(コアジサイ)
三ノ戸山、ズマド山は一般登山道はありません。
【 山 名 】赤杭山、三ノ戸山、ズマド山北峰、ズマド山南峰
【 山 域 】奥多摩
【 日 時 】2024年6月1日(土)
【 天 候 】くもりのち晴れ
【 ルート 】古里駅9:30→11:20赤杭山11:25→11:50三ノ戸山→12:05ズマド山北峰→12:15ズマド山南峰→13:10川井駅
☆赤杭山へ
このところ忙しく、だいぶ疲れていて早朝に起きることができなかった。しかし、明日は雨予報なのでなんとか起きて出かけることにする。どこへ行こうか最初のプランはバスに間に合わないのでまた今度にして、手持ちの本などを手繰っていたら、ズマド山が見つかった。赤杭尾根は川苔山から下山ルートとして何度か歩いているが、登ったことはない。ズマド山は一般登山道は巻いているし、いつも手前から古里駅に下ってしまうので行ったことがなかった。なのでちょっと遅出のプランとして行ってみることにした。
ちなみにズマド山の「ズマ」は柳田国男氏「山村分類語彙」に「ズマ」として記載されていて、「武蔵多摩川の上流、小河内あたりで数本の樹木を結びあはせ、その上に薪・炭又は人も載せて山上から引下ろすことの謂ひ。加賀白峰では「柴しいて乗る」、信越の堺ではシバゾリ、枝ソーリ或いはケツソーリなどなど謂ひ、豊後湯布院などでシバグルマといふものにあたるらしい。」と記載されていて、これによるものらしい。里山だから、このあたりの山から薪などを引き下ろしたのであろうか。
なんとかホリデー快速を捕まえることができた。青梅駅で下車するが、もちろんそのままホリデー快速に乗っても古里駅には停車しないので、次の各駅停車を待ってそれに乗る。それでも9時30分頃には古里駅に到着した。随分降りた人も外国人が多かった。どこへ行くのだろうか。トイレに寄ってから歩き出す。さすがに山に入るような人はあまりいないようだ。少し進んでから右に曲がり、線路沿いを進むとすぐに踏切があるので渡る。
少し進むと小丹波のイヌグスと表示がある。古里駅のすぐ近くにこんな木があるのは知らなかった。立ち寄ってみる。そちらに入ってわずかに登ると木が立っている。そんなに巨木という感じではないものの、樹齢は300年あるらしい。まずまずの木であるが、樹勢は旺盛で元気な木である。上まで登ってみたが案内板が遠い所にあって汚れていて読みにくかった。
先に進んで右に折れて登山口に向かう。しばらく登って畑が多くなり、横の畑では畑仕事をしている方を見かける。少し急になった道をそのまま直進して登ると道路に出る。
左に進むと登山口があり、そこからは登山道になる。左を見るといかにも山間ではあるが、新しい家などは都会とあまり変わらない雰囲気である。
樹林に入ると昨日の雨のせいか土は水気を含んでいるようだ。そのせいかどうか少しひんやりとして汗はかくものの登りやすい。この時期にしてはそれほどの蒸し暑さではないようだ。これは有り難い。左に流れがあるようだ。水の流れている音がするが、水量はわずかである。しばらく登っていくと水の流れはなくなり、沢を渡るところの木橋は壊れていた。水はないので問題はなく、右に降りて先に行く。道は左に曲がって谷から離れて左の斜面を登っていく。しばらく登ると尾根に出る。赤杭山を示す道標があった。
やがて右の尾根は高くなり、尾根の左を進むようになる。道は少し細いが問題はない。先へ進むとタツナミソウが結構咲いていた。さらに進むとコアジサイが咲いている。よく咲いていて梅雨の時期らしい感じになってきた。しばらくは緩やかな登りだったが、やがて少し斜度が上がってそれなりに登らされる。まだまだコアジサイは咲いていて楽しい。左下に採石場があるようで、そこの音が少しうるさかった。
ようやく緩くなるとタツナミソウがやはり咲いているのを見て、先に進むと尾根に出た。そこには川井駅を示す道標が立っていた。
このままズマド山へ行くのは早すぎるし、ちょっと軽すぎる。せっかくなので赤杭山まで行くことにする。そのまま左へ尾根道を進む。緩やかな登りがしばらくは続くが、少し登りがきつくなる。フタリシズカがひとつだけ残っていた。
さらに登っていくと左に山を見て右手にわずかに下る。巻き道になっているようだ。ランナーさん的にはこちらの方が良いのだろうが、尾根筋を歩きたい自分のようなのんびり派にはちょっと物足りない。帰りは三ノ戸山にも立ち寄ってみようと思いながらそのまま進む。こんもりしたところを巻いて、その先も巻き道が続く。やがて先の方に大きな山が見えてきて登りも少しきつくなった。しばらく登っていくとやがて左に踏み跡があるが、そのまま右の道を登る。しばらく登ると左に赤杭山を示す見覚えのある道標が立っていた。
そこから左にしばらく進むと赤杭山の頂上である。赤久奈山と書かれた手製の山名板がある。棒には山岳会の名称が書かれている。
家で宮内敏雄氏「奥多摩」を開くと「桃ノ木平を経て九二三米の赤杭山で、発音はアカグナヤマだ。」と記載されている。岩根常太郎氏も赤杭山を「あかぐなやま」としているのでやはりこれが以前からの名称であろう。ちなみにこれから向かう現在の三ノ戸山については「ミノト山」としている。しかし地図上では「峰戸山」と記載されている。ズマド山は頭窓山と書いてズマド山、先は金平山、お伊勢山で多摩川で終わるとなっている。またミノト山から頭窓山の間には弁当尾根と地図に記載があり、本文にも名称が書かれていた。
