくらいの高さだった。再び晴れの世界に戻ったようで、明るい青空でちょっとほっとする。さらにしばらく乗った土坂地蔵尊前バス停で降りるのももちろん自分一人だった。

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 バス停から少し戻るように歩き、右の道に入る。先にはお蕎麦屋さんがあるようで看板が出ていた。すぐに道が分かれ、右の細い道を登る。左に小さなお堂を見る。児童公園にもなっているようで遊具などが置かれていた。先に進むとさきほどの道に出て、右に登っていく。車が時折通るが、数は少ないようだ。曲がりながら登っていくとお蕎麦屋さんがある。さらに進むと再び別なお蕎麦屋さんがある。やっているのかどうかは分からなかったし、下山時ならば立ち寄れるのだろうが、この時間では立ち寄る余裕はない。素通りして先へ登っていく。コーヒーの看板もあって、そこは小さな喫茶店のようだ。さらに進んでいくと山に入る感じになり、民家などもなくなった。しばらく進むと左に広い場所が見える。先に見える山が瀧山だろうか。もう少し進むと瀧山登山口だった。左に道が分かれているが、こちらに降りてくることもないし、右にうがい場という水場があるので、そちら経由の簡単な道を取ることにする。

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 右に進むと扉が開いていて、その先が駐車場になっている。車を止められるのは5時までで門が閉まると書かれていた。今日は止まっている車はなかった。道を進んでいく。しばらく進むとあたりは広い土地になっていて、牛が草を食べていた。西蔵王放牧場と地図に書かれていた。そんな牧歌的な雰囲気の中を左に進んで登っていく。

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 やがて特に道標はないが、木に「登山者の皆様へ」と書かれた注意書きが付けられていて、左奥に道標が見える。そこが登山口のようだ。左に進むとすぐにうがい場がある。

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 わずかに水が流れていたものの、顔を洗うほどにも流れていないようだ。普段からあまり水量は多くないのかもしれない。右に大滝コースの入口があるが通行止でロープが付けられていた。持ってきた水を飲んで登り始める。放牧場を左に見て樹林の中を登る。

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 しばらく登ると右に曲がり、さらにしばらく登っていく。鈴の音が聞こえて、登ると一人分岐で立ち止まっていた。

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 挨拶を交わして先に登る。そのあたりから斜度が上がって、少しきつくなる。土がむき出しの所が多く、今日は大丈夫だったが、雨の後などは登りにくそうだ。樹林の中を淡々と登っていく。

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 先日の武甲山行のおかげかどうか、登りの体力がついたようでぐんぐんと登っていける。体調もよく、今日はいい感じである。緑の樹林の中をひたすら登っていくとやっと少し前が開けたが、先が随分高い。

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 やっぱり登りがきつそうだなと思う。しばらく進むと岩っぽい登りになって、鉄杭の打ちこまれた岩場の登りなどが出てくる。杭を掴んで登れば難しくはないが、なかなかである。降りて来た人に二人ほど会ったが、先は誰もいませんよということだった。この時間ならそうだろうと思う。その先もロープの付いた急登などが続く。足元が少し悪い所も多かったが、登る分にはロープを掴んで登れば問題なく登っていけた。

2025092710

 後でガイドをみるとおそらくロープ場が終わったあたりに姥神地蔵があるはずだったが、見落としたようで残念である。それだけ登りに集中していたのかもしれない。まだまだ急登は続くが、さすがに高度を上げたせいかわずかに涼しくなってきた。少し雲が増えてちょいとうす暗くなる。それでも雨が来るほどではなさそうである。右手に進んでさらに登る。すると道標の付いている所に出た。大滝コースとの分岐である。

2025092711

 時計を見るとまだ13時である。これには吃驚した。ここから山頂までは30分くらいで登れるはず、予定では山頂に2時半頃のはずだったが、かなり余裕ができそうだ。再び登り始めるが、まだそれなりに斜度のある登りである。しかし、さすがにもう随分高い所を歩いている感じになってきた。風が吹いてくるとちょっと寒い。半袖シャツで登っていたが、途中で冷えたので長袖シャツを着込んだ。登っていくとやがて左が開けた。すると山形市街や平野を一望できる。

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 上には雲がいるが、下は天気が良いようだ。そろそろ山頂が近い。途中にはウメバチソウが咲いていた。雲が動いて再び日差しが出ると暑くなる。それでももう少し登っていくと人の声が聞こえて、山頂と思われる道標の所に着いた。

