夏の思い出 赤岳~天狗岳 赤岳、横岳、硫黄岳編
(イワギキョウ)
☆赤岳から三叉峰、横岳へ
3時を過ぎると近くのテントの人のアラームが鳴って目が覚める。それでももう少し寝ていて4時過ぎて起きだした。あまり早く出発しても今日は本沢温泉までなのでそんなに遠くはないので普通に出れば良さそうだ。やはり朝は放射冷却したようで少し冷え込んだ。テントを開けると空が青っぽい。これならば良い天気になるのではと思う。食事を済ませたのち、トイレも混んでおらず、問題なくテントを畳んで5時半に出発する。今回は初めてヘルメットを持ってきた。やはり赤岳から横岳は岩稜だし、買ってからずっと使ってなかったので使って見たかったということも理由の一つである。ということでヘルメットをかぶり、出発する。

テント場から上に向かって登る。しばらく登ると右に阿弥陀岳への道が分かれる。天気は良さそうだが、かなり湿気が感じられる。やはり昨日の雨の影響だろう。
(イワツメクサは終わり掛け)
登っていくとやがて子供連れの女性が登っている。なかなか早いようだ。登りがきつくなってきた。しばらく後ろを登った所でようやく追いついてパスして登る。
(コゴメグサは少な目)
階段道がいくつも連続して登らされる。きつい登りが続くので、少し足元への注意がおろそかになり、あまり大きくはないものの、石を落としてしまう。後ろを登る子供連れに当たらなかったので良かったが、それからは足元に注意して落石を起こさないようにした。
(イブキジャコウソウ)
階段道はまだ続き、ようやく終わると右上に道標が見え、そこに向かって右へ登る。道標まで登ると上から降りて来た人達がいたが、文三郎尾根を下るのではなく、阿弥陀岳に行くようである。
(分岐から鎖場連続)
そこから登ると右から巻くように登り、再びキレット方面への分岐がある。ちょうど上から人が降りてきていたが、鎖場で難儀していたようだ。この先も鎖場はありますかとそのうちの一人に聞かれたので、もうそんなにないですよと答える。しばらく降りてくる人達が続いていたので通過するのを待って、登り始める。それでも少し登るとまた下って来る人がいるので少し待ってから登ったりした。鎖場が続いたあと、右手に進んで岩場をトラバースし、さらに鎖で直登する。なかなか楽しい登りだが、重荷だと少し辛い。それに前を行く人達に追いついてしまう。もうそろそろ山頂が近い所で数人パスして登る。ちょうど富士山がきれいに見えていた。
(富士山に雲なし)
ハシゴで登って岩場を登れば人のいるのが見えてさらに岩場を登ると山頂の石祠などが置かれている所に登り着いた。

