埼玉の白石山(毘沙門山)へ
(もうすぐ見られなくなる長沢行きの方向幕)
白石山は難易度の高い山です。特に長合沢ノ頭への超急登、急下降は事故が多いようです。警察官のお話でもやはり遭難で亡くなっている方がいるようですし、転落して頭から血を流した人を連れて行ったというお話も聞きました。自分が歩いた時も帰りに道を誤りそうになったりしたので、十分に注意が必要です。
【 山 名 】長合沢ノ頭、白石山(毘沙門山)
【 山 域 】奥秩父
【 日 時 】2026年9月13日(日)
【 天 候 】くもりときどき霧
【 ルート 】要トンネルバス停9:45→10:00渡渉→10:25稜線→10:30鉄塔→11:35長合沢ノ頭→11:50白石山→12:05長合沢ノ頭→13:10鉄塔→渡渉13:30→13:45要トンネル→13:50毘沙門水→馬上バス停
☆白石山(毘沙門山)へ
何回か乗ったことのある長沢行きのバスが2026年9月末で廃止されることになった。とくればまだ登っていない白石山にぜひとも登らなくてはと考えた。難易度の高い山のようで、天気があまり良くないので突っ込みたくはないが、今歩かないと行けなくなるのでトライしてみることにした。周回コースなどもあるようだが、バリエーションコースである。安全に歩くならば、ピストンが正解だろうと思う。自分の家からは一番バスに乗るのは厳しい。それに天気が良くないのであまり早い時間だと雨に降られる確率も高くなる。なので二番バスで行くことにした。帰りは15時と16時過ぎにある。コースタイムからすると15時のバスに間に合わせるのは微妙だが、間に合わなくても16時の最終バスで帰れるだろう。
(廃止についてのお知らせ)
普段よりは少し早く起きて出発、問題なく西武秩父駅で下車し、栗尾行きのバスに乗るが、結構な人が乗る。ランナーさんのような人達がたくさん乗って賑やかだった。みんな長沢行きに乗るのだろうかと思った。途中、小さな峠を越えるが弱い霧雨が降り、山の上は霧になっている。今日はくもり予想だったが、霧雨に降られる山歩きになるかもしれない。普段ならこんな日はしっぽ巻いて逃げだす日だが、今日はよほどの天気でなければ突っ込むつもりである。小鹿野役場前で下車したのは数人。ランナーさんのグループは小鹿野役場前では降りなかった。このあたりは霧雨は止んでいてわずかに明るい。やはりくもりの天気なのだろう。長沢行きのバスも数人が乗る。近くの二人はバスマニアさんらしく、バス路線の話をしているのが聞こえて来た。もちろん登山客など自分一人。要トンネルで下車する。

トンネルを右に見て左に入る。すぐに小さな工場のようなものを見るが、そこから左の道はもう草が生えた林道、少し進むと大きな倒木が塞いでいる。乗り越えて進むが、もうズボンやザックが汚れる。足元も泥になっていて、靴も汚れた。少し進むとやはり轍はあるが草が多い林道になっている。このところの雨で轍には水が流れていた。薄暗い樹林の中をひたすら先へ進んでいく。やはり沢の水はかなり多いようだ。果たして無事に渡渉できるかがちょっと問題だと思っていた。やがて行き詰まりに到達し、見ると古い木橋がある。ガイドの写真よりも壊れていてさらに木が覆いかぶさっている。とても渡れる代物ではない。
(これでは絶対に渡れない橋)
少し戻った所にテープがあり、そこを渡るのだが、やはり増水した沢水でなかなか渡るのが難しい。あたりを見回し、なんとか渡った。
(このところの雨で増水している沢を渡渉)
古いロープの付いたザレた斜面を少し登ると林道の続きらしい所に出る。歩きやすい道を少し進むと左に曲がってテープのある再度の渡渉地点らしい。右下に降りる。やはりここも沢が増水で渡るのが難しい。それでもなんとかジャンプして渡ることができた。
(二度目の渡渉)
おそらくこれを登ると思われる所には水が流れている。少しそれを登って左に登るのかなと小沢から離れて左に登ったが、あたりを見まわしたら右の斜面にポールがあるのが見え、さらに上に踏み跡が伸びているのが見えた。ありゃ、右だったか。そのまま上に登ると少し平な所に登り着き、そこも左に踏み跡が続いているようだったが、右に進んで小沢を渡ると右側の巡視路に出ることができた。
(上に向かう)
そこからは良い踏み跡を登っていく。効率的に登っていくが、やはり結構な斜面を登っていくのでなかなかしんどい。湿気も多く、汗をたっぷりとかかされた。しばらく登ると再びポールを見る。まだまだ折り返して登っていく。沢音が遠くなり、ひたすら登るとやっと稜線らしき近くまで登る。右に踏み跡があるようだが、これはさらに巡視路があるのだろう。ポールを見て左に進む。
(ツチグリの仲間?)
良い道が続く。やはり巡視路としてしっかり使われるのだろう。