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 お二人が休まれていた。どちらからですかと聞かれたので、土坂とかの方からですというと姥神コースですねということだった。すぐに下っていったようである。自分は座り込んで遅い昼食にした。近くにはリンドウが咲いていた。

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 雲が来ると風吹いて寒くなるが、雲が動いて晴れると風がない。晴れて風があると良いのだが、なかなかうまくはいかないようである。

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 山頂のお堂は瀧山神社のようである。良い山に登れたことを感謝してお祈りした。

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 二等三角点に挨拶してコエド越に向かう。右に蔵王山が一望できる。やはり大きな山である。右下に見えるのが蔵王温泉などであろう。わずかに先に斎藤茂吉の歌碑がある。木造でだいぶ傷んでいるが、まだ文字は読める状態だった。

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 先へ行く。ごくわずかだが葉が色づいているように感じる。さすがにこの暑かった一年だが、やっと秋が近づいているのであろう。

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 少し急な所もあるが下っていく。やがて登り返しになる。しばらく登り返すと小ピークらしい所で、そのまま先に道が続いているが、これは前滝コースである。木製の道標には特に書かれていなかったが、右に裏返しになっている新しい道標があり、回り込むと下山禁止と書かれていた。

 コエド越に向かって下りになるが、少し枯れ草が多い道になっている。もっと歩かれているかと思ったが、思ったよりも歩く人は少ないようだ。やはり車で来て、姥神コースを往復する人の方が多いのかもしれない。樹林などがないので、日差しがあると照らされそうな道である。暑いから夏場は敬遠されてあまり歩かないということもあるのかもしれない。何度も曲がりながら下っていく。

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 途中にはウメバチソウが固まって咲いていた。しばらく下っていくと左に道が分かれている。壊れたのか、下に置かれた道標に宝沢と書かれていた。わずかに先に行くとそこにコエド越えの道標があり、右に蔵王温泉への道があるのでそちらに入る。

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 やはりこちらもそんなには歩く人が多くはないようだ。それでも道は続いていて特に問題はない。道を追って曲がりながら下っていくとやがて少し道が悪くなっていて段差が大きく、降りるのに一苦労の所があった。すぐ下が沢になっている。沢の中を下るようだ。水の量は多くなかったが、少し下ると水量が増える。

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 足を置く場所に注意して下ると右にテープが付いていて道の続きがあった。普通の時なら迷う所ではないが、雪などがある時は見落とす可能性がなくはないなと思う。右の道はへつる感じの道でしばらくの間少し歩きにくかった。それでも先へ行くと普通の下り道になって安心する。しばらく下っていくと林相が変わる。倒木があったりするがたいしたことはなく、緩やかに下っていく。

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 やがて水音が聞こえてきて堰堤が見えてくる。どんどん降りていくと先にもうホテルのような建物が見えて、明るい所に出た。堰堤を見ながら右手を進むと、やがて階段になり、それを降りていくとあっけなく、道に出た。少し歩くとそこはゲレンデのようだ。

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 道をもう少し進んでから左に下る。さきほど山頂にいたお二人と思われる人が下の駐車場にいるのが見えた。ヤブの手前で左に折れて石ころの多いゲレンデの中の道を下ると駐車場の近くに降り立つ。右に進んで駐車場を見ながら下る。そのまま降りていくと上の台に着く。宿などがならぶが営業しているお店は夏場のせいか少ないようだ。先に進んで温泉街に向かう。適当に道を下っていくと上湯共同浴場に着いた。自分はぬるめの方が好きなので、ここで入浴する。久しぶりの蔵王温泉のお湯で満喫して下っていく。特に時間は気にしていなかったが、蔵王温泉バスターミナルに着くと5分で3時台のバスが発車する時間。ゆっくり入浴もして予定外に早い時間のバスに乗れたので有り難かった。この日は山形駅でホテルに泊まる。早めに降りられたので、夕方から一杯やって山形蕎麦を食べて一日を終えた。

 

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  • 小林 泰彦: ヤマケイ文庫 続日本百低山

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    写真ではなくイラストであるところがとても楽しい。600ページあるので読むのは大変ですが、のんびりとした雰囲気の漂う記載がまたほのぼのとさせてくれます。 御本人もあとがきで記載していますが、関東付近が主になっているので知っている山も多いけれど、それもまた以前に登った山は思い出しながら読めるのが楽しいです。

  • 尾崎 喜八: ヤマケイ文庫クラシックス 尾崎喜八選集 私の心の山

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    自分はもう何度も読んだ文章ですが、やはり何度読んでも尾崎氏の文章は心打たれるものがあります。