古くなった丸太が下にあるので、それを椅子代わりに腰かけて昼食にする。もちろん人など来ないだろう。今日は少し歩く時間が短いと踏んであまり水を持ってこなかったが、意外に消費している。それでも下まで十分に持つだろう。コアジサイと山名板を撮って先へ進む。
踏み跡を先へ進むと少し急な下りとなる。やはり登りは少しきつかったのではないかと思う。下りであれば、たいしたことはなく、さきほどの巻き道に合わさり、先へ行く。しばらく進んだ所で右に入って三ノ戸山を目指す。登山道を離れると踏まれていないので土が柔らかく、あまり良い気分ではない。今日は布製のハイキングシューズなので、普通でない道を歩くにはあまり適しているとは言えない靴である。しばらく進むと少し急な登りになる。尾根は灌木が多く、ごく薄い踏み跡があるようにも見えるが、微妙な感じである。滅多に訪れる人などいないであろう。灌木の邪魔する尾根筋をしばらく登る。少し緩やかになるが、しばらく進むとようやく小さな石標のある場所に着く。ここが三ノ戸山らしい。近くの木に東京都の財団の名称の板が付けられている。それには三ノ戸山とかすかに読める。山名板はないのかと思っていたが、ふと見上げたら、しっかり山名板があった。
さて、先へ進む。そのまま尾根を進むが、やはり灌木などが邪魔するので、少し尾根を外して左側を進んだが、左へ転落しそうである。再び尾根に戻るが、やはり踏み跡らしきものはあまりない感じ、木の土止めがあるが、これは通路ではなく、植林のためのものであろう。なんとなく小尾根が続いているあたりを適当に進んで下っていく。ときおり右に出るとわずかな踏み跡が認められるが、それも灌木で再び分からなくなる所がいくつもあった。適当に下り、やがて少し左に折れる。たぶん大丈夫だろうとそのままその尾根に沿って下る。また右に入って下り、降りていくとやっと登山道に降り立った。
やはり登山道は歩きやすい。先へしばらく進んで下っていくとあっけなく古里駅の分岐に着く。そのまま直進して先へ進むが、すぐに登山道は左へ下っていくのでそのまま直進してズマド山に向かう。そのまま進むと途中には木に何か付けられている。動物を撮影する小型カメラであろうか。倒木などがあり、それを避けて進む。どちらかというとわずかに下りの感じだったが、やがて登りになって、しばらく登るとスペースのある場所に登り着く。そこがズマド山北峰であった。右の木に山名板も付けられていた。
先へ下る。少し急な下りであまり大きくはないがちょっとした岩もある下りとなる。岩の横を下ってさらに下ると鞍部を通り、登り返しに変わって少し登るとごく小さなスペースのある場所に着く。山名板も付けられていてズマド山と記載されていた。さきほど北峰に付いていたのと同じ山名板も右手奥の木に付けられていた。三等三角点があるが、あまり人の来ない山のせいかきれいな感じである。
☆下山
さて、ここからの下山路が問題だ。古里駅の分岐まで登り返すのは面倒だし、少し戻って鞍部から川井に向かう登山道に降りてみよう。少し戻った鞍部から右の斜面に降りるが、これはやっぱり無理があった。しばらく右に向かって下ったが、かなりの急斜面になってしまい、左に折り返して斜めに下る。しかし、それもまた急な斜面でかなりやばかった。それでもわずかずつ下っていくとなんとか登山道が下に見える。しかし、見えてからもまだしばらく急斜面を下る必要があった。やはり随分下を登山道は通っていたのである。なんとか無理してやっと登山道に降りることができた。あまり無理はしてはいけないようである。
気を取り直して先に進む。登山道は少し細い。しばらく進んでいくとやがて右から小尾根が降りてきていた。山頂から先に進んで左に取ればもしかしたらもう少し安全に降りることができたのかもしれない。ただ、本当にしっかり降りられたどうかは自信はなかった。先へ進む。この道はよく考えると自分は初めてのようである。いつも川苔山から降りてきたときは古里に下って川井駅へは向かったことがなかったと思う。ごくわずかに残っている初めて歩く道だと思う。緩やかに下り、やがて稜線から外れて右を進む。先へ下ると倒木が出てきて邪魔したりする。乗り越えようと木を踏んだら木の表面が腐り始めていてブニュっという感じがして気分が悪かった。先へ下っていく。それにしても風が通ってこの時期にしては意外に快適である。やがてわずかに平な所を通る。ここがもしかしたら金平山だったのかもしれない。右へ下ると少し明るい所があるが、すぐにまた樹林の中を下る。細いが結構高いモミの木をたくさん見る。さらに先へ下っていくとまたモミの木を見る。モミの木が多い尾根だなと思いながら下ると下に水道施設が見えた。そこへ下るとその横を通る。すると急な下りになり、ロープが付いていた。滑りやすそうなのでロープを軽く掴んで下る。すると再びさらに大きなコンクリートの水槽らしきもののある水道施設を見る。その横に出ると施設を左から右に下を進んでわずかに下ると明るい所に出て、民家の横を通り、道路に出た。
これで短い山行は終わりである。川井駅左の表示がある。地図だと右に行く方が良さそうだったけれど、案内板がそうなっているので左へ行く。しばらく道路を歩かされ、やがて右に曲がってから左に下ると奥茶屋から来ている道路に出る。まだ時間も早いので急ぐ必要もない。どんどん道路を下っていき、線路の下をくぐれば青梅街道である。左へ進んで登れば川井駅。電車が来るまで15分くらいのようだ。あまり長くもなく、しばらく駅の中で休み、来た電車は空いていた。早い帰宅となった。
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