途中の小さなピークはすべて巻いて進むので歩きやすい。どんどん進んでいくとやっと鉄塔が見えて来た。鉄塔の向こうにちらりと山のようなものが見えるが霧に隠されている。
(右の鉄塔横を通過)
すぐ先に小さなピークがあるがやはり上は霧である。右上に向かってテープが付いているが、左に巻く方が普通だろうと左に巻く踏み跡を進む。進んでいくと埼玉県の県営林の表示を見かける。さらに進むとやはり霧が少し濃くなってきた。尾根の左を進むことが多くなった。やがてまた小ピークがあるところで踏み跡が分かれている。
(巡視路は右へ離れていく)
右にポールがあり、そちらへ向かう踏み跡もあるが、左に進むのが白石山へ向かう踏み跡だろう。左の踏み跡に入る。すぐに銃猟者注意の看板がある。この先の県営林には常時人が入って作業しているので最新の注意をして下さいの注意書きがある。曲がっているし、先ほど県営林の表示も見たので、自分が来た方に向けて書かれているものだろう。この道は猟師なども使う道なのかもしれない。
(壊れた小屋掛け)
少し道が細くなった感じで進んでいく。霧で薄暗くなり、ぽつりぽつりと霧雨から来る霧滴が落ちてくるようになる。まだ雨具を付けるほどではない。霧のきまぐれだろうとそのまま進む。左下に壊れた屋根掛けの小屋だったと思われるものが見えた。
(急登)
さらに先に進むと暗い樹林の中の急登となった。結構な急登、少し左に登って折り返して右に行くと尾根に出る。誤って右に進まないように枝が置かれていた。帰りに間違わないようにしないとと思った。
(帰りに間違う分岐)
左に進む。やはりピークの左を進む所が多い。やがて倒木帯を通る。何本も倒木が倒れていて、下をくぐったり、上をまたいだりしながら進む。やはり倒木にぶつかってザックが汚れる。ようやくそこを通過してさらに先に進む。やがて直進は上に向かう踏み跡、左はトラバース道と分かれている。ここは上だろうと上に向かう踏み跡を辿る。しばらく登っていくが、左下を見るとやはりトラバース道はかなり下になっている。正解だったなと思いながら進む。やがて836mと思われる所を過ぎる。その先へ行くと樹林の枝などが邪魔するようになり、道というより踏み跡っぽくなってくる。細い尾根をしばらく進むと左にわずかに樹林が切れた所があるが、先は霧で何も見えない。さらに進んでいくと目の前に超急登が現れた。これ登るのか、と思って見上げる。木の根などが多いので登れるけれど帰りが厳しそうだ。事故など起こさないようにしなければと念じてゆっくり登り始める。
(超急登でやっと長合沢ノ頭)
本当に厳しい登りである。少しずつ足などひっかけたりしないように足元に注意しながら登っていく。木が多いのが有り難い。木を掴んだりしながら登る。後ろを振り返る勇気はなかった。ひたすら地面を見て木の根や木の根を掴んで登る。随分登ると先に岩が出てくる。直登は無理そうだ。右にトラバース気味に登る。するとなんとか左に岩を掴んで登れそうである。無理しないように足場のあるところを確かめながら少しずつ登る。しかし、やはり岩は苔などがついて滑りやすく、ひやひやモノだった。それでもなんとか岩場の上に出る。しかし、まだその先も急登は続く。ただ、さきほどの斜面よりは多少はマシ、でも、そういう所の方が返って注意力が落ちて危ない。引き続き注意しながら急登をこなす。テープなども見かける。わずかに左を登ることが多かった。やっとの事で登りきった所には岩がある。霧の中なのでよく分からないが、おそらく長合沢ノ頭ではないかと思う。右に行くと木に「長合沢ノ頭」と付けられていた。
(この天気で踏み跡歩きは厳しい)
ここまでくれば白石山まではもう少しだ。深い霧で気持ちが萎えてきているが、頑張ることにしよう。先に進むと細い尾根は岩がごつごつ、これを下るのはしんどいと思ったら、右に踏み跡があるようだ。ちょいと急な斜面だったが、右に降りてその踏み跡を降りていく。先に進むと緩やかな登り返し、草の生えた斜面を登る。折れた木が邪魔しているので折れた木の根本の横にわずかな隙間があったのでそこを通って先へ進む。左下に大きな窪みを見る。
(穴のような窪み)
するとその先で明るい所に出る。