天気も良い。横岳から硫黄岳、蓼科山などきれいに見えている。権現岳や西岳、編笠山などの方面も良い感じである。
(阿弥陀岳)
北アルプスも槍ヶ岳や穂高連峰などの山々、その右手は後立山連峰だろうか。目の前の阿弥陀岳、さらに茅野方面の町並みなど、眺めを満喫できた。時計を見るとまだ7時半にもなっていない時間、山頂を辞して少し先の赤岳頂上山荘の所に休めそうな小さな岩場がある。そのあたりに座り込んで眺めを楽しみながらしばらく休んだ。
(これから歩く横岳、硫黄岳、その先は蓼科山方面)
こんなにのんびりしている事も自分は滅多にない。やはり余裕がある山行は楽しい。
(雲が多いが、槍、穂高も見えた)
15分以上休んで出発することにした。まずは赤岳展望荘への下り、手すりのような鎖を掴んで下るのだが、足場が斜めっていたりしてちょっと下りにくい。登って来る人のすれ違いも多かった。展望荘の横を通過し、まずは下って地蔵尾根の分岐を過ぎる。
(横岳へ向かう)
最初の岩峰への登りは少しきつい。あまり覚えていないが、左側を巻いて鎖で登らされ、次は右から巻くようだ。その先あたりが核心部、左に岩場を急降下する。かなり高度感があり、左は切れ落ちているので、できるだけ右側を鎖などで降りる。
(鎖場を登る)
進んだのち、今度はまた少し厳しい鎖場で登らされる。なかなか楽しい道であるが、ちょっとしんどい。
(タカネナデシコたくさん)
ようやく登り着いた所が石尊峰だろうか。休まず先に進んでまた少し登ると三叉峰の手前に出る。おじさんが一人、岩場を往復したのかザックが置いてある所に降りて来た。
(杣添尾根分岐)
右から巻いて進むと右手に尾根道が見えて、それが杣添尾根であろう。登って来る人が何人か見える。
(杣添尾根の道)
少し先に分岐があった。もう少し進むと左上に登れそうだ。
(三叉峰からの赤岳、阿弥陀岳)
岩場を少し登ると三叉峰の山頂、富士山、赤岳、阿弥陀岳の眺めがなかなかだった。
(まだ富士山も)
休んでいると何人か登ってきたので降りる。
(奥の院に向かう)
少し先へ下り、登り返す。早い単独の女性が抜いて行った。杣添尾根を登ってきた人だろうか。手前のピークから少し下って先へ行き、ハシゴなどで岩場を通過し、さらに登って奥の院に着く。

昔からあるタイプの古い木製の横岳の表示はもう少し壊れ気味な感じだった。やはり赤岳、阿弥陀岳の眺めが良い。先の台座ノ頭と緩やかな硫黄岳の眺めも悪くない。少し水を飲んで休んだ。
(まだ硫黄岳もガスなし)
☆硫黄岳へ
先に進む。左に小さな鉄製の杭と鎖が付いているが、下りでは使えない位置である。数歩下った所の岩場の下りがちょっと高度感があって厳しい。少し躊躇したが、おそるおそる足を下して滑らないことを確認してようやく通過した。登りならばそんなに躊躇する所ではないと思われるが、下りはもし足を滑らせたりなどでバランスを崩してしまったら、左に転落する恐れがある。その先は問題なく通過できるが少し下った所で左は鎖、右はハシゴに分かれている。右のハシゴの方を選択した。ハシゴを下り終えて先の岩場を下ろうと思ったら道がない。あれと後ろを振り返るとやっぱりハシゴ、戻る訳もなく、あたりを見まわしたら、左の岩と岩の間が通れそうとのぞき込んだら下に鎖があった。そこも高度感があるが鎖の付いた短い下り、右に進んで普通の道に変わったのでホッとする。三叉峰あたりで見かけたおじさんが前を行く。それほど早い人ではないようで自分がたまに追いつく。もう石ザクの道となり、目の前の台座ノ頭には登ることはなく、左に斜めに下っていく。そのあたりにはコマクサが咲いている。ネットがあり、足元が悪いのだが、きれいな花を探しながら歩いていたら、ちょっと滑って転ぶ。おかげで左腕に擦り傷を作ってしまってちょっと痛い。

しばらく下るとコマクサも少なくなり、石ザレの道を大きく下っていく。ぐんぐん下って硫黄岳山荘、立ち寄る気にはならなかったのでそのまま先へ進み、硫黄岳に向かう。

やはり登りはちょっときついが、ひたすら上に向かう。やがて左に斜めに登り、大きなケルンをいくつか通過すると、硫黄岳に着く。

もうガスが上がってきてしまい、振り返ると横岳もガスの中になっていた。先もガスであまり見えない。それでも爆裂火口は問題なく見えた。適当に座り込んでしばし休憩した。
(すっかりガスになってしまった)
この先の進路が問題だ。今日の泊まりは本沢温泉なので夏沢峠から下ればよいのだが、明日はまだ歩いていない白砂新道を登ってみたい。しかし、根石岳を越えて、白砂新道を下るのは、どんな道なのか分からないので気が重い。積雪期は通行不可の表示があり、かなりの急傾斜の道なのだろう。とりあえず夏沢峠まで行って決めることにしよう。
☆本沢温泉へ
硫黄岳から下り始める。こちらの道に入るとやはり人が減るようだ。硫黄岳から赤岳鉱泉に降りる人の方が多いのだろう。どちらかというと登って来る人の方が多いようである。

