窓明山へ
三岩岳からの続きです。
(オトギリソウ)
【 天 候 】4日 くもりときどき晴れ
【 ルート 】4日 避難小屋5:30→6:05三岩岳6:05→6:30避難小屋6:40→7:00水場→7:40窓明山→8:50家向山手前9:00→9:45巽沢山→10:20保田橋登山口→10:40窓明の湯
☆再び三岩岳と窓明山へ
朝目覚めて時計を見ると4時過ぎだった。4時半にアラームをセットしておいたが、それよりも早く自力で目覚めた。外へ出るとあまり寒くないが、ガスっているようである。これでは今日はまったく展望はないだろう。山頂には行かないでそのまま窓明山に行くというプランも考えたが、時間的に早すぎる。11時頃に下山できればよいかと考えていたので、これからの行程を踏まえて、やはり行くことにする。食事を作っていると明るくなってきた。もしかすると晴れる可能性もなきにしもあらずという感じである。
再びサブザックで小屋を出て、昨日と同様に登る。やはりアブが来たが、一匹くらいで数は多くないようだ。昨日咲いていたタテヤマリンドウは閉じていたが、代わりに昨日は蕾だったお花はオトギリソウであった。しっかり咲いていた。やはり周りは白一色、明るくなってはいたが、やはり眺めなどはない。淡々と登って山頂に着くが、やはりガスであった。
ガスの山頂に長居する必要はない。写真だけ取ったら、さっさと下る。ガスの中を下っていくと少し日差しが出てきた。避難小屋に戻るとそのあたりはガスから抜けたようだ。今日も暑くなりそうである。
さて、再び重いザックを持って出発とする。しっかりと避難小屋の扉を閉めた。
すぐ先の分岐には時間も書かれている。窓明山まで70分ほどのようだ。道を進むとやはり人が少ないせいか下草が多いのとやはりぬかるんでいる所が多々ある。その上に下草は濡れているので、ズボンがかなり濡れてしまう。雨具の下を出すのも面倒でそのまま進んだ。相変わらずアブは飛び回るが、昨日よりは少ないようだ。緩やかな下りがしばらく続き、少し先に山がちらりと見えたが、まだガスが多い。
下っていくと足元に水が流れるようになる。沢が近いと思っていると左に岩から水が流れている所がある。ここが水場だろうか。特に表示などはなかったが、ここで水を汲むことにした。まだ2L持っていたので、1Lだけ汲んだ。これだけあれば十分であろう。飲むとなかなか冷たい水で美味しかった。近くにはシオガマギクが咲いていた。
先に下ると右に曲がり、沢から離れる。やはりそこが水場であったようだ。しばらく進んでいくと小湿原に出る。やはりあまりお花はなく、先はガスである。
湿原が終わってしばらく進むと尾根に出る。ちょっと片斜面の道となり、わずかに歩きにくい所もある。振り返るとやはり三岩岳はガスの中、その上にガスが下降気味、あまり良い天気ではないようである。
先の窓明山方面もガスだが、右手にこんもりした山は家向山であろうか。そちらはなんとか見えている感じである。
先に進むと明るくなり、ガスが上がり始めた。日もさしてきて蒸し暑い。しばらく尾根道を登ったのち、先へ進むと再び小湿原を通る。そこもキンコウカが咲いていた。
そろそろ山頂が近くなってきた。登りも少し緩やかになり、やがてコンクリートに金属盤の付いた道標がある。窓明山の山頂はわずか先のようだ。ザックをデポし、カメラだけ持って先へ行くと山名板のある山頂に着いた。
ガスと湿気のせいで薄ぼんやりとした眺めで近くの山が見えたくらいであるが、なかなか良い感じの眺めであった。トンボがたくさん飛んでいる。トンボは自分的には益虫である。まだアブは飛んでいるが、トンボが多くなるとそのうちにアブも減るはずである。写真を撮り、また分岐に戻った。
そこから先へ進むが、気持ちの良い尾根道を下る。トンボが多いがアブも多い。しかし、気分よく下れる道である。笹は刈払いされている。先月の山開きの時に刈ってくれたのであろう。問題なくどんどん下ってまた眺めのない道となる。緩やかに下っていく道はしばらく続く。
樹林帯に入り、アブも少なくなる。その上、風が通ってひんやりする。またブナがあるからひんやりするのか、ひんやりするからブナがあるのか、いずれにしても悪くない場所で気分よく通る。長い道を下っていき、やがて右手が少し開けた所に出ると先に山が見えた。あれが家向山であろう。
まだしばらく先に下ると少し急な下りの所も過ぎて先に緩やかに進むと今度は一転して急な登りに変わる。ここまでずっと下りが続いたので、この登り返しは斜度もあり、かなりきつかった。それでも頑張って登るとピークらしき所に出て、左にロープの張られている所を見る。そこが家向山分岐らしい。