白い岩場に突き当り、岩場の左を進む。少し進むと岩を右へ乗り越す。踏み跡が続いていた。やはり山の名前はこの白い岩から付けられたのだろう。霧の中なのに不思議と高度感がある。踏み跡を辿ってまた急な岩場の登りとなる。足を滑らせたりしないように気を付けながら白い石を踏みながら登る。ぐいぐいと登ると岩場の上に出た。わずか先に三角点と毘沙門山を示すプレートがあった。
(なんとか山頂を踏めた)
こんな天気ではとても東峰に行こうなんて思わない。
(東峰に行こうなんてこれっぽっちも思わなかった)
それにブンという音がしたので見たらスズメバチが一匹近寄ってきている。真っ白なこんな山頂で休もうという気には全くなれず、写真だけ撮ってさっさと降りることにする。滞頂1分もいなかった、踵を返して下る。
(長合沢ノ頭の超急降下には決心が必要)
山頂直下の下りは急なので、岩や木などを掴んで滑らないように気を付けながら下る。往路と同様に左から岩場を越えて右の岩場を進んで樹林に入ると少しホッとする。しかし、まだ長合沢ノ頭からの下りがあるのだ。ちょっとストレスからか胃に負担がかかっている感じで重い。やすんで昼食を取る気にもならず、そのまま先へ進む。再び右に窪みを見て草の生えた斜面を進み、折れた木の横を通って下る。登り返しはやはり少し左の踏み跡を辿るが、ちょっときつい登り、ようやく登りが終わると長合沢ノ頭である。
下ってから昼食にするか迷ったが、何かあったときに昼食を食べられないかもしれないし、お腹にものを入れて置けばシャリバテの防止にもなる。さくっと持ってきたカレーパンを食べることにする。こんな天気なのに持ってきた麦茶を随分飲んでいた。1.5Lのボトルでは足りないかと駅で水のボトルを買っておいたのだが、やはり良かったようだ。
(超急降下で見上げる。横の木と尾根の角度を見て!)
さて、いつまでもいる訳にもいかない。時計を見ると15時のバスには相当な余裕があるようだ。ゆっくり降りても間に合うどころではなさそうだ。ゆっくり安全に降りることにしよう。下り始めると最初の急降下はやはりまだそれほどではない。降りるべき所が十分に分かる。しかし斜度はあるのでやはり慎重に下る。少しずつ下り、やっと岩場に降りる。さて、ここだ。手前を左に降りるが、やっぱり厳しい。岩や木の根を掴み降りる。手が泥になってしまったが、汚れたくらいなんでもない。無事に降りることが先決なのである。少しずつ足を下し、手がかりを求め、再び足を下しを繰り返した。わずかに滑ったりもしたが、なんとか無事に岩の下まで降りる。しかし、その先の急降下は先を見るとすごい斜度である。これはやはり登ったのと同じ姿勢でゆっくり降りるしかなさそうだ。前を向いて降りたらそのまま転がって下まで転落しそうである。時間はたっぷり掛けて良い。足の置く場所を確認しながらやはり足から少しずつ降りる。木の根や木本体を掴める所が多い。ときどき木を掴めるところは下を確認し、その先の降りる場所を確認しながら下る。長いがなんとかなるものである。少しずつ下ってやっともう少しというところ、こういう所が一番危ないと気を引き締め、さらに下る。やっとのことでほぼ大丈夫そうな所まで降りて、上を見上げるとやはりひどい斜面だった。
(銃猟者注意の看板)
そこからは緩やかな下りでしばらく進み、細い尾根に降りる。登っていたときより霧が上がったようだ。右手にちらりと眺めがあったところはさきほどよりは見えたが、やはり山には霧がかかっていた。しばらく進んでわずかに登り返すが、再び緩やかに下りになる。踏み跡がしっかりしてきて836mらしきところを通過する。もう危険な所はあまりないと思うのでだいぶ気も軽くなった。先へ進んで下ってふと石標が先に見えて、右に斜面があるが、テープが右下に付いている。もしかして進み過ぎたかとスマホ地図を確認するとやはり右へ下るところを通り過ぎてしまったようだ。わずかに戻ると登る時に見た枝が置かれている所、やっぱり危惧した通り、行き過ぎてしまったようである。踏み跡を辿って下っていく。急な下りも登りよりも明るくなった。途中にはアカマツが何本か立っている所があるが、何本か倒れてしまっている。倒木を乗り越えて先に進む。やがて進んでいくと再び猟銃者注意の看板を見て、さらに先に進んでいくと鉄塔に出る。どんどん往路を戻って歩いていく。さらに進めばポールがあって、右へ分かれている林道への分岐、ここは通り過ぎることなく、しっかりと右に入る。
(分岐は間違えずに右に折れる)