途中にはトウヤクリンドウがもう咲いている。これを見ると初秋という感じがするのだが、ちょっと早くないだろうか。今年は雨が多いから咲くのも早かったのかな。ちょっと急な所もあるが、もう鎖場などはない道だし、気楽な感じでのんびり下っていく。まだまだたくさんの人が登ってくるのに会った。岩場を過ぎて樹林帯に入り、さらに下る。

久しぶりの夏沢峠、小屋は閉じている。今年は学校団体のみが泊まれる小屋らしい。休んでいる人が何人かいて、自分も石に腰を下して少し休む。やはり根石岳は以前にも歩いているから、今回は踏まない山頂になるが、無理せず、ここから下ることにしようと思った。

峠から下り始める。大きくじぐざぐで樹林帯の中を下っていく。途中にはイチヤクソウやギンリョウソウがちらりと咲いていた。まだ登って来る人にたまに会う。随分下ると露天風呂を下に見て、さらに下り、露天風呂への道を分けてさらに下ると本沢温泉に着いた。
(イチヤクソウ)
受付をする。ここは良心的でテント場代は千円のままである。いつも露天風呂しか入ったことがなかったが、一度くらいは内湯に入ろうと両方をお願いする。どちらも千円であるが、両方お願いするとタオルと小さなカード、そして内湯用の鍵をくれた。建物からしばらく下ってテント場へ。やはりもう良い場所は張られていたが、高台の悪くない場所へ張った。昨日の雨でテントは濡れ濡れ状態だったが、この天気なら乾きそうだ。
まずは内湯に入るので建物まで登って内湯用の鍵を渡し、入浴をお願いする。階段を延々と下って下さいと言われて階段を降りていく。確かに長かった。随分下った所にお風呂があった。内湯のみのシンプルなお風呂、もちろん石鹸などは使えないので、入浴するだけである。お風呂の蓋を開けると赤茶色のお湯だった。入るとしばらく誰も入っていなかったのか、少し熱めだった。それでも入れないほどの温度ではなく、浸かるととても温まる。この後に露天風呂が待っているのであまり長湯はしなかったが、温まって出る。
一度テントに戻って少し休む。やはりテントは乾いていた。一応、シュラフも少しだけテントの上に干した。夕方になったら露天風呂に行こうかと思っていたのだが、樹林の中は意外に冷える。沢に近い所ということもあるかもしれない。それに温泉に入った後に飲みたい気分でもあったので、混んでいそうな3時半頃に露天風呂に行くことにした。
登ろうとすると後ろからも人が登ってきた。やはり露天風呂は混みそうだ。分岐から左に進んで露天風呂に行くとやはり数人入浴していた。それでも自分と後ろの人が来たら、数人上がったので問題なく入浴できた。やはりいいお湯、硫黄の香りが漂うお湯である。しばらく入浴して熱くなったので出ることにした。建物に戻った所で滅多に飲まない缶ビールを買った。(¥600)
テントに戻ってビールを飲む。しっかりと冷えていた。後は持ってきた焼酎を飲む。夕食は後生大事に持ってきたレトルトカレーである。無駄なお湯を使うことになるのでレトルトはやはり水が豊富な八ヶ岳なら可能である。昨日の夕食が不味かっただけにとてつもなく美味しく感じた。雨は降ることはなかったが、夜は結構冷え込んだ。この温度なら普通のシュラフを持ってきた方が良かったかなとも思った。
(続く)
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