ロープが張られているものの道はなく、ここも激藪である。時間と踏み跡があれば家向山に行こうかと思っていたが、雪の時期でないと行くのは困難なようである。こんな状況を見ればあっさり諦めもつく。座り込んで少し休憩する。下には古い道標らしきものが落ちているが書いてあった字は見えなくなっていた。予定よりも早く下山してしまいそうだ。来た方を振り返るとかなり大きな木を見かける。その先にはちらりと肉眼では窓明山が見えたが、写真に撮るのは無理だった。
さて再び下り始める。日の当たるところはやはり暑い。それでも風がたまにあり、ちょっとだけ救われる。下っていくとかなりの太さのブナを見かける。巨木のサイズではないが、ブナにしてはかなりの太さである。ブナは成長が遅いのでこのサイズになるまでどのくらいの年月が経っているのであろうか。
どんどん下ってロープの付いた所なども下った。やがて少し緩やかに進む所に出る。
するとホツツジが群落で咲いていた。ホツツジの群落は滅多に見たことがなかったので、目にしたのは随分久しぶりなような気がする。
どんどん先に進んでわずかに緩やかな登りが続くとそこが巽沢山であった。
ここまでくれば、もう下山口まではそう遠くはないだろうと思った。しかし、先へ進むとそれなりに急な下りが続くようになる。わずかに登り返しなどもあるが、概ね急な下りが多い。周りの展望はないので、もう相当下ったのかなと思いながら下っていくとちらりと右が見えるところがあった。しかし、それを見るとまだまだ高い所にいる事が分かる。これでは下まで降りるまで相当ありそうだ。
やはりすぐ先からはかなりの斜度の急降下となる。ロープも付いている。これは登ってくるのは大変そうだ。
あっという間に高度を落としていく。ひたすら下っていくとやはり暑くなる。日差しがある所は強烈である。それでも構わず下っていくとやがて車やバイクの音が聞こえるようになってきて、さらに下ると右手に沢音が聞こえてくる。だいぶ降りると急に左に折れる。そこからもまだ急な下りが続き、ロープを掴まないとダメな所もあった。その下りをこなすと下りついたのか、右に曲がり、緩やかに進んで左に折れると登山口に着いた。
やっぱり暑い。スノーシェッド手前の温度表示は28度で昨日より1度高いようである。時計を見るとまだ10時半にもなっていなかった。
さてあずき温泉に向かう。しばらく歩くと昨日登った登山口を右に見て、さらに進む。スノーシェッドに入れば涼しいかと思ったが、案に相違してやはり暑かった。かえって左側に雪避けのプレートが設置されているので風が来ないので余計に蒸し暑く感じた。車はスピードを出して走り去るが、歩道的なものがあるので大丈夫である。少し進むと一旦スノーシェッドを抜ける。右に上がる道があるが、そこが昔の黒檜沢の登山口であろう。整備されていないせいか、表示などは撤去されているようであった。再びスノーシェッドに入って先へ進む。またしばらく歩くとあずき温泉のバス停がある。
少し先に左に道がある。そちらに出るとそこは駐車場らしい広場になっていた。左にロープの付いた道がある。ロープをくぐって先に行ったら、建物があるが閉鎖されていた。これは以前のあずき温泉の建物らしく、今営業している窓明の湯はもう少し先らしい。スノーシェッドに戻って先へ進む。しばらく進むとスノーシェッドを抜けた先に新しい感じの建物があり、そこが窓明の湯であった。
入ろうかと思ったら、目の前に止まっていた車からおばさんが下りてきて、11時からですと言う。施設の人であった。ひとまず自販機で麦茶を買う。めちゃくちゃ冷えていたので飲むと体に染みわたった。ようやく時間になり、入浴する。檜枝岐に行きたかったのでバス時間まで40分弱しかない。カラスの行水で入ろうと思っていた。さくっと入浴する。道路横に出て、日差しの暑い中でしばらく待つとバスがやってきて手を挙げる前にウィンカーを出してくれたようだった。日曜日のせいか乗客は一人くらいだったようだ。桧枝岐まで乗る。まるやというお蕎麦屋さんに立ち寄る。さすがに昼時でしばらく待たされたが、美味しいお蕎麦と天ぷらで軽くお酒を飲んだ。
時間がまだ少し余った。しばらく歩いて道の駅まで行く。スキー場で雪まつりが開かれているのがバスの中から見えたからである。行ってみるとこの暑いのに確かに雪が残っていた。冬の雪の多い時期に覆いをかけておいて、今の時期まで持たせたものと思われた。入らなかったが、道路から眺めた。日当たりの良いバス停でバスを待つが、やはり厳しい暑さだった。やっと来たバスはやはり乗客は数人だったようである。会津高原駅に出て、いつものようにリバティーと各駅停車を乗り継いで帰途についた。
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