何度も曲がりながら下っていく。さて、帰りも問題なく渡渉できるか、最後のポイントである。踏み跡に従って下っていくと小沢の左をさらに下り、渡渉ポイントに出る。やっぱり沢水が多く、厳しい。それでもやはり狭くなっているところを目掛けてジャンプするとなんとか渡れた。問題は最後のポイント、行きに渡った所で渡るのは難しい。少し下に降りて見たが、沢幅が広がるので厳しい。それでもなんとか岩を使ってジャンプできそうな所がある。これに掛けてみようとジャンプするとなんとかうまく着地できた。林道に這い上がる。これで問題のポイントは通過できた。
(厳しい渡渉を終えて林道に上がるとホッとした)
時計を見てもバスには余裕な時間、毘沙門水に立ち寄って馬上でまたバスを待つことにしよう。ここまで来るとさすがに気持ちも安心する。何事もなく無事に降りられて安堵する。林道を歩いていく。朝と違って轍に流れている水が減っているようだ。しばらく歩いているとまだ多少は流れている所はあった。さて、問題は最後の倒木、歩いていくとやはり倒木、泥を踏んで倒木を乗り越える。その先はもうすぐに小さな工場らしき建物を過ぎて、要トンネルを左に見て、少し歩けばバス停である。1時間20分以上の待ちである。
(バスはしばらく待ち)
道路をしばらく歩く。やがて右に毘沙門水がある。一台軽トラックが止まっていて汲んでいるご夫婦がいるようだった。最近置かれたもののようでそれほど古くはなさそうだが、毘沙門天の石像に挨拶、それから水場に行く。
(毘沙門天)
すぐに軽トラックに乗ってご夫婦は去ったので一人占めとなった。水場の水をボトルに汲む。飲んでみると柔らかい天然のお水である。100円以上を入れるように書かれていたので入れておいた。
(毘沙門水)
もう少し道路を先へ歩く。しばらく歩けば馬上のバス停がある。昔、父不見山から降りたときに、ここに古い待合所があってバスを待ったことがある。もうそんな建物はなくなり、代わりに小さな小屋がある。ベンチが置かれていて集落の人が使うのだろうか。
(馬上(もうえ)バス停)
誰もおらずここでバスを待つことにする。することもない、地図などを見ていてしばらくしたらパトカーがやってきた。警察官が一人だけなので通報されたとかではなさそうで、パトロール中だったのだろう。職務質問とかされるのかなと思ったが、今から登るんですかと聞かれて、バス待ちしている所ですと答える。山の話をしばらくする。その人も山登りをするのか、ここから登れるんですという。山の地図で登山道の線など入っていない尾根を父不見山へ登って、合角ダムという所にまた登山道のない尾根を下った、と話をしていた。白石山などでもやはり遭難が発生しているらしい。長沢行きのバスが通って行った。やはり数人が乗っていた。いつもはそんな乗ってないんですよというので、きっとバスがなくなるからバスマニアの人でしょうと話をする。20分以上話をしていた。またこちらの山に来ますかと聞かれたので、バスがなくなるのでもう来ることはないですと答えたのだが、なんとなく寂しくなった。
(休憩所?)
おかげでバスまで10分ほどとなった。パトカーは立ち去り、後はしばらく待ってバス停で待つ。やはり数人乗ったバスがやってきた。小鹿野役場前まで乗る。いつものように農産物直売所に立ち寄ってしゃくしな漬けなどを買い込む。西武秩父駅行きのバスは時間が良いのか、途中で乗ってくる人も多く、立ち客が出るほどになった。この時間、相変わらずSトレインがあることを忘れていて各駅停車で帰宅した。
(桜がちらほらの千代田湖)


















(千塚八幡神社のシダレザクラ)

















(登りの途中から飛竜山を望む)
(良い天気になりそう)


























(三条の湯)





(テント場から小屋を見上げる。手前の小屋は水場)
(雨上がりの笠取小屋)
































(紅葉を見ながら座り込んで昼食を取った)


























(両見山先の木祠)
(892m付近)
(小ピークからの三合落岳)
(三合落岳の山頂)
(途中の紅葉)
(鎖場に出る)











(柳滝)



















(キバナノコマノツメ